「祭りの力で人と町を元気に」をミッションに掲げて活動している一般社団法人マツリズムでは、「祭に対する意識調査」を全国20~60代男女800名を対象に実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。
7割以上が「祭りはなくなってはならない」、必要性を再認識
「祭りはなくなってはいけないものだと思いますか?」に対し、「そう思う」「ややそう思う」と答えた人が合計74.0%となり、コロナ禍での前回調査(2021年)よりも3.0%増加していた。
地域別では特に中国・四国/九州沖縄地方での意識が高く、中国・四国地方では77.0%、九州・沖縄地方では86.3%と9割近くが「祭りの必要性を感じている」ことが明らかになった。
コロナ明けの祭り再開に約7割が「賛成」
「祭りが再開されることについて賛成ですか?反対ですか?」という設問では、「賛成」「どちらかと言うと賛成」の合計が66.4%、「反対」「どちらかと言うと反対」の合計11.3%と、再開賛成派が多数となる結果が得られた。
約7割が「子どもは祭りに参加してほしい」
「子どもに祭りに参加してほしいと思いますか?」という設問では、「そう思う」「ややそう思う」と答えた人が合計69.2%となり約7割が「子どもに祭りに参加してほしい」と思っていることがわかった。
「子供に参加してほしい」理由として、「地域の伝統や日本の文化を体験してほしいから(66.5%)」「子ども自身の楽しみや体験学習の場になるから(54.6%)」「他の地域の子どもたちとの交流が深まるから(46.5%)」の順になっている。
コロナ禍を経て、祭りへの参加意欲が全年代、特に40代で低下
「コロナ禍で外出自粛期間を経て、祭りへの参加意欲はどのようになりましたか?」という設問では、「参加したくない」という回答が64.4%となった。
全体で「参加したい」回答割合は2021年調査よりも低下し、「参加したくない」の割合は12.3%増加するなど、祭りへの参加意欲低下が見られる。
年代別の割合では20~30代において、「コロナ以前より参加したいと思う」が約20%と比較的参加意欲を維持できている傾向が見られるものの、40代では23.8%が「コロナ以前より参加したくない」と回答した。
コロナ明けの祭りの懸念点は感染リスク、人混み、規模縮小や質の低下
「コロナ明けの祭りに関して、あなたがもっとも懸念していることは何ですか?」という設問では、「感染リスクがまだ残っている(32.0%)」「人混みに慣れていないため不安(16.4%)」「祭りの規模縮小や質の低下(6.4%)」と回答しており、コロナ明けの祭りに関して感染リスクの懸念が消えない結果となった。
性別や地域に参加が限定される祭りの形式、約5割が「可能な限り改善すべき」
「参加できる人が特定の性別や地域の人だけに限定されている祭りについて、 あなたはどのように感じますか?」 という設問に対して「昔からの伝統であり、そのまま尊重すべきだと思う」という回答が38.6%、「その趣旨や歴史背景などへの理解は必要だが、可能な限り改善すべきだと思う」という回答が49.0%となった。
年代別では「そのまま尊重すべき」とする回答において50代以上は49.7%、40代以下は31.2%となり、祭りの伝統や形式に対する意識には世代間の違いがあるようだ。
祭りにおいて人力で行うなどの「伝統を守るべき」派は3割
「神輿について『人力で担ぐ伝統』と『労力を減らすためにトラックで運ぶという新しいアイデア』では、あなたはどちらに賛成ですか?」と具体的な変化例についての意識を問う設問では、「人力で担ぐ伝統を守るべきだと思う」という回答が33.1 %、「労力を減らすためにトラックで運ぶ方が良いと思う」という回答が11.3%という結果が得られた。
年代別で比較すると「人力で担ぐ伝統を守るべき」人力派が20代では21.3%、60代では44.4%。「労力を減らすためトラックで運ぶ方が良い」トラック派が20代では19.4%、60代では5.0%となり、意識の差が見られる。
祭りの形式が変化することで神聖さや伝統が失われるか
「あなたは、祭りの形式が変わることで祭りの神聖さや伝統が失われると感じますか?」に対し、「そう思う」「ややそう思う」の合計が45.2%、「あまりそう思わない」「そう思わない」の合計が54.9%という結果となった。
年代別で見ると「そう思う」割合について20代38.8%に対し、60代52.6%となり、祭りの変化に対する意識においても年代で差がある結果と言えるだろう。
調査概要
対象エリア/全国
対象者/20~60歳の男女 800人(有効回答数)※性年代均等割付
調査期間/2023年6月3日~6月5日
方法/インターネット調査
関連情報
http://www.matsurism.com/
構成/清水眞希