DIME MAGAZINE
百聞は一飲にかなわない！？ニーポートから挑戦的な白ワインが登場。花と果実の饗宴を味わってみて！
3. クロ・ド・クラップ ホワイト 2019（ 白ワイン）
生産地：ポルトガル/ドウロ
生産者:ニーポート
ぶどう品種:ラビガト、コデガ・ド・ラリーニョ、ゴウベイオ、マルヴァジア・フィナ
味わい：辛口
ニーポートは1842年創業の老舗ポートワインメーカーです。現在の当主ディルク・ニーポートで5代目の、今では数少ない家族経営のメーカーです。
ブルゴーニュワインのエレガントな味わいに魅了されたディルク氏は、自社畑の葡萄からスティルワイン造りを始めました。葡萄に酸を残すために収穫時期を少し早め、葡萄の持つ繊細な風味を引き出すために今でも足踏み破砕を行っています。
こうして生まれたニーポートのスティルワインはワインスペクテイターやアドヴォケイト誌など、多くのワイン誌で高得点をたたき出しジャンシス・ロビンソンMWも彼のワインに最高得点を付け大絶賛しています。
クロ・ド・クラップはちょっと挑戦的な白ワインです。コルクを抜き、ワインをグラスに注ぐと先ずは還元的な香りが出てきますが、ワインの香味は空気に触れることで急速に変化します。
最初の香りは消えて行き、花や様々な果実の香りが何層にも湧き出してくるのです。まるでこのワインの本質が開花するかのよう。美しくしっかりしたボディ、多様な花の香りに満ちたワインは飲みやすく、長い余韻は飲む人に感動を与えます。
こうした珍しいスタイルのワインを、敢えてリリースするニーポートのディルクの凄みと自信。まさに奇跡の1本なのです。
■まみちゃんワインワンポイント講座：足踏み破砕って何？
ワインは畑で手摘み、もしくは機械で収穫されたブドウから造られます。収穫したブドウはワイナリー（醸造所）に運ばれて、除梗（茎の部分、ぶどうでは梗＝コウ、と言います）を取り除き、破砕（粉々にするように聞こえますが、実際には発酵しやすくなるように優しくもむ程度）をします。
この除梗破砕の作業を、昔は足踏みで行っていました。今ではほとんど機械で行なわれますが、一部地域やこだわりの生産者は続けています。クロ・ド・クラップ ホワイト 2019（ 白ワイン）を造っている二―ポートも、めちゃくちゃこだわりの生産者なので、今でも足踏みでの破砕作業をしています。
ニーポートでは、大理石の大きなお風呂のような場所で足踏み除梗を行います。足の裏の感覚は繊細なので、枝や種などを破壊することなく、果実だけをやわらかく優しく破砕することができます。冷たい大理石のおかげでブドウの温度を上げることもなく、高品質な傷のない果実を発酵させることができます。
足踏み破砕と機械式、それぞれに良さがありますが、ニーポートのように贅沢な設備があれば、より贅沢で美味しいワインが作れます。手間を多くかけた美味しいワインの味わい。時間をかけてゆっくり楽しんでみてください。
ちなみに、私も2度、足踏み破砕を挑戦したことがあります。ブドウを押しつぶす重量が必要なため、私の体重では重みが足りず、ぶどうの上に乗っているだけで、「仕事のできない、役立たず者」でした……（涙。
受賞歴多数の実力派ワイナリー！最高のコストパフォーマンスは、ある意味奇跡
4. OMG 2019（赤ワイン）
生産地：ポルトガル/リスボン
生産者：カーサ・サントス・リマ
ぶどう品種：トウリガ・フランカ 35%カステラォン 30%アルフロシェイロ 25% ティン
タ・ロリス 10%
味わい:フルボディ
カーサ・サントス・リマはポルトガルの首都リスボンに居を構える4代続く家族経営のワイナリーです。1930年代後半より本格的に醸造を開始。2013年には最新技術を取り入れたワイナリーを新設しリスボン、ドウロ、ヴィーニョ・ヴェルデ、アレンティージョ、アルガルヴェに350ha以上の畑を所有しており、意欲的にコストパフォーマンスに優れたワイン造りを行っている注目の生産者です。
OMGは、深みのあるガーネット色。熟したプラム、ブラックベリーなど黒系果実の香りに、甘草、ジンジャー、バニラなどのアロマが広がります。口当たりは柔らかく、滑らかで豊かな果実味に丸みのある酸が溶け込む。余韻にスパイスと緻密でしっかりとしたタンニンが長く続く、がっしりとした味わいで飲みごたえ抜群です。
★ポルトガル・ワイン・トロフィー ゴールド(V2015、2016、2017)
★セレクション・モンディアル・デ・ヴァン ゴールド(V2015、2016、2017)他受賞多数
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