なぜ彼らの投稿はバズるのだろうか。なぜ私たちの投稿はバズらないのだろうか。その差は一体どこにあるのか、今を時めくインフルエンサーに直接聞いてみた。
料理は〝味〟だけじゃなく〝ストーリー〟を堪能させることで満足感につながる
料理研究家リュウジのバズレシピ
Twitter 約252万人 @ore825
YouTube 約387万人 @ryuji825
株式会社バズレシピ代表。2017年よりTwitterで料理研究家として活動開始。2018年にはYouTubeチャンネルを開設する。総再生回数は9億4000万回を超える。
僕が天狗になったら誰も見てくれない
フォロワー数がまだ1万人くらいの頃に、とある出版社さんから『レシピ本を出しませんか』って連絡があったんです。嬉しくて『ぜひ!』って答えたんですけど『フォロワー数が10万人になったら』と返されてしまった。初めは悲しかったんですが、段々と腹が立ってきて『じゃあバズってフォロワー数を増やしてやる!』って思ったのがスタートラインですね。
それまではバズらせようと思って投稿していたのではなく、「自分の好きな料理のことを、知人に向けて発信しよう」くらいの気持ちでした。偶然いくつかの投稿がバズってフォロワー数が増えていただけでバズらせる方法が分からなかった。そこで、ほかのインフルエンサーやバズっている投稿から自分なりに考えて出した答えのひとつが「意外性」と「共感」でした。
ネットミームを使うとか、やり方はいろいろあるとは思うのですがバズるためには他のユーザーが反応することが欠かせない。思わず「わかる!」ってコメントしたくなる投稿だったり、議論したくなるような投稿は拡散されやすいと感じます。
ほかには誰に向けて投稿をするのかをきちんと考えないといけない。よく勘違いされるのですが私のターゲットは「普段料理をする層」ではありません。むしろ「料理を〝しない〟層」なんですよ。
だって考えてみてください。毎日自炊をする人って全体の何割くらいでしょうか? しない人のほうが多いのは明らかですよね。どちらにリーチしたほうがバズりやすいかなんて一目瞭然ですよ。これまでほかの料理研究家にはこの視点がなかったところで、開拓できたのもよかった。
インフルエンサーになったと実感したのは、レシピでお金が稼げるようになってきてから。でも僕はどれだけフォロワー数やチャンネル登録者数が増えても「料理」という生活に密着したテーマである以上、みんなと同じ目線で発信したい。それが一番バズり続ける秘訣ですね。
予想外の〝おもしろさ〟が多くの人の心を刺激
じゃがりことさけるチーズで作る『じゃがアリゴ』。Twitterで大バズりしYouTubeにも投稿された。リュウジさんが考案者と知らない人も多いほど一般的にも広まったレシピ。
〈ココがBUZZを呼ぶ!〉
レシピに「究極の」や「悪魔的な」といった枕詞を使うことで、見る人の頭の中により大きなイメージやストーリーを作ることができる。食べた時の満足感が向上するだけでなく、視聴者自身のストーリーが生まれコメントやリプライといったアクションにつながる。
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なぜ彼らの投稿はバズるのだろうか。なぜ私たちの投稿はバズらないのだろうか。その差は一体どこにあるのか、今を時めくふたりのインフルエンサーに直接聞いてみた。 Ti...
取材・文/峯 亮佑