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得するのは誰?ドコモの新料金プラン「irumo」「eximo」がわかりにくいといわれる理由

2023.07.10

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、ドコモが発表した新料金プランのぜひについて会議します。

料金プランの内容を予想しにくい名称が×

房野氏:ドコモが「irumo(イルモ)」「eximo(エクシモ)」という新料金プランを発表し、2023年7月1日からスタートしました。発表会直後はネット上で「わかりにくい」という声が巻き起こりましたが、ご意見を聞かせてください。

石野氏:ドコモが低容量のプランを出すというのは、5月の決算説明会の時に井伊社長が、うっかりなのかわざとなのかわからないですが、「エコノミー〝プラン〟」という言い方をしていたことから予想していました。そんなプランはないぞと思って質問したら、「戦略上、支障があるので今は言えない」という感じだったんです。なにかしらやるという井伊さんのコメントがあった中で、その後、OCN、つまりNTTレゾナントを吸収するという発表があり、これはもうMVNOの「OCN モバイル ONE」をなんらかの形でドコモに統合して、サブブランドっぽいものを作るのは確実なんだろうと思われていた。とはいえ、まさか7月1日の吸収合併初日から新プランになるとは思わなかったので、びっくりしました。OCN モバイル ONEのプランを引き続くような形で7月1日から新料金プランとしてirumoが始まることになったと。eximoはギガホ、ギガライトを統合した感じのプランですが、irumoで新たにサブブランド対抗をしていく感じです。ただ、ドコモがirumoをあくまで「料金プラン」と言い張っているのでわかりにくくなっているんです。一旦、ドコモの言い分を忘れてサブブランドだと思うと、UQ mobileやY!mobileにぶつける立て付けになっている感じですね。

株式会社NTTドコモ 代表取締役社長 井伊 基之氏

石川氏:結局、「エコノミーMVNO」はなんだったんだという感じ。ドコモになかったデータ使用が少ない人向けの受け皿が、会社の再編によって維持できなくなり、ドコモとしてのブランド、料金プランとして吸収された感じになっています。

 思うに、UQ mobileの新料金プランが典型的ですが、料金プランの名前と立て付けをガラッと変えて、若干値上げに持って行っているなというところがある。例えばOCN モバイル ONEだったら3GBで1000円ぐらいだったのが、irumoだと3GBで2000円くらいに上がっている。それを安くするには条件がある。これだけいろんなものが値上がりしていますが、キャリアとしては「通信料金を上げました」とは口が裂けても言えない。なので、こういった形でちょっとずつ変えたんだろうなっていう感じがしました。

 ただ、なにせ「ネーミングセンス、どうなんだ?」ってところがある。「ギガホ」「ギガライト」というプランがあるからこそ「ahamo」が光ったのであって、irumo、eximoと両方ともahamoというネーミングに寄せたら、何がなんだかさっぱりわからなくなる。料金プランって格好いい名前をつける必要はなくて、「メリハリ無制限」とか「使い放題MAX」とか、誰が聞いてもわかるようなプラン名でいいじゃんと。なぜそこで格好付けるんだと。それと、「Z世代に向けてahamoです」って言うのはまだしも、「年配者に向けてirumoです」って言っても、全然伝わらないわけで、なぜあのネーミングになるのか。名前が出た段階で、会見に参加していた記者は「え?」みたいな感じになっていて、見せ方としてどうなんだろうなと。誰も止めるが人いなかったのかなって思いました。

法林氏:前に話したけど、Y!mobileやUQ mobileがやっていたS/M/Lというのがわかりやすい。

石野氏:UQ mobileはやめちゃったけど。

法林氏:結局、ベタな方がわかりやすいんだよね。そこは残念なところ。

石川氏:ただでさえ携帯電話の料金プランってわかりにくいと批判されている中、今回ドコモはahamoに加え2つの新プランだし、エコノミーMVNOも残っている。となると、ドコモの料金プランはどうやって選べばいいのか、スタート地点からわからない状態になっている。

他社の場合は、メインブランドの場合はいっぱいデータを使うか、そうじゃないかの二択がある。さらに安くしたければサブブランドという風になるんだけど、ドコモはああいう感じで広がっちゃっているので選びにくい感じになる。8GBくらい使うユーザーはどれを選んだらいいんだ? っていうのが見えない。しかも発表会からサービス開始まで10日しかなかった。まぁ、たぶん事前にショップには情報が行っていると思うけど、大変なんじゃないのかなって気がします。

石野氏:普通、新料金プランが始まる時って1四半期ぐらい間を置きますよね。

石川氏:ドコモは特にそう。

石野氏:事前予約を受け付けてからの導入で、始まる時は「やっと始まったのか」みたいな感じになり、その間、我々の解説記事もいっぱい出て(笑)、理解が深まった後に始まるのに、発表から10日であの物量の料金プラン変更は、「ちょっとナシですよ、ドコモさん」という感じ。

石川氏:ドコモは、irumoとeximoはサポートが充実しているという言い方する。データ容量だけじゃない、サポートっていう視点でも選んでくださいねっていうわけですよ。やっぱりドコモショップで選べることがいいと言うんだけど、だったらドコモショップを減らすなよって思う。ショップを減らしている状況と矛盾していて、大丈夫かなぁみたいな。

法林氏:ダメでしょ。

石野氏:ahamoが想定以上に絶好調だったので、ちょっと調子に乗ったのかなと。

法林氏:流れとしては、当初はahamoを別ブランドとして始めたかった。会社は同じだけど提供しているブランドは別という、KDDIにおけるUQ mobileのようなポジションでahamoを出したかったところ、当時の武田良太総務大臣が「メインで出さなきゃ意味がない」とか言っちゃったものだから、ahamoはメインの中に組み込んだ料金プランになってしまった。さらに、発表後にも読み違いがあって、Z世代に向けて出したつもりが携帯電話料金の値下げ報道に釣られ、年配のユーザーから問い合わせが殺到してしまった。ところが、こういう人たち(年配のユーザー)はあまりデータを使わないんだけど、メールアドレスも持ち運びで移行しちゃったら、全部で月額4000円くらいかかってしまう。これどうするの? 改修しなきゃダメだよねって話で、今回、irumoを並べてみたという感じがしている。irumoの存在とeximoの存在は、因果関係が全然ない。

石川氏:irumo専用サイトができると言っていて「はぁ?」って。なぜirumoだけ専用サイトができるのかと。

石野氏:だから、irumoはサブブランドなんですよ。料金プランとしか言えない呪縛なんです(笑) 当時の武田大臣発言に縛られすぎている感がある。それをガン無視したソフトバンクとKDDIは素晴らしいなって思う(笑)

石川氏:KDDIの髙橋社長は怒られたけどね。ま、それはさておき、武田さんの呪縛と、NTTの組織改変の2つに縛られた結果、ユーザーとメディアが置いてけぼり、みたいな。

KDDI株式会社 代表取締役社長 髙橋 誠氏

法林氏:OCNを統合するのは会社側の都合だろって話だよね。ユーザーには関係ない。

石川氏:そうそう。

法林氏:自分たちの都合で料金プランをいじるとか、何をやっているんだって気がするよね。

石川氏:しかも、エコノミーMVNOとして残っているトーンモバイルやLIBMOは、はしご外されまくりじゃないですか。まぁ、薄々こうなるとは思っていたけど。

石野氏:トーンモバイルは自分たちの端末を売ってくれれば御の字だって思っているでしょうけどね。

石川氏:いや、もう難しいでしょ。ユーザーを他社に契約させる必要はないでしょうよ。

房野氏:OCN モバイル ONEの契約者数はどれくらいでしょうか。その人たちは最終的にはドコモに行くんですか?

石野氏:今、ちょうど200万ほどで、一応、新規受付は停止しました。既存ユーザーにはサービス提供を続けると言っているんですけど、それがいつまで続くかなっていう感じはありますね。とはいっても、LINEモバイルがいまだに細々と続いていることを考えると、OCN モバイル ONEも細々と続いていくと思うんですけど、ユーザーはどんどん減っているし……

石川氏:放置状態だよね。

石野氏:現時点だと、OCN モバイル ONEからirumoに移るメリットはほぼない。

法林氏:ソフトバンクがLINEMOを作った時に、LINEモバイルより値段が上がった。だから結局、安い1000円のプランを別に作った。irumoではそういう配慮が全然ない。

石野氏:ないですよね。単純に値段が上がっちゃうだけで。

石川氏:ドコモは値上げしたいんだよ。

石野氏:値上げしたいドコモと、払いたくないユーザーが綱引きになっている状態。

石川氏:結局、そういったユーザーは別のキャリアに行っちゃう気がする。

法林氏:ソフトバンクが上手だと思うけど、改めて思うのは、払ってもいいかなって思わせる工夫をauはやっている気がする。パックものに関してはすごくそう思う。

房野氏:今回は、色んなサービスが入ったパック系料金はなかったですね。

石野氏:映像サービスを契約することでdポイントの還元を受けられる「爆アゲ セレクション」はある。

法林氏:でも、還ってくるポイントは、たかが知れている。爆アゲは爆アゲで突っ込みどころはたくさんある。メニューを増やして、SpotifyやHulu、Amazonプライムも加入するし……みたいにすると契約が複雑。「これって、いろんなネットサービスの支払いをドコモにまとめていきたい意図があるんですか?」とドコモに質問したら、「考えていない」と。大丈夫か? って思いました。

石川氏:ドコモは「auがやっているから真似しなきゃ」っていうことで、追随したんじゃないですか。

 auはいろんなサービスをまとめることによって、ユーザーが今まで使っていなかったコンテンツを「使ってみようかな」という気にさせる。新しいお客さんになる可能性があるので、コンテンツ屋さんにとってもプラスがあるわけですよ。でも、ドコモの爆アゲ セレクションは、ユーザーにとっては自分の好きなサービスだけを契約できるメリットもあるんだけど、コンテンツ屋さんからすると安売りだけにしかならず、あまりメリットがない。後からリリースするんだから、もうちょっと考えてもいいんじゃないのかなって思うところ。

法林氏:僕が契約している複数のau回線では、Amazonプライムの申し込み手続きをしていないと、「この回線はAmazonプライムを契約していませんが、しなくていいですか? リンクをたどっていけば契約できますよ」みたいなSMSが届くんですよ。僕はすでにほかの回線でAmazonプライムを契約済みなんだけど、auはちゃんとお客さんに付帯サービスを使ってもらおうとしているんだなって思いました。ソフトバンクもちょっとあるかな。でも、ドコモはそういうお知らせが一切ない。

石野氏:確かにauは定期的に来ますね。

房野氏:ドコモのコンテンツサービスは「dマガジン」が好評だったと思いますが。

法林氏:好調だと思いますし、コロナのタイミングは微妙だったけど、僕が通っている美容院には営業さんが来ていて、店長さんが元々iPadを使う人だったから「dマガジン for Bizを契約しましたー」って言っていた。店舗開拓はできていると思いますし、出版業界としても利用数を稼げて認知してもらえるメリットがある。

房野氏:「dアニメストア」も、作品ラインアップは充実していると思います。

法林氏:dマガジンに提供している出版物のカタログみたいなものを、ドコモが作っているじゃないですか。そういうところは上手いと思う。あのあたりを仕掛けた人は、確か、元々、iモードを担当していた人たち。iモードに縛られちゃいけないけど、iモードの時の経験値があったからこそdマガジンが成功した感はある。今はコンテンツの扱い方とかユーザーにどうやって使わせるかの部分で、ドコモはちょっと物足りない感じがします。

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