暑い時期、屋外でのレジャーに欠かせない虫除けスプレー。キャンプなどへ行く予定がある人は特にしっかり対策をしないと、虫刺されから炎症や水ぶくれになってしまうこともあります。
というわけで今回は、来る夏に向けた虫除け対策についてご紹介!虫除けスプレーの選び方や簡単なハッカ油虫除けスプレーの作り方など、虫除けに関する情報をまとめました。
昔から異様に蚊に刺される体質の筆者による体験談や口コミなども挟んでいるので参考にしてください。
虫除けスプレーは ①成分 ②濃度 ③噴射形状で選ぶ
虫除けスプレーは手軽に使える定番虫除けグッズ。毎年各メーカーでは多種多様な商品を発売しています。
全ての虫除けスプレーを試すのは難しいかと思うので、虫除けスプレーを選ぶときの大きなポイントを3つご紹介します。
①虫除けスプレーの主な成分
市販の虫除けスプレーは大きく分けて3種類の有効成分があり、それぞれメリットや忌避作用のある虫の種類が違います。
【ディート】
「虫除けスプレーといえばディート」というほどメジャーな成分。世界で最も多く使われていて、日本でも50年以上使用されている。
■主な有効害虫:蚊、アブ、ブヨ、ノミ、マダニ、イエダニ、ヤマビル、トコジラミ、サシバエ、ツツガムシなど
■虫除けの仕組み:塗布した部分に害虫が触れると感知能力が狂い、吸血行動をとらなくなる
■他2種類と比較したメリット:有効害虫が多い、ラインナップが多い、価格が手ごろ
■他2種類と比較したデメリット:年齢制限や使用回数制限がある、化学繊維(ポリウレタン)やプラスチック素材を溶かす作用がある
【イカリジン】
日本では2015年に認可された比較的新しい成分。年齢制限や使用回数制限がないためベビー用の虫除けグッズにもよく使用されている。「ピカリジン」と表記されることもある。
■主な有効害虫:蚊、アブ、ブヨ、マダニなど
■虫除けの仕組み:塗布した部分に害虫が触れると感知能力が狂い、吸血行動をとらなくなる
■他2種類と比較したメリット:赤ちゃんや小さな子供でも回数を気にせず使える、衣服の上からでも使いやすい(※)、虫除け特有の香りがほとんどしない
■他2種類と比較したデメリット:有効害虫が少ない
参照:イカリジンとは | 虫よけ剤サラテクト | アース製薬
※ディートに比べ化学繊維への悪影響はほとんどないといわれますが、製品によっては多少は影響を及ぼす可能性があるためデリケートな素材の服には推奨しません。
【天然由来成分(アロマ系)】
天然由来のハーブを利用した虫除け。特定の虫が嫌うアロマ(芳香)を纏うことで忌避効果を得る。
■主な有効害虫:ハーブの種類によって異なる
(例:シトロネラ・レモングラス…蚊、ブヨ、ダニ、ハエ、ゴキブリなど/ユーカリ・ローズマリー・ゼラニウム…蚊、ハエなど/クローブ…ゴキブリなど)
■虫除けの仕組み:香りを嫌った虫が近寄ってこない
■他2種類と比較したメリット:子供や化学成分が苦手な方でも使いやすい(※)、衣服の上からでも使いやすい、肌に塗り広げる必要がない、好みの香りを纏うことができる
■他2種類と比較したデメリット:忌避効果が強くはない、価格が高い、ハーブの種類によっては蜂などを呼び寄せてしまうことがある
※よく「天然由来成分のため肌に優しい(肌が弱い人でも使える)」といわれますが、皮膚の弱い方やアレルギーのある方だと反対に肌が過敏に反応してしまうこともあるので注意しましょう(筆者は天然由来成分の虫除けスプレーで肌がピリピリしたことがあります)。
②虫除けスプレーの成分濃度の違い
虫除けスプレーの有効成分ディート・イカリジンは、製品によって濃度が違います。
勘違いされがちですが、成分濃度=虫除け効果の高さというわけではありません!ディートやイカリジンの濃度が高ければ虫除けの効き目(忌避効果)が強くなるというのは誤りです。
では濃度によって何が変わるのかというと、虫除け効果の「持続時間」が変わります。
【持続時間の目安(ディート)】
● 30%…6~8時間程度
● 8~15%程度…4~5時間程度
● 7%以下…2~3時間程度
ディートは2016年に最高濃度30%までの商品が日本でも認可されました。使用環境にもよりますが、濃度30%のものであれば日中1度塗り直しをするくらいで虫除けの効き目を保つことができるといわれます。
【持続時間の目安(イカリジン)】
● 15%…6~8時間程度
● 5%…5~6時間程度
イカリジンの場合、現在の日本の製品では15%が最高濃度です。イカリジン15%でディート30%の製品とほぼ同等の持続効果があるといわれます。
※忌避効果の持続時間は目安です。使用環境や汗の量などによっても変わります。
③虫除けスプレーの主な噴射形状
虫除けスプレーは大きく分けて2種類の噴射形状があります。
【エアゾールタイプ】
ガスによって粒子状の有効成分が噴射されるタイプ。短時間で広範囲にスプレーできるのがメリット。ムラになりにくく、パウダーインタイプはサラサラしていて付け心地も◎。ただし噴射の勢いがすごいので、薬剤を吸い込んでしまうことがあるのがデメリット。保管時や持ち歩き時は火気や高温に注意する必要がある。
【ミストタイプ】
霧吹き容器によってミスト状の有効成分が噴射されるタイプ。持ち運びや塗り直しに便利。屋内での使用や小範囲に吹き付けるのにも向いている。広範囲に使用する場合は量が必要になるのと、持ち運び時には液漏れに注意する必要あり。
その他、「スプレー」ではありませんが虫除けグッズとして販売されているものには以下のようなタイプがあります。
● ジェルタイプ
● スティックタイプ
● 拭き取りタイプ
● パッチやリング
スティックタイプの虫除けは近年人気の傾向で、汗水に強いものが多く、アウトドアシーンでの持ち歩きや塗り直しが容易なところが支持されています。
ちなみに、ディートやイカリジンの虫除けはそもそも虫を近寄らせないようにするアロマ系虫除けと違い、塗布された箇所への接触(または接触しようとすること)により効果を発揮します。そのため、なんとなく吹きかけるだけでは塗布されていない部分だけをピンポイントで刺されてしまうこともあるので要注意!スプレーした後は、しっかり皮膚全体に塗り広げるのが蚊に刺されないようにするコツです。