なぜ彼らの投稿はバズるのだろうか。なぜ私たちの投稿はバズらないのだろうか。その差は一体どこにあるのか、今を時めくふたりのインフルエンサーに直接聞いてみた。
TikTokは「冒頭2秒」で視聴者を惹きつけられるかが勝負の分かれ目
マツダ家の日常/関ミナティ
TikTok 約630万人 @matsudake
YouTube 約883万人 @m2dk.560
2020年11月より投稿を始める。おなじみのセリフ「いやヤバいでしょ」は2021年TikTok流行語大賞チャレンジ部門を獲得。TikTokで一大ムーブメント巻き起こした。
視聴者は僕たちの〝本気〟を見抜いてくる
友人にミスター都市伝説こと関暁夫さんのモノマネを披露したらめちゃくちゃウケて「絶対にTikTokに投稿したほうがいい」と勧められたのがTikTokerとしての僕の始まりです。
2020年に投稿した1本目の動画が100万回以上再生されたのですが、TikTokで関さんのモノマネが目新しかったというわけではありません。まして、モノマネをしただけではユーザーの興味を惹けないというのは始める前からすでに分かっていました。そこで、ちょうどその頃TikTokで流行っていたグルメネタと掛け合わせた「ロスチャイルドファミリーマート」シリーズが生まれたんです。
1本目の動画を投稿するときに考えていたことは〝バズらせよう〟というより 〝バズったら次にどうつなげようか〟という点でした。1本目がバズったら、次の動画でそのバズりを利用しない手はありませんから。僕が動画の冒頭に使う「いやヤバいでしょ」というフレーズも、つかみとしてだけではなく、視聴者のオススメ動画に流れてきたときにすぐに「前に見たおもしろい人の動画だ」と分かってもらうための役割もあるんです。その他にも、同じフォーマットで動画を作れるというクリエイター側としてのメリットも大きかったかもしれませんね。
TikTokだけでなくSNS全般にいえることなのですが、バズらせるために一番必要なことは〝本気でやること〟だと思っています。TikTokは十数秒、数十秒の動画が多い。だから、「これくらいなら時間も手間もかからなそうだし、俺もできるだろう」と、個人でも企業さんでも思うかもしれません。でも、僕は初めの頃はその数十秒の動画を作るために何十時間も撮影や編集をしてようやく完成させていました。トップインフルエンサーはみんな同じです。見えないところで膨大な時間とコストをかけています。そして、TikTokの視聴者さんは直感的にそれを見抜いています。だからバズりたいならまずは「TikTokを好きになること」が一番の近道です!
これが4600万回再生された動画の冒頭2秒!
TikTokでは次から次におすすめ動画が流れてくる。動画の冒頭2秒はYouTubeのサムネに当たる。4600万回再生された人気投稿も冒頭2秒にインパクトが大きい映像を見せる。
〈ココがBUZZを呼ぶ!〉
自分なりの戦いやすい新しいフォーマットを作ることで一度のバズで終わらせない構造を構築。そうすることで、次回作のネタを創出しやすくなるだけでなく、一度で獲得したファンを継続的に喜ばせることができる。まさに一石二鳥の戦略となっている。
取材・文/峯 亮佑