人の性格や言動を表す際に使われる「したたか」という言葉。誰しも「したたかな女性だ」「したたかな生き方」という表現を耳にしたことがあるのではないだろうか。日常生活からビジネスシーンまで幅広く使われている言葉ではあるものの、正しい意味や使い方がわからない人も多いはず。
そこで、本記事では「したたか」の意味や使用シーンを解説する。英語を使う機会が多い方は、最後に紹介する英語表現もぜひチェックしてほしい。
「したたか」はどんな意味を持つ言葉?
はじめに、「したたか」の正しい意味から見ていこう。「したたか」は、良い意味と悪い意味の両方に使用される。そのため、どちらの用途もしっかり理解した上で、使い分けるようにしよう。
良い意味の場合
本来の「したたか」には、「粘り強くてしっかりしている」「気丈で勇猛である」という意味がある。「したたか」という言葉を聞いても、すぐに悪い意味だと捉えず、ニュアンスを汲み取ることが重要だ。
褒め言葉として使用する場合は、相手に悪い意味だと誤解をされないように「したたか」の類語を使用した別の言葉も補足すると良いだろう。
悪い意味の場合
先に紹介した通り、本来は良い意味として使われていたが、近年は「ずる賢い」「図太い」という悪い意味で使用されるケースが増えている。特に、「したたかな女性」というように、女性に使われることが多い。
現在では、「したたか」という言葉のネガティブなニュアンスが一般化しているため、「したたか」を使用する際には注意が必要だ。
漢字表記は2通り
「したたか」は漢字で、「強い」という意味がある「強か」「健か」と表記される。それぞれ、精神的な意味として使う時には「強か」を、身体的に強いことを表現したい時には「健か」を使う。しかし、一般的に漢字表記が読みづらいため、「したたか」は平仮名で表記することが多い。
「したたか」の使い方
次に、「したたか」を使用できるシーンと、それぞれの例文を見ていこう。
使用シーンと例文
【母の精神的強さを褒めたい時】
「母は逆境に負けない、したたかな人です」
【困難を乗り越えてきた友人を尊敬している時】
「どんなに辛いことも彼女はしたたかに乗り越えてきた」
【ずる賢さを持っている女性だと表現したい時】
「彼女は人によって態度を変えるしたたかな女性だ」
【仕事をするためには図太さも必要だと伝えたい時】
「勤務時間内に仕事をすべてこなすには、ある程度のしたたかさも重要だ」
使用時の注意点
ここまで解説してきたように、「したたか」には良い意味と悪い意味の両方がある。「したたか」を肯定的に使いたい時には、相手からの誤解を防ぐため、類語も使用するようにしよう。
「彼女のしたたかさには脱帽する。どれほど我慢強いんだろう」
「君のようにしたたかに生きたい。僕もうまく立ち回るスキルが欲しい」
「彼女には精神的な強さがある。したたかで決してめげないところが彼女の長所だ」
「したたか」の英語表現
最後に、「したたか」の英語表現を見ていこう。「したたか」の英語表現は数多く存在するが、「したたか」という日本語を別な日本語に置き換え、適切な英語表現を使うのが良いだろう。
世渡り上手:street smart
【相手の世渡り上手な性格を褒めたい時】
“If you’re street smart, you can handle any situation”
(もしあなたがしたたかさを持っていたら、どんな状況でも対応できるだろう)
頑固な、しぶとい:stubborn
【相手の賢さよりも意志の強さを尊敬している時】
“More so than saying she’s smart, She’s a stubborn person.”
(彼女は頭が良いと言うより、したたかな人だ)
ずるい: sneaky
【社会で生きていくためにはずるさも必要だと伝えたい時】
“You are a very intelligent person,but sometimes you need to be sneaky.”
(あなたはよくできる人だけど、社会ではしたたかになる必要もあるよ)
断固とした:determined
【意志の強い女性だと示したい時】
“She might’ve been a determined woman.”
(彼女は、意外としたたかな女性だったのかもしれない)
たくましい:strong
【日本に来た留学生のたくましさを褒めたい時】
“Even though she just came to Japan, she lives a strong life.”
(日本に来たばかりなのに、彼女はたくましく生きている)
手ごたえのある:tough customer
【試合で相手の手ごわさを伝えたい時】
“He is a tough customer.”
(彼は手ごたえのある相手だよ)
文/編集部