キーボードを両手で、マウスを右手で操作というのがPC利用の一般的なスタイルだ。しかし、それだけではすべてのPC作業を快適にこなすのは難しい。特に、近年盛り上がっているeスポーツやSNSなどへ投稿するための動画や写真の編集、イラスト作成などの作業はその傾向が強い。
そんな中、〝左手デバイス〟に注目が集まっている。……といっても左利きの人向けのツールではなく、特定作業の効率を高めるため、マウスやキーボード以外で操作できるデバイスのことを指す。
ゲーミング用の左手デバイスは、ゲームプレー時に必要なキーボードの左側部分だけを切り取ったようなもの。プレーに最適なキースイッチを採用しているため操作性が向上。サイズもコンパクトなのでマウスを含めた設置場所の自由度も高められる。
動画編集やイラスト制作向けのデバイスは、よく使う機能をショートカットキーで簡単に呼び出すことで作業効率を高める使い方が基本。左手デバイスの有無で快適性が大きく異なるため、プロのクリエイターも広く活用している。
コロナ禍以降のライフスタイルの変化でPCの利便性が見直され、以前よりもPCを利用する機会が増えている。その反面、標準の操作デバイスであるキーボードとマウスだけでは操作性に限界がある。自分が行なう作業を少しでも改善しようとするユーザーが増えたことも、左手デバイスに注目が集まっている背景のひとつだ。同時に、専門性の高い作業をPCで行なう人も増えており、左手デバイスを中心とした作業の快適性を高める専用デバイスは、その存在価値が今後も高まっていくだろう。
【ゲーム】キーボードには真似のできない圧倒的な操作性
勝ちたい人向けの最強ゲーミングギア
Razer『Razer Tartarus Pro』
1万6988円
キーに光学式アナログスイッチを採用することで、ゲームパッドのような強弱をつけた操作が可能。左手で操作しやすいキー配列やパームレストなどプレー時の快適度も優れる。
全32個のプログラマブルキーに、親指で操作するキーパッドも用意。7色に光り気分も盛り上げてくれる。
【動画編集】ショートカットキーを振り分けてサクサク
動画編集の作業効率が大幅にアップ
TourBox『TourBox Elite』
3万9960円
動画編集では、作業ごとに機能を切り替えたり、タイムラインの調節などを頻繁に行なう必要がある。それらをボタンやダイヤル、ホイールを使って直感的かつ効率よく操作でき、作業効率がアップする。
ボタンに編集機能のショートカットを割り当てて呼び出したり、ホイールとダイヤルでタイムラインの拡大縮小や位置調節を操作できる。
スティックで直感的に動画編集
BRAIN MAGIC『Orbital2 STERNA』
1万8920円
8方向のスイッチと回転軸を備えるスティック型のデバイス。登録した機能をスティックを傾けて呼び出しつつ、そのままスティックを回転させて細かな操作が行なえる。
ゲーム用のジョイスティックを操作するような感覚で目的の機能を直感的に呼び出せ、軽快に操作性ができる。
【イラスト制作】ペンタブがスラスラ使えるように!
ペンタブの利便性が大幅アップ
ワコム『ExpressKey Remote』
オープン価格(実勢価格約1万480円)
ワコム製ペンタブ向け左手デバイス。17個のファンクションキーとホイールで、ペンタブの機能を軽快にコントロール可能。ファンクションキーへの機能登録も細かく編集可能なので、利便性を飛躍的に高められる。
写真のように、左手で持って使うのが基本。背面にシリコン素材を採用しているので、滑りにくく、作業をラクに行なえる。
漫画家御用達の人気デバイス
CLIP STUDIO PAINT『CLIP STUDIO TABMATE』
7000円
ブラシサイズの変更やキャンバスの倍率や回転のコントロールなどを、キーボードやマウスに手を伸ばすことなく制御できる。ペイントアプリ「CLIP STUDIO PAINT」を利用しているなら必携の左手デバイスだ。
左手で頻繁に行なう機能呼び出しを簡単にコントロール可能となり、本体のイラスト制作に没頭できる。
取材・文/平澤康寿
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。