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Google Pay対応スマートウォッチ「TicWatch Pro 5」があぶり出すキャッシュレス決済の落とし穴

2023.07.07

遠藤周作の作品『沈黙』に出てくる「この国はすべてのものを腐らせていく沼だ」という台詞は、そのままガジェットにも当てはまるかもしれない。

Mobvoi Information Technologyが先ごろ発売したスマートウォッチ『TicWatch Pro 5』は、そんな沼地に片足を取られてしまった哀れな製品……というのは誤解される表現だろうか?

しかし、『TicWatch Pro 5』はGoogle Pay対応ではあるがFeliCaには非対応であることを知れば、この製品の憂鬱が多少でも理解できるはずだ。もちろんその憂鬱は、『TicWatch Pro 5』の性能そのものに起因する現象ではない。つまりは日本という環境のせいなのだ。

今回はそんな新製品を腕に巻きつつ、「日本のキャッシュレス決済事情」について考察していきたい。

世界5衛星に対応のハイエンドウォッチ

『TicWatch Pro 5』は、現時点の最先端を行くスマートウォッチである。

プロセッサーはSnapdragon W5+Gen 1、OSはWear OS3.5、そして筐体はMIL-STD 810H準拠。Androidスマホと連携する製品だが、多くのアプリを『TicWatch Pro 5』単体で利用することができる。

この製品にYouTube Musicがプリインストールされていることを確認した瞬間、筆者は妙な感動を覚えてしまった。スマホに頼らなくても音楽くらいは聴くことができる。ああ、これが時代の流れなのか……。

さらにこの『TicWatch Pro 5』、電池の持ちも売りにしている。スマートモードを利用すれば、何と最大80時間の連続稼働ができるとのこと。位置測位システムは世界5衛星(GPS、GLONASS、ガリレオ、北斗、みちびき)に対応し、コンパスや気圧計、加速度計、ジャイロセンサーも内蔵する。

なお、充電システムは「超高速充電テクノロジー」と銘打っており、30分間で約65%の充電が可能としている。実際、充電器を接続してみると0.01%毎にみるみるとチャージされていく様子が見て取れる。このあたりには、筆者も感心してしまった。

しかし、この製品の肝は「NFC内蔵」という点ではないか。つまり、Google Payと連動した非接触型キャッシュレス決済ができるということだ。

FeliCaには非対応

『TicWatch Pro 5』は、その気になればオープンウォータースイミング(野外での遠泳)もできるほどのタフさを持つスマートウォッチである。が、それほどの耐久力があるとは分からないくらいの都会的なデザインだ。

アウトドア臭さがないアウトドアウォッチ。それ故に、街中でもこれを装着し続けることができる。

さて、『TicWatch Pro 5』を腕に巻いた状態で喫茶店に入り、コーヒーを注文して決済する段になった場合、その店がGoogle Payやクレカのタッチ決済に対応していれば『TicWatch Pro 5』をパッドにかざして支払いを済ませることができる。

そして電車やバスといった公共交通機関を利用する際も『TicWatch Pro 5』をかざして乗車……と言いたいところだが、このあたりはそういうわけにもいかない。

なぜなら、『TicWatch Pro 5』はFeliCa非対応だからだ。平たく言えば、交通系ICカードとは連携しない。

そして、スマートウォッチでの非接触型決済に対応するクレカ(Wear OS版Google Pay対応クレカ)自体も、日本ではあまり多くない。従って「自分の持っているクレカでは『TicWatch Pro 5』と紐付けできない」ということが当然ある。

日本はやはり「沼」なのだ。

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