ヤマハ発動機は、大型スポーツタイプのLMWモデル「NIKEN GT(ナイケン ジーティ)」をモデルチェンジし、受注生産にて発売を行なう。さらに、全国の「NIKEN」取扱店にて7月7日より予約受付を開始することを発表した。
今回のモデルチェンジは、”Evolution for high-end touring”をコンセプトに開発。長距離ツアラーとしての快適性と積載性を向上させた。また、LMWならではの自然な操舵性とリーン特性を両立したハンドリングに加え、細部の上質感など、LMWカテゴリーのフラッグシップにふさわしい仕上がりを実現している。
この「NIKEN GT」は進化したLMWテクノロジーが生み出す安定感に支えられたコーナリング性能と、快適な長距離ツーリングを可能にする上質なクルージング性能を両立させた大型スポーツタイプのLMWモデルとなる。
排気量アップ(845cc→888cc)し、平成32年排出ガス規制に適合した新エンジン
845ccから888ccへと排気量アップしたCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンを搭載。余力のあるパワーと力強いトルクを発揮。スポーツツアラーにふさわしい、スムーズで扱いやすさになっている。また、排気量アップに伴い、クランクウェブの形状を変更し(クランク慣性モーメント8%増)、各種制御や吸排気系とマッチングを図りながらドライバビリティ(動力性能/乗り味)を向上させた。さらに、吸気ダクトとエアクリーナーの形状を最適化することで、クリアなサウンドチューニングとし、長距離走行時も快適。
スポーティな操縦性を支える新設計ハイブリッドフレーム
スチール鋳造(ヘッドパイプまわり)・アルミ鋳造(リヤブラケットまわり)・スチールパイプ(メイン部分)を組み合わせたハイブリッド構造は、従来から踏襲しつつも、メイン部分を中心にフレームを刷新した。パイプ径やその取り回し、エンジン懸架点を見直し、LMWならではの安定感を維持しつつ、スポーティなハンドリングを実現している。
セッティングを見直し、路面追従性を向上したリアサスペンションまわり
安定感に優れたフロントまわりとバランスさせるため、リアサスペンションのセッティングとアームリレイ(リンク)を見直した。リンクレバーとバネ下重量を最適化することで、1名乗車時はしなやかにストロークし、衝撃吸収性が向上。2名乗車や荷物のフル積載時も余裕のクッション特性を実現、幅広いシーンに対応する。
シフトダウンにも対応するクイックシフターなどの各種電子制御
電子制御スロットルにAPSG(Accelerator Position Sensor Grip)を新たに追加し、ナチュラルな操作性を実現した。またクイックシフターは、従来からのシフトアップに加えシフトダウンにも対応する新タイプを採用している。なおアシスト&スリッパークラッチや、3つのエンジン特性を選べるD-MODE(走行モード切替システム)、高速道路走行時の疲労度の低減に貢献するクルーズコントロールも従来から引き継いで搭載している。
ツーリングの楽しさを拡張する7インチ高輝度TFTメーター
大型で見やすい7インチ高輝度TFTメーターを採用。モニター画面はシーンや好みに合わせて3種類から選択できる。また、ライダー自身のスマートフォン情報を車両のTFTメーターで表示すMるためのアプリ「MyRide – Link」Appをインストールし、Bluetooth経由で車両と接続すると、着信やメール受信、現在地周辺の天気、音楽再生など、スマートフォンの情報を車両のメーターに表示可能。さらに同社とGARMIN社が共同開発した二輪ナビアプリ「Garmin Motorize」(有料)をインストールすれば、メーター画面でナビ機能を使用できる。
※着信と音楽再生はアプリ「MyRide – Link」を利用せず、Bluetooth接続のみでも利用可能。
ツアラーとしての快適性と機能性をさらに高める装備の充実
・任意の位置に高さ調整可能な可動式スクリーン(スライド量は最大70mm)
・大容量約30ℓ・最大積載量5kg(いずれも片側の数値)のハードタイプサイドケース(別売)を固定するための上部ステー
・内腿が触れる部分のシート形状とシートパッド厚を変更し、足付き性を高めた新作シート
など、ツアラー機能を高める装備を充実している。
新たな機能を調和したスタイリング
“Visible and harmonized function”をキーワードに、新たな機能をより魅力的に視覚化し、既存のデザインと調和させたスタイリングとなっている。
例えば、エアロダイナミクスと取り付け強度、可動部分の剛性を高めつつ、スムーズな風の流れが感じられるよう可動式スクリーンの先端形状を最適化。またスポーツLMWが持つ唯一無二の骨格感を活かしつつ、7インチ高輝度TFTメーターや足つき性を改善したシート、新作スプロケットカバーなど、新しい機能・装備をミニマムな意匠変更で調和させている。
さらにカラーリングコンセプトを”Premium sport”とし、ボディカラーにはエレガントかつ洗練された印象を与える漆黒のブラックを採用。フレームやステムまわり、ホイールといったコンポーネントには強靭な骨格を強調するブロンズカラーを合わせている。
【フィーチャーマップ】
【販売計画】
100台(年間・国内)
【メーカー希望小売価格】
2,200,000円(税込)
【主要諸元】
関連情報:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/niken/
構成/土屋嘉久