情報セキュリティメーカーのデジタルアーツは国内企業・団体の従業員と情報システム管理者を対象に、勤務先におけるメール誤送信の実態調査を実施。回答結果をグラフと図表にまとめて発表した。
誤送信経験者は情シス管理者が55.1%、従業員で46.6%
2023年のメール誤送信調査において、業務中にメールを誤送信した経験が「ある」との回答の割合は47.8%だった。このうち、管理者では55.1%、従業員で46.6%が誤送信の経験があることがわかった。
これを2019年の調査結果と比較すると、両者ともにメール誤送信経験が「ある」との回答は減少傾向にはあるものの、依然として半数近くは誤送信をしている状況であり、引き続き対策を行なっていく必要性があると考えられる。
誤送信の内容は、管理者・従業員のどちらも「宛先を間違える」、「添付ファイルを忘れる」、「メール本文の誤字脱字」、「添付ファイルを間違える」、「本文が作成途中のまま送ってしまった」が上位となっている。
従業員においては、「宛先を間違える」の回答が79.4%と最も多く、前回調査から約30ポイントも増加。また 「宛先を間違える」、「添付ファイルを間違える」、「Bcc:指定をTo:やCc:指定としてしまった」など情報漏えいに直結する誤送信は前回調査より大幅に増加していることがわかる。
誤送信に気付くのは本人が70.0%以上、10分以内に誤送信に気付く割合は50.0%以上
管理者は72.9%、従業員は84.1%と管理者・従業員ともに、70.0%以上が自身で誤送信に気付いていることがわかった。
どのタイミングで誤送信に気付いたかについては、従業員では「送信ボタンを押した直後」が40.2%、「10分以内」が28.9%と、10分以内に誤送信に気付く割合が69.1%という結果だった。
管理者でも58.4%が10分以内に気付いてい流ほか、管理者・従業員ともに、30分以内に気付く割合は70.0%以上となることから、送信から30分以内が最も誤送信に気付きやすいものと考えられる。
誤送信対策ソフトを「導入している」管理者と比べ、未導入の管理者の誤送信経験は約3倍
誤送信対策ソフトの導入は「導入する予定」が14.0%、「導入していない」が43.9%と、調査時点で57.9%が未導入であることが明らかになった。
誤送信対策ソフトを「導入している」管理者では22.0%が誤送信経験ありと回答しているが、未導入の管理者では66.1%が誤送信経験ありと回答している。
「導入している」管理者と比べ、未導入の管理者の誤送信経験は約3倍となっていることから、誤送信対策ソフトの導入は誤送信のリスクを大幅に軽減できることがわかる。
また、社外とのメール送受信に関するルールについて、「特にない」と回答した管理者の24.8%を除き何らかのルールがあると回答している一方、従業員の48.1%が「特にない」と回答していることから、社内で規定されているメールの送受信に関するルールが従業員に十分に認知・徹底されていない可能性も推察できる。
誤送信対策は、社内ルールだけに頼らず対策ソフトの利用など適切な対策が重要
メール誤送信の経験は、管理者・従業員ともに前回調査と比較して減少しているものの、約半数は依然としてメール誤送信を経験している状況にあることがわかった。
特に従業員においては、「宛先を間違える」、「添付ファイルを間違える」、「Bcc:指定をTo:やCc:指定としてしまった」など、情報漏えいに直結する誤送信が前回調査より大幅に増加しており、情報漏えいを防ぐための誤送信対策は急務と言えそうだ。
調査概要
関連情報
https://www.daj.jp/bs/ma/
構成/清水眞希