熱でかゆみの原因を分解する「ヒートイット」
使っている虫除けスプレーが、蚊やアブやブヨなどすべてのイヤな虫に対応する成分であるとは限らない。
ドイツ生まれの「ヒートイット」(iPhone用・Android用 各6820円)は、虫刺されによるかゆみの原因となるヒスタミンの作用を熱で分解する虫刺され対策デバイスだ。
アメリカでは蚊に刺されたら温めたスプーンを押しあてるとかゆみがひくというおばあちゃんの知恵袋的な応急処置がある。
この温熱療法効果は医学的にも確認されているが、熱すぎるとやけどの危険があるし、低すぎると効果がない。
「ヒートイット」はいちいちスプーンを取り出して湯煎することなく、虫に刺されたらすぐに適切な温度で処置できるのだ。
似た製品はあるが、わずか5gで登山や釣りにも携行しやすく、スマートフォンの大画面で操作できて電池切れに慌てることもない。
手持ちのスマートフォンに専用アプリをダウンロード。
対応する「ヒートイット」を差し込み、アプリに加熱する時間、大人か子どもか、敏感かどうかを選択していく。通常51℃で4〜9秒だが、子ども用に2℃・敏感な方向きに1℃の合計3℃下げることができる。
「加熱中」の画面ではまだ肌に当ててはダメ。
「処置してください」の画面になったら患部に当てる。
時間がきたら「処置終了」の画面に。蚊のほかにアブ、スズメバチ、ハチに刺された時の処置にも使える。ただし濡れた肌やクリームを塗った肌、ひどい日焼けでは使用できない。
ノーガードよりもやられ方はずいぶん少なかったが、前述の石鹸と電池式蚊とりの隙をついていつのまにか蚊やヌカカと思しき虫に刺されていた。首の後ろと足首に2か所。
正直、「ヒートイット」の効果に疑問を持っていたが、かゆみを感じてから患部に当ててもスッキリかゆみがひいたのは驚きだ。
刺された直後に使うといいのだろうが、個人差はあるが、ぶり返すかゆみにも効いたのはありがたい。これまで薬を塗っても肌をかき壊していたのだが、「ヒートイット」を使うことでそんなこともなくなりそう。
さすが本国ドイツでは医療機器として最高水準の規格に適合しているだけある。
もっとも処置時間は10秒に満たないが、思わずデバイスを肌から離しそうになるほど熱い。グッとこらえて患部に当てるので、小さな子(4歳〜)や肌の弱い人はもっとも短時間で様子見をするほうがいいだろう。
また、「処置してください」の表示からのスピードが速いし、ピンポイントで押し当てなくてはいけないので、首の後ろなど自分で確認しづらい場所は手伝ってくれる人が必要だ。
使用期限は2年。
「ヒートイット」のiPhone用とAndroid用は互換性がないのでスマートフォンを乗り換える時は「ヒートイット」も買い替える必要がある。
【問】飯塚カンパニー
虫よけにも使えるオイルランタン用ウォーマーが登場
今回の撮影には間に合わなかったが、キャンドルメーカーのカメヤマキャンドルハウスは、「カメヤマオイルランタン」に載せることでランタンの熱を利用し、ドリンクや料理の〝保温〟と〝虫よけ対策〟の2WAYで使える「オイルランタン用ウォーマー」(7700円)を発表した。
専用の「パワー虫よけマット」(15枚入り1980円)に含まれているメトフルトリンが森林の香りとともに半径約3.6mの範囲に広がり、イヤな虫をバリアするという。ランタンの明かりめがけて虫が集まるが、虫よけマットのおかげで虫が寄りにくい空間となりそうだ。
【問】カメヤマキャンドルハウス
本格的な夏を前に、新作虫よけギアは今後も続々登場するだろう。
屋外でひとつのギアだけで虫を完全に防ぐのは至難の業だ。
気になる虫よけギアは、その成分、使い方と禁止事項、対象となる虫を確認。そのうえで比較的低コストな蚊取り線香を複数使いつつ身の回りをバリアするために電池蚊とりを携帯する、虫よけスプレーの補助としてハーブを併用する、温熱療法デバイスを用意しつつひどい日焼け肌の虫刺されに備えて薬を用意するなど、複数のギアで備えておきたい。
取材・文/大森弘恵