歴史に学ぶビジネス籠絡術 『武田信玄の人材マネジメントがスゴイ』
戦国最強の武将と謳われる武田信玄は天才的な戦略手腕のみならず、人身掌握術も見事なものだったという。
「知的で戦上手な信玄は人を扱う能力に優れていました。彼の有名な言葉に「人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり」というものがあります。
これは、「国を繁栄させるためには強固な城よりも人材が重要で、人心が離れてしまえば味方も敵となり国を衰退させる」という意味。信玄は家臣との強い信頼関係を築くため、積極的に対話し、働きぶりをよく観察していたんです」
現代のビジネスにおいても、同じことが言えよう。企業を支える根本は人材。部下を権力で押さえつけ恨みが生じたとき、部下は当然のように離れていく。人材マネジメントにも信玄のような観察力と対話力が求められるはずだ。
来年の大河ドラマにもビジネスに役立つシーンが出てくる予感…?
2024年の大河ドラマ「光る君へ」は、「源氏物語」の作者・紫式部が主人公。きらびやかな平安貴族の世界を懸命に生きた紫式部の人生が描かれるそうだが、長年大河ドラマを観てきたミスター武士道さんも、今から楽しみだと語る。
「平安時代の華やかな日常をどのような映像美で見せてくれるのか、そこがまず楽しみ。ただ、優雅で雅なイメージの平安時代ですが、実はブラックな環境で働く貴族がいたり、バイオレンスな事件が頻発した時代でもあったんです。その辺がどう描かれるのかも見どころですね」
さらに、そんな平安時代の文化にも現代のビジネスパーソンが学ぶべきポイントがあるという。
「当時の貴族たちは日常的なコミュニケーションツールとして和歌を用いていたんですが、歌を詠みかけられたらすぐに返す『返歌』が基本的なマナーでした。そこで瞬時に気の利いた返しができないと教養のない人だと思われてしまうため、誰もが日頃から学問や芸術などを必死に勉強していたみたいです」(ミスター武士道さん)
たしかにビジネスシーンでも似たような場面に遭遇する。ここぞという時に上手く返せるか?大事な所で心に刺さる一言が言えるか?ほんの一瞬、たった一言で、仕事の未来が変わることもある。
まさか、平安時代にも同じようなアドリブ力が試されていたとは。
今から、来年の大河ドラマが楽しみだ。
意外や意外、ビジネスパーソン必見のドラマになる!…かもしれない。
ミスター武士道 プロフィール
1990年、三重県四日市市生まれ。年間100冊以上の歴史に関する学術書や論文を読み、2019年から歴史好きYouTuberとして歴史解説チャンネル「戦国BANASHI」を開設。登録者数は15.5万人(2023年6月時点)。一般向け歴史書籍の監修、地域の歴史をPRする動画制作なども手掛ける。2022年12月には「家康日記」を公刊。一番好きな戦国武将は豊臣秀吉。
ミスター武士道ツイッター
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文/太田ポーシャ