レノボ・ジャパンは、ハイエンドVRデバイス「ThinkReality VRX」を発表した。販売価格は209,000円で、2023年8月1日より販売開始を予定している。
「ThinkReality」 VRXは、エンタープライズ向けAR/VRソリューションブランド「ThinkReality」シリーズに属する、スタンドアロン型ハイエンドVRデバイス。SoCにはQualcomm Snapdragon XR2+ Gen1を採用し、メモリは12GB、ストレージは128GBを搭載する。
また、片眼2,280×2,280ピクセルの高解像度パンケーキレンズを採用し、視野角は95度、リフレッシュレートは90Hzを実現。インサイドアウト型トラッキングで6DoFに対応し、後部パーツに組み込まれた6,900mAhバッテリーはUSB Type-Cケーブルで充電可能だ。
さらに、レンズ部分以外は除菌ウェットティッシュでふき取りできる素材を採用。基本操作は左右のハンドコントローラーで実施するが、ハンドトラッキングにも対応する予定だという。
フロント面に2つのRGBカメラを搭載し、ステレオフルカラーパススルーに対応
「ThinkReality VRX」の前面についている2つのRGBカメラからの映像をグラス内で表示し、現実の空間に仮想の3D空間やオブジェクトをオーバーレイさせ、デバイスで目を覆っている状態でもAR/MRを実現することができる。
また、VR利用時に視界が遮断されることの安全面にも考慮して設計されており、右目付近のハードウェアボタンを押すことでいつでもVRから外部カメラ映像に切り替えが可能。さらに、単眼カメラでのパススルー技術と比較すると、近くのものも、少し離れたものや広い視野の場合でも、視界の歪みが少ない映像で裸眼に近い遠近感を感じることができる。
Open XRベースのXR開発プラットフォーム「Snapdragon Spaces SDK」を採用
Snapdragon Spacesは、QualcommのXR向けチップセット「Snapdragon」シリーズを搭載したARグラス向け3Dアプリケーション開発や、AndroidアプリケーションへのAR機能追加などを行なえるツール。Snapdragon Spaces SDK は UnityとUnreal Engineに対応している。
メタバースや企業トレーニング、シミュレーションに最適
同社によると、「ThinkReality VRX」は、メタバース空間上での臨場感のあるインタラクティブなミーティング、場所や時間の制約を受けずに行える業務トレーニング、デジタルツインモデルを駆使したシミュレーションの実施などに適しているとのこと。
カラーパススルー機能を活用することで、実際に現場空間に製品のバーチャルモデルを表示させて配置シミュレーションを行なうなど、現実とバーチャルをミックスしたMR(Mixed Reality)にも対応し、製造業、自動車、航空、運輸、建築などの現場での作業を要する業種や、不動産、ヘルスケア、教育など、デジタルを通じて人々に情報を伝える新しい手段を提供するとしている。
主な仕様
プロセッサ:Qualcomm Snapdragon XR2+ Gen 1
OS:Android 12
メモリ:12GB
ストレージ:128GB
カメラ:2つのカメラによるフルカラーパススルー、4つのカメラによるインサイドアウト6DoF空間トラッキング
レンズ:パンケーキレンズ
ディスプレイ:片眼2,280×2,280、視野角 95°、リフレッシュレート90Hz
オーディオ:内蔵ステレオスピーカー、デュアルマイク、3.5mm ヘッドフォン/マイク コンボジャック
ワイヤレス接続:Wi-Fi 6E 802.11AX、Bluetooth/Bluetooth Low Emission 5.2
バッテリー:6,900mAh
本体寸法:114mm×203mm×280-330mm
本体質量:0.8kg
製品情報
https://www.lenovo.com/jp/ja/thinkrealityvrx
構成/立原尚子