新参入のOrbicはセルラータブレットで攻める?
房野氏:米国のスマホブランド「Orbic(オルビック)」が、とうとう日本向けの端末を発表しました。
石野氏:FCNTと京セラの後を担うぜって感じのOrbicですが、レビュー用端末の「FUN+ 4G」を使ってみた感じだと不安が残りますね。
石川氏:Orbicはアメリカで「キャリア品質」だと言っているけど、アメリカのキャリアの端末は正直レベルが高くないから。
法林氏:確かにもっさりするところ、足りないところはあるんだけど、何を載せたいかによるものだと思っている。コスト重視の場合はあれくらいなのかなと。
石野氏:Snapdragon 680を搭載しているわりには、なんかちょっと動きが渋い。
房野氏:MWC Barcelonaのブースで触った時には、そんなにもっさりとも思わなかったのですが。
石野氏:チューニングかな。
法林氏:今回、試用でみんなが触っているバージョンは最終版ではないみたい。
石野氏:やっぱりそうなんですね。アプリが突然終了することが多かったので。
法林氏:カメラアプリのメニュー表記が「動画」「写真」「ボケ」「美しさ」……なかなかユニーク。
石野氏:カメラの画像サイズを選ぶメニューで「百万画素」と漢字になっていたり。
法林氏:そして、初期化すると、オーストラリア版がベースなの? って思った。それを日本語で見ているだけという感じ。
石野氏:この状態のものをレビュー機として貸し出していいのかとは、ちょっと思いますね。
法林氏:Orbicは今後、どういう風にプロモーションして、ブランドを広めて行こうとするのかを、僕らは見守っていくしかない。今の端末で判断はちょっとできないです。
石野氏:市場の空いているとこを探す能力というか、マーケットリサーチはちゃんとしていますよね。
石川氏:だけど、発表会で言っていた端末の平均利用期間に関しては、調査がちょっと甘いなと思った。
石野氏:日本ではセルラー版のタブレットがあまりないので、タブレットを手厚くやったと言っていましたね。
法林氏:8インチの4Gタブレットって意外とない。かつ、経済安全性の問題で、中国製じゃないタブレットが求められているけど、あまりない。
石野氏:Orbicの第一弾はタブレットがメインな感じ。スマホは「とりあえず出してみました」感がありますが、タブレットには期待できそうだと思いました。
……続く!
次回は、スマホ新製品について会議する予定です。ご期待ください。
法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。
石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。
石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。
房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。
構成/中馬幹弘
文/房野麻子