もし上司から「明日から会社のTwitter担当ね」と告げられたら?何をすればいいかわからず、焦る人も多いだろう。SNSを自社のマーケティングに活用するために、まずはバズる投稿の分析術を身につけよう。
ファストマーケティング 代表取締役
峯林晃治さん
ジャストシステムでBtoB領域のデジタルマーケティングに携わり、20年に独立。ミエルカSEOを提供するファベルカンパニー社のコンテンツディレクターも兼務。
バズりの第一歩は無料の公式ツールから始まる
漫然とツイートしていても、バズらせるのは難しい。SNSをビジネスに有効活用するには、戦略的に投稿をする必要がある。
「各ツイートに対する反響のデータを見て、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回して業務フローに落とし込むことが大事です」(峯林氏)
最初の一歩は「自社分析」で、個々の投稿の見られた数や、「いいね」「リツイート」の数など数値を見るところから始める。そのために利用するのが分析ツールだ。
「Twitter、Instagram、TikTokには公式で無料の分析ツールがあるので、まずはそれに慣れましょう。どの投稿に対し、〝いいね〟やリツイートが多いか、フォロワーが増えたか、どの時間帯に投稿すると反応がいいのかなどを見て、関心の高いテーマや言葉、ターゲット層が見ている時間帯などを探っていきます」
公式ツールの「Twitterアナリティクス」では、こうしたデータはCSVファイルで得られるが、例えば、有料ツールの「ソーシャルドッグ」なら、グラフ化して表示してくれる。
次にやるのが「他社分析」で、競合他社の投稿を見て、同じように数値を見ていく。
「公式ツールでは他社アカウントの分析はできないので、見える範囲にとどまりますが、初心者はバズった投稿を参考にしましょう。自社も他社も、とにかく毎日数字を見ることが大事です」
毎日見ていると、徐々にバズる法則が浮かび上がってくるという。
Twitterでの「ツイートの性質」分析フロー
【1】まずは無料の「公式ツール」でOK
Twitterのサイドバーにある「…」の「Creator Studio」から「アナリティクス」を選ぶ。各ツイートへの反応のほか、過去28日間のフォロワーの増減やツイートのインプレッション(表示回数)なども見られる。
【2】自社と他社のツイートを地道に「毎日」見るしかない!
有料ツールの「ソーシャルドッグ」(月980円〜)を使えば、フォロワーの増減や時間帯ごとのインプレッション、バズったキーワードなどを表示させられる。毎日ツイートして反応を見ていれば、徐々にコツがつかめる。
【3】アカウント運営で重視すべき指標「FF比」と「プロフクリック率」
フォロワー数だけでなく、「FF比(フォロワー数をフォロー数で割った数値)」も大事で、更新の止まったユーザーは整理する。ツイート→プロフィール→自社Webサイトに飛ばすのが基本で、「プロフクリック率」も注視。
InstagramもTikTokも基本は同じ! だけど……。
Twitterと同様、Instagramには「Instagramインサイト」、TikTokには「TikTokクリエイターツール」という公式の分析ツールがあり、マーケティングの考え方としては同じだ。ただ、Instagramインサイトについてはスマホ版のみで、アカウントも「プロアカウント」に切り替える必要がある。
取材・文/清水典之