パーソル総合研究所では「企業が男性の育休取得を促進することにメリットはあるのか」などを目的に、「男性育休に関する定量調査」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
今回の調査により、男性育休の取得率は企業間格差が大きく、また1か月未満の取得者の割合が約6割を占めており、取得期間は数日の休暇レベルにとどまっていることなどが判明した。
男性の育休取得の実態
男性の育休取得率ごとに1か月以上の中長期取得者がいる企業の割合をみると、取得率が20~50%未満の企業の60.6%を頂点とする逆U字カーブを描く一方で、「取得率80%以上の企業で長期取得者がいる割合は36.8%に留まっている。
男性の育休に関する施策の実施状況を見ると、取得率5%未満の企業では、男性育休に関する「全社方針の発信」や「対象者への取得勧奨」の実施率が低い。
男性育休を推進する上での企業の課題は、「仕事の穴埋め方法」「取得者が出た職場の負担増大」「仕事をカバーした社員の評価・処遇」といった不在時の対応が上位。女性の育休と比べると、男性の育休は、特に、取得事例や取得希望者の少なさ、周囲のメンバーの理解不足が課題。
男性が今後育休をとる上で懸念していること
男性が今後育休をとる上で懸念していることの上位は、同僚への迷惑や育休中の収入の減少、仕事能力やポジションといった中長期的キャリアへの影響。
男女の差が大きい項目をみると、男性は特に、自社の制度の有無や上司・顧客のことを気にしている。
本人が感じている育休のとりやすさと同様に、部下や同僚に育休を 「とってほしい」と考える上司・同僚は、期間が長くなるほど少なくなる。
男性本人が感じる中長期の育休のとりやすさに影響する組織要因を見ると、男性が優遇されていること、短時間での成果創出のプレッシャーがかかる職場であること、定期異動が多いことが中長期の育休のとりにくさに特に強く影響している。