今の眼鏡と同じ度数で新しい眼鏡を作る場合、手元に保証書や処方箋があれば確認できます。
しかし、度数の表記は意外と細かく、知らない用語がある場合も。そこで、眼鏡の度数の調べ方を改めてご説明します。
眼鏡の度数の調べ方は?
眼鏡の度数は購入した店舗にて確認できます。店頭はもちろん、オンラインショップなどの購入履歴に記載されていることも多いので、まずは確認してみるのと良いでしょう。
【参考】Zoff|視力と度数の意味とは?自分にあった度数を決めるには
処方箋や保証書で度数を調べる方法
眼鏡を作った時にわたされる処方箋と保証書。こちらには度数に関する詳しい情報が記載されています。ここでは、JINSの保証書を例にして、用語をご説明します。
FOR DISTANCE(遠用)、FOR READING(近用)
遠用は遠くを見るため、または日常使用するメガネの度数のことです。常用と表記されることもあります。近用は、近くを見るための度数で、リーディンググラスは近用となります。JINS保証書によると、遠用は〝遠〟、近用は〝近〟と表記されます。
SPH(Sphere/球面度数)
物がぼやけて見える人のメガネに必要な数値です。近視の場合は−(マイナス)値、遠視の場合は+(プラス)値で示されます。単位は「D(ディオプトリー)」で、0.25刻みの数値となります。
球面度数の必要がない場合は「0.00」「Plano」「Plane」などと記載され、「S」と略して表記されることもあります。
CYL(Cylinder/乱視度数)
物が重なって見える人のメガネに必要な数値です。多くが−(マイナス)表記ですが、+(プラス)の場合もあります。
単位はSPHと同様に「D(ディオプトリー)」で、数値は0.25刻みです。乱視の矯正が必要ない場合は記載されず「C」と略して表記されることもあります。
AXIS(乱視軸)
乱視の角度のことで、CYLの表記がある場合に表記されます。0〜180度で表され、大まかにいうと、90度に近いと裸眼で横に物が重なって見えており、180°に近いと裸眼で縦に物が重なって見える状態。「Ax」または「A」と略して表記されることもあります。
P.D(Pupillary Distance/瞳孔間距離)
左右の黒目の中心間の距離のこと。左右別々に書かれている場合は、顔の中心線からの距離を表します。単位は「mm」で表記されることが多いです。
度数を上げると気持ち悪くなったりする?
眼の調整力と度数にギャップがあると、なんとなく違和感を覚えて気持ち悪くなることがあります。特に、レンズの度数が視力に対して強い場合にこのような不快感を起こしやすくなります。
眼がものを見る場合、筋肉を使って眼の中にあるレンズの厚みを調整してピントを合わせているのですが、眼鏡の度が強いとピントを合わせるため筋肉に必要以上の力を入れることになります。そのため、眼が疲れてしまったり、気分が悪くなってしまう可能性があります。
【参考】JINS|メガネ酔い?メガネをかけて気持ち悪くなる原因と解決法
スマホやタブレットを使う時、日常生活など……使うシーンによって眼鏡の度数を弱めることも
眼鏡を作る時、視力は1.0以上に補正しなければいけないというしばりはありません。使うシーンによって適した視力があるからです。
スマホやタブレット、パソコンを見る時の度数は?
スマホやタブレット、パソコンを見る時は、画面との距離が近い場合が多く、遠くまでよく見える眼鏡だと逆に目が疲れてしまう可能性があります。
また、10~30歳代の人なら0.8~1.0の視力を目安に眼鏡を使う人が多いのですが、40歳代以降になると0.8~1.0の視力に限らず、個人の使用状況で度数を調整する必要があるケースが増えます。
そこで、眼鏡を作る時には測定スタッフへ見たい距離と物をしっかり伝えて、適した度数を確認しましょう。
料理やテレビ、家の掃除など室内での日常生活に適した度数は?
料理や掃除など家の中で行う日常的な作業は平均して2~3mぐらいの距離を確認する機会が多いです。近い距離に視点を合わせる場合は、0.8くらいの視力に補正する眼鏡を利用する人が多いです。
ただし、テレビをしっかり見たいという人は、1.0以上に補正する眼鏡を利用する人もいます。
スポーツをする時に適した度数は?
スポーツの種類によりますが、運動時の視力は1.0以上に補正することがおすすめです。屋外のスポーツは遠くを見渡す機会も多く、しっかり視力が出る度数が必要になることもあり、眼鏡を作る時に見え方に違和感がないかしっかりチェックしましょう。
学校の授業を受ける時の適した度数は?
1番後ろの席から黒板を見るには0.7以上の視力があれば安心と言われています。成長期の子どもは視力の変化も早いので、定期的に視力をチェックし、子どもがストレスを感じない眼鏡を選びましょう。
運転をする時の度数は?
運転の状況によって必要な視力や適したレンズが変わってきます。
普通免許は片眼0.3以上、両眼0.7以上、大型免許は片眼0.5以上、両眼0.8以上が必要と言われています。
【参考】Zoff|こんな時どうする?シーン別で考えるメガネの使い分けとは
※データは2023年4月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/山田ナナ