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知ってた?クルマがオーバーヒートする原因と発生した時の対処法

2023.07.28

「オーバーヒート」は自動車を所有している人でなくても耳にしたことがある言葉だろう。語感から「何かが加熱されている状態」だと想像はできるものの、意味を正しく説明できない人も少なくないはず。そこで本記事では、「オーバーヒート」の意味、原因や症状などをわかりやすく解説する。最後に紹介する「オーバーヒート」の確認方法と対処法も、ぜひこの機会にチェックしておこう。

 

オーバーヒートとは 

オーバーヒート(overheat)は、「過熱」や「熱し過ぎること」を意味する英語。車用語として使用する際は、エンジンが異常に加熱し動作に問題が生じている状態を指す。

しかし、近年生産された車両は自動車の排出ガス規制に伴い、ほとんどが冷却率の高い「水冷エンジン」となったため、オーバーヒートが生じる確率は低下している。 

オーバーヒートの原因 

次に、オーバーヒートの原因3つを紹介する。車を運転する機会がある方は特に意識して確認しておこう。 

1. 冷却水や冷却システムの不良 

常にエンジンの冷却を行っている冷却水が漏れていたり不足していたりすると、エンジンが適温に保たれないためオーバーヒートが生じやすい。また、冷却システムである「ラジエーター」「ウォーターポンプ」などの機器が、経年劣化していたり故障していたりする場合もオーバーヒートが起こるリスクが高まる。 

2. オイル不良 

エンジンを冷却できる「エンジンオイル」の不足や漏れ、経年劣化もエンジンの冷却力低下に繋がる。エンジンが十分に冷却されないと、車両内にある金属部品がスムーズに動かなくなり、摩擦熱によるオーバーヒートが生じることがある。

また、オイル潤滑システムである「オイルポンプ」「オイルホース」などの箇所に故障や経年劣化がある場合も、オーバーヒートが引き起こされやすい。 

3. 激しい走行

エンジンに負担がかかる激しい走行によって、オーバーヒートが生じることもある。車のエンジンを冷やすラジエーターの前を塞いで走ったり、下り坂で低速ギアのまま走行を続けたりするのは避けるようにしよう。サーキットのような高速度で走りやすい場所で、エンジンを高回転し続けるのもエンジンに負荷がかかる走行方法だ。 

オーバーヒートによって起こる現象は? 

次に、乗っている車がオーバーヒートした場合、具体的にどんな現象が起こるのかを解説する。いざという時にすぐに異変に気付けるようにしておこう。

1. エンジンに異常が生じる 

オーバーヒートが引き起こされると、エンジンに異常が生じる。この時、スピードが出しにくい、アイドリングできなくなるなどの前兆が見られた後、エンジンの回転数が不安定になる、エンジンが掛からなくなるなど走行に支障が出るような現象が起こる場合が多い。また、エンジンから「キンキン」「カンカン」のような金属音が聞こえた場合も、オーバーヒートが生じている可能性があるため注意しよう。 

2. 水温計の数値が変化する 

エンジン内部の冷却水の温度を表す「水温計」の数値に変化があった場合、オーバーヒートしている可能性がある。冷却水の温度が適正に保たれている場合、水温計が設置されているメーターパネルの表記「C(cool)」と「H(hot)」の真ん中に針がある。一方で、オーバーヒートが起きている場合は針がH側に触れているケースがほとんどだ。 

3. 車両から匂いや煙が生じる 

オーバーヒートした際には、車両から異臭や煙が生じることがある。ボンネットから甘い匂いやオイルが焦げた匂い、水蒸気や煙が出始めた場合にはオーバーヒートしている可能性が高い。 

オーバーヒートの確認方法と対処法 

最後に、オーバーヒートの確認方法と対処法を紹介する。車両を運転する前に必ず確認しておこう。 

オーバーヒートの確認方法 

オーバーヒートの代表的な確認方法は、走行時の感覚と水温計の数値の変化だ。以下のような症状を確認することで、実際にオーバーヒートしているか判断できる。 

・普段よりスピードが上がりにくい 

・アクセルを踏むと車両から異音が生じる 

・エンジンの回転が不安定 

・水温計の数値が115℃以上を示すまたはメーターの針がHの前後を指す 

また、水温計がない車両の場合、メーターパネル内の「水温警告灯」が点灯しているとオーバーヒートが起きていることが分かる。 

オーバーヒートの対処法 

オーバーヒートが起きた場合、応急処置として安全な場所に車両を停める必要がある。冷却水の残量がある場合は、少しでもエンジンを冷やすためにエンジンを掛けたままにしておき、冷却水の残量が不明な場合はエンジンを切っておくのが安全だ。

次にボンネットを開きエンジンルームに風を通し待機しておこう。しばらく待機しても車両の状態が元に戻らない重度のオーバーヒートの場合は、レッカー業者などを呼び助けてもらうのがいいだろう。 

また、オーバーヒートした場合は後遺症が残り、さまざまな箇所の修理をしなければならないケースがほとんど。具体例としては、冷却水の交換や補充、エンジンオイルの交換やエンジン自体の修理・載せ替え、冷却ファンの修理・交換などが挙げられる。車両に適切な機器を備えたうえで、安全に走行できるように準備しておこう。 

 

※データは2023年7月上旬時点のもの。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

※製品およびサービスのご利用はあくまで自己責任にてお願いします。

文/編集部

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