新しい放熱技術はゲーミングスマホ並みの安定感!?
カメラ機能が特徴的なAQUOS R8 proですが、フラッグシップモデルとしての強みはカメラ以外の部分にも多く散りばめられています。
新技術として搭載されている設計の中でも特徴的なのが、排熱設計。スマートフォンに搭載されているチップセットは、年々性能が向上していく中で、発熱の対策をどのように行うのかが1つの課題となっています。ゲーミングスマートフォンなどでは、長時間安定して動作するために、水冷システムや冷却ファンを搭載したモデルも登場するほどです。
AQUOS R8 proでは、カメラレンズの周辺に「サーモマネジメントシステム」という仕組みを採用。スマートフォンの中でも発熱の多い、チップセットやカメラから発せられる熱をカメラリングに集め、放熱するシステムとなっており、前モデル比で表面温度は最大8度、熱発生量は最大30%低下させたとのこと。
発熱が大きくなる、負荷の大きいアプリゲームをプレイしていても、カメラリングがほんのり暖かくなる程度で、極端に熱くなることはありません。放熱性能は、バッテリー持続時間などにも直結する部分なので、新しい形で対策ができているのは好印象です。
ディスプレイは約6.6インチで、AQUOSの特徴でもあるPro IGZO OLEDを採用していますが、前モデル比でブルーライトを約50%低減できる新素材を採用しています。また、リフレッシュレートは最大240Hzとなっており、なめらかな動作が可能。ピーク輝度も最大2000ニトと明るく、10億色の表現、コントラスト比2000万:1にも対応しているため、屋外でもきれいな画面を楽しむことができます。
そのほか、バッテリーは大容量の5000mAhで、ワイヤレス充電にも対応。IPX6・IPX8/IP5Xの防水防塵性能を有し、本体上部には3.5mmイヤホンジャックを搭載しています。
生体認証は顔認証、画面内指紋認証の両方に対応。指紋認証は「3D超音波指紋センサー」となっており、認証エリアの広さと速度が魅力。指紋の登録もディスプレイを長押しするのみとなっており、利便性に優れている印象です。
搭載CPUはSnapdragon 8 Gen 2で、メモリ12GB、ストレージ256GB。最大1TBのmicroSDXCカードにも対応しています。初期OSはAndroid 13となっており、他のAndroidスマートフォンとほぼ変わらない使用感なので、使っていて戸惑うことはほぼありません。nanoSIM(SIMカード)とeSIMの両方を使用した、デュアルSIM運用にも対応しています。
成熟した1インチセンサー搭載カメラがスマートフォンの撮影体験を変えるかも
冒頭でも触れた通り、AQUOS Rシリーズとして1インチセンサーを搭載したのは、今回のAQUOS R8 proが3号機。1号機からハードウエア、ソフトウエアの両面でアップデートを積み重ね、シャッタースピードやAF速度、色表現といった各ポイントが洗練されており、スマートフォンのカメラとしてもかなり扱いやすくなっています。
1号機時点から、1インチセンサーカメラの精細さ、静止画の鮮明さはこれまでのスマートフォンとは違う撮影体験ができる製品でしたが、ペットといった動く被写体の撮影にも強くなったことで、スキのないカメラに仕上がった印象。1インチセンサー搭載スマートフォンという1つのコンセプトが、かなり成熟してきているといえます。
また、AQUOS R8 proはカメラ以外にも、ディスプレイや放熱性能など、フラッグシップモデルに恥じない性能を搭載しているので、スマートフォンできれいな写真を撮影したい人はもちろん、アプリゲームをヘビーにプレイしたい人などにもおすすめできるスマートフォンになっています。
取材・文/佐藤文彦