実印、認印、代表者印、覚えておきたい印鑑の正しい使い分け

不動産などの大事な契約や、ビジネスなど、今でも様々なシーンで印鑑が使われています。印鑑には様々な種類があります。個人で使うものや会社で使うもの、実印、認め印……それぞれの使い方を間違えないよう、印鑑の種類を覚えておきませんか？

〝個人用〟と〝法人用〟……それぞれ印鑑の使い分けはできている?

印鑑には〝個人用〟と〝法人用〟があり、さらにそこから種類が分かれています。それぞれの印鑑の使うシーンについてご説明します。

〝個人用〟の印鑑とは?

まずは〝個人用〟の印鑑についてです。

その名の通り個人が持つ印鑑のことで、実印、銀行印、認印の3種類を使い分けることが多くなっています。

個人用印鑑の種類①〝実印〟の用途や使い方

実印とは、住んでいる地域の役所にて印鑑登録をした印鑑のこと。個人の印鑑として公的な機関に登録するもので、印鑑登録をした印鑑に一定の法的効力を持たすことができます。

実印登録を行った役所で、印鑑登録証明書という書類の発行ができ、不動産の購入やローン契約などの重要な契約時に利用します。

個人用印鑑の種類②〝銀行印〟の用途や使い方

銀行印は、銀行に届け出をするための印鑑のこと。ネットバンキングの普及により使用頻度は少なくなってきていますが、口座の開設や窓口での振替や引き出しを行う時、クレジットカードの申し込み時の引き落とし口座登録などに使われています。

個人用印鑑の種類③〝認印〟の用途や使い方

認印とは、役所や銀行などに登録手続きをせず、日常的に使う印鑑の俗称です。印鑑は役所や銀行などへ登録することなく使用でき、個人用の印鑑としては最も利用頻度の高い印鑑と言われています。

〝シャチハタ〟印を認印として使える?

すでにインクが入った状態のいわゆる〝シャチハタ〟印や浸透印などは、印面がゴム製で変形しやすいので、役所手続きなどではシャチハタ不可のケースが多いです。ですが、会社で確認のための事務作業や、郵便物の受け取りならシャチハタを使用しても大丈夫という場面もあります。

【参考】はんこ屋さん21｜実印・銀行印・認印の違いとは？規定をわかりやすく解説

〝法人用〟の印鑑とは?

会社やお店を運営していると良く使うのが〝法人用〟の印鑑。社判や社印、法人印と呼ばれることもあり、会社や法人の代表の意思決定を公的に証明する印鑑、会社の資産に関わる銀行手続きに使用する印鑑など、重要度が高い印鑑もあるのでご紹介します。

法人印鑑の種類①代表者印（会社の実印）

最も重要度が高いとされる法人印鑑です。会社実印と呼ばれることも。

代表者印は法務局に登録する印鑑で、代表者印による契約書などへの押印は、会社の代表者の意思や決定を公的に証明する効果があります。

法人印鑑の種類②銀行印

代表者印に並び重要度が高い印鑑です。法人口座を開設する時に銀行へ届け出をするのに使用するもので、印影は丸い形状が多いですが、円の内側（中文字）は、〝銀行之印〟と記されていることが多いです。

代表者印と銀行印の併用は可能ですが、盗難紛失や偽造のリスクを下げるため、代表者印と分けて作成、保管するのがおすすめです。

法人印鑑の種類③角印

主に日常の業務で会社が発行する書類などに使用する印鑑で、四角い形状の印鑑を活用することが多く、角印と呼ばれることもあります。

社内での文書だけではなく、社外に発行する見積書や請求書など会社やお店から発行した正式な書類であることを示す場合にも使います。役所などへの登録をしませんし、なくて困ることはないですが、代表社印や銀行印よりも押印の頻度が高く、角印を押すことで書類の信用度が高くなります。

法人印鑑の種類④認印（役職印）

個人の認印と同じく、実印などの指定がない場合に押す印鑑です。役所や銀行に登録しないので角印の使用でも問題はありません。ですが、中文字に〝取締役印〟〝専門取締役印〟〝常務取締役印〟などの役職で作成し、社内の特定の責任者が承認したという意思を証明できます。

法人印鑑の種類④ゴム印

会社で作成される主なゴム印は住所印で、社名・店名・屋号や住所、電話番号などを入れて作成したゴム印です。請求書や見積書、領収書などの書類や封筒などに幅広く使えます。

住所印以外も、角印をゴム印で作ったり、用途に合わせて〝至急〟や〝納品書在中〟などの連絡情報や発行、確認の日付を印字するデータ印など種類が豊富です。

【参考】はんこ屋さん21｜法人印鑑の種類とは？押し方や登録方法も解説

※データは2023年7月上旬時点での編集部調べ。
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文/山田ナナ