【AJの読み】スポットワークは雇う側も働く側も双方のメリットをかなえてくれる働き方
スポットワークだと無断欠勤なども懸念されるが、タイミーでは当日キャンセル、無断欠勤の場合はペナルティが課せられ、ペナルティポイントがたまるとタイミーの利用に制限がかかる仕様になっている。
事業者側も求人を出すときに、ペナルティポイント〇点以下のみというように制限を設けることもでき、働き手はそれを避けるため、きちんと仕事をする、約束は守るという責任感のある行動につながる。
レビュー機能も働き手と事業者の双方にあり、透明性のある関係も特長。○○の経験がある、資格を持っているという条件を提示して、マッチングしたワーカーの情報を見たときに該当していない場合は事業者がキャンセルをすることもでき、マッチングしたワーカーが求めている人と全く違うということが生まれないような仕組みを整えている。
村上さんのように、メインのバイトをしながらスキマ時間にスポットバイトを入れる学生も多いが、実はタイミー利用者の3割以上が会社員で、副業として使われることも多いという。
「正業以外の体験をしてみたい、物価高もあり少しでも収入を増やしたいなど、理由は様々ですが、スポットバイトは面接や履歴書が必要なく、効率もよくて、働く上での障壁や面倒さも解消されていることも、気軽に働けるメリットになっています。
飲食業界同様に人手不足になっているホテル・観光業界でもタイミーは活用されています。初めてのタイミーワーカーでできるもの、リピートのワーカーならできるもの、社員で対応するものと、業務の切り出しをしっかりとすることで、スムーズに仕事ができる環境を整え、正社員の方が本来の業務に集中でき、労働環境の改善につながっていきます。
またタイミーで何回か働いた方を、固定のバイトや正社員として引き抜くことも歓迎しているので、定着率の高い採用につながります。
タイミーワーカーとして経験することで、店の雰囲気や働きやすさを知っているのでギャップが生まれにくく、採用目的でタイミーを活用されている事業者さんもいます。
多様な働き方と言われている時代ですが、スポットワークは選択肢がたくさんあり、雇う側と働く側、双方のメリットをかなえてくれる働き方だといえます。
コロナ禍の際は、忙しくなる業種と、仕事が急激に少なくなった業種がありましたが、固定で人を雇うのではなく、流動人材として、必要な時期、必要な時間帯だけ働いてもらうことができる雇い方は、労働環境を整え、新しい人材との接点を作る良い循環を生むことから、今後も活用されていくのではないかと考えています」(松本氏)
「THE 赤提灯」のメインターゲットはお酒を覚え始める若者層。「もつ煮込み」「ホルモン」「唐揚げ」や「生ビール」といった赤提灯らしいメニューを揃える。
「お客様として来店した方が面白そうな店だと感じていただければ、ご自身が明日からでもすぐに働ける店です。そういった点もユニークで、働く人の好循環が生まれればいいのではないかと思っています」(松本氏)
文/阿部純子