虫除けスプレーや虫除け対策に関するよくある疑問
最後に、虫除けスプレーや虫除け対策に関するよくある疑問やウワサをまとめました。
①足の裏を拭くと虫除け(蚊除け)効果があるって本当?
A 本当
「足の裏を拭くと蚊に刺されにくくなる」というのは、当時高校生だったある少年の研究で分かった虫除け対策です。
研究によると、蚊に刺されやすい・刺されにくいは、人間の足の裏に存在する常在菌の種類が影響しているということ。そのため、足の裏をアルコール除菌シートで拭き取ったり、石鹸で洗うことで蚊が好む常在菌の数が減り、蚊に刺されにくくなるのだとか。靴下を新しいものに履き替えるだけでも効果があるそうです。
実際に筆者はこの話を聞いてから足の裏をウェットティッシュで拭くようになったのですが、蚊に刺される機会が格段に減りました。特に室内での効果は実感ありです。外から帰宅したときや、汗をかいて足裏が蒸れているなと感じたときなど、何かというとアルコールウェットティッシュで足裏を拭くクセをつけています。
ただし、屋外にいるときはやたらと靴を脱ぐわけにも行かないし、足裏を拭いたとしても靴を履いているうちにまた常在菌が復活してしまうのか、室内ほどの効果は感じられていません。タイミングがなかなか難しいですが、例えばトイレの個室内で汗を拭いたついでに足裏を拭いたり、靴下を交換するという方法がおすすめです。
②虫除けスプレーは飛行機の機内に持ち込みできる?
A 容量などの条件を満たせばOK
虫除けスプレーは、エアゾールタイプ・ミストタイプともに条件を満たせば飛行機の機内へ持ち込むことができます。
虫除けスプレーは化粧品・医薬品類(医薬部外品)スプレーという扱いで、国内線・国際線ともに持ち込むときの条件は同じです。ただし、国際線の場合は同時に「液体物規制」の対象にもなるため、より厳しいそちらの条件が適用されます。
【国内線・国際線の虫除けスプレー持ち込みの条件】
● 1容器あたり0.5kgまたは0.5L以下
● 1人あたり2kgまたは2L以下
※1人あたりの数量はその他のスプレー類と合わせた合計数量
※ガスが充填されたスプレーは、偶発的に中身が漏れるのを防ぐための措置が噴射弁にされているものに限る
【国際線の虫除けスプレー持ち込みの条件(液体物規制)】
● 液体類は100ml以下の容器に入れる(100mlを超える容器に100ml以下の液体物が入っている場合も不可)
● 液体類の入った容器は、容量1L以下・縦横の辺の合計が40cm以内のサイズの透明な再封可能なプラスチック袋(ジップロックなど)に入れる
● 1人あたり1袋まで
ちなみに同じような虫対策スプレーでも、殺虫剤や害虫駆除剤は機内への持ち込みも預け入れも不可なので注意しましょう。
機内持ち込みOKなスプレーは他にも制汗スプレー、ヘアスプレー、シェービングフォームなどがあります。基本的に髪や肌に直接つけて使うスプレーであれば機内持ち込みOKと覚えておくと良いです。
持ち込み条件の詳細については各航空会社の注意事項にてご確認ください。
参照:【国内線】液体やスプレータイプの虫よけ、かゆみ止め、消毒剤などは機内に持ち込めますか、または手荷物として預けられますか。|ANA
参照:【国際線】液体やスプレータイプの虫よけ、かゆみ止め、消毒剤などは機内に持ち込めますか、または手荷物として預けられますか。|ANA
③赤ちゃんにも使える市販の虫除けグッズが知りたい
A 成分はイカリジンか天然由来のもの、形状はジェルやスティックタイプがおすすめ
乳幼児に虫除けグッズを使用する際は、必ず製品の対象年齢を確認してからにしましょう。
一般的に赤ちゃんにおすすめされるのは、レモングラスやユーカリなどの天然成分を配合したものか、イカリジン配合のものです。ただし前述のように天然成分でも人によってはお肌に合わないことがあるため、初めて使う際は十分に注意しましょう。
イカリジン配合の虫除けは蚊・ブユ・アブ・マダニなどにはディート同様の効果があり、特有の臭いも少ないので扱いやすいです。なかでも赤ちゃんや小さな子供でも塗りやすい、ジェルタイプやスティックタイプ、拭き取りタイプの虫除けがおすすめです。エアゾールタイプは吸い込んでしまう恐れがあるのであまりおすすめしません。
ディートを含む虫除けスプレーは有効な害虫の種類が多く効果の面でも人気ですが、生後6か月未満の子供に使用することができません。6か月以上2歳未満は1日1回、2歳以上12歳未満は1日1~3回と、年齢によって使用回数にも制限があるため、子供が小さいうちはディート配合の虫除けを避ける方が多いです。
④身に付ける服の色で蚊の刺されやすさが変わるって本当?
A 半分本当
蚊の色覚は白と黒の2色しかなく、黒っぽい色に集まる習性があるそう。黒い服を着ていると蚊が寄ってきやすく、白い服は寄ってきにくくなります。黒い服を着ていると他の色の服よりも蚊が多く集まってくるため、その分刺されやすくなるというわけなんですね。
ちなみに蚊にとっては黒っぽい色であれば黒と同じに見えるため、濃いネイビーやブラウンなども要注意。ただし最も蚊が集まりやすいのはコントラストの強い色ということなので、白黒ボーダーのTシャツなどは効果てきめんなのだそう!蚊を寄せ付けてしまう服なので、蚊に刺されたくない人はアウトドアに黒白ボーダーの服は避けた方が無難かもしれません。
実はこれについては筆者も半信半疑だったのですが、全身白っぽい服で果物狩りに出かけた際(露地栽培の果物狩りはものすごく蚊に刺されます)、頭や瞳ばかりに蚊が集中して寄ってきた経験があるのです。それ以来、蚊がたくさんいる場所へ出かける際はとにかく白系の服で行くと決めています。
また、英国の学術誌「Nature Communications」で発表された最新の研究では、赤やオレンジなど人の肌に近い色にも反応しやすいといわれています。
忌避効果があるわけではありませんが、白やベージュ、水色など淡い色の服を身に着けると蚊に認識されにくくなるということなので、虫除け対策にいかがでしょうか?
参照:蚊が接近したくなる服の色は?活発に活動する気温は?蚊の特徴知って対策を | TBS NEWS DIG
虫除け対策をバッチリして夏のアウトドアを楽しもう
虫除けスプレーの選び方やおすすめ虫除け対策についてご紹介しました。
アウトドアに虫はつきものですが、せっかくのレジャーは虫刺されを気にせず楽しみたいもの。便利な虫除けグッズや手軽にできる虫除け対策を活用して、夏のレジャーにバッチリ備えてくださいね。
※虫除けスプレーをはじめとする虫除けグッズを使用する際は商品に記載されている注意事項をよく読み、用法容量を守ってください。
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.