女性よりも男性の方が、シャンプーの泡立てを工夫している傾向
シャンプーをどのように泡立てるか尋ねたところ、「髪の毛で泡立てる」(54.2%)と「手のひらで泡立てる」(38.2%)が大半を占める結果となり、「泡立て器やネットなどのグッズを使用している」と答えた人は、わずかな結果になった。
男女別に結果を見ても同様の傾向が表れているが、「泡立て器やネットなどのグッズを使用している」や「泡で出てくるシャンプーを使用している」と回答した人の割合は、女性が合計4.6%だったのに対し、男性は7.6%と若干多い結果に。男性の方が、泡立て方を工夫している傾向が見られる。
Q. シャンプーをどのように泡立てますか?(複数回答/n=3674)
※前問で「泡立てずにそのままシャンプーをする」と回答した人を除く
調査概要
調査名:シャンプーの泡に関する意識調査
調査対象:全国の20~60代の男女4888名(有効回答数)
全国47都道府県 各104名(女性52名、男性52名ずつ)
調査期間:2023年1月10日(火)~1月12日(木) 3日間
調査方法:インターネットアンケート
調査委託先:株式会社マクロミル
※本調査結果では、小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある
アデランスの毛髪診断士認定指導講師が解説する「泡のメリット」と「泡立てのコツ」
シャンプーをするときの泡立ては、健康な頭皮や美しい髪を維持するために非常に重要なポイントです。今回の調査では、「泡立てずにシャンプーをする」と答えた方も多くいましたが、泡立てが不十分だと、かえって頭皮にダメージを与えかねません。
また、「うまく泡立たない」という悩みをお持ちの方が一定数いることも分かりましたので、次項から泡立ての重要性やコツについてご紹介します。
<泡のメリット>
泡のキメがきわめて細かい濃密泡ほど、皮脂や老廃物を除去しやすい
キメがきわめて細かい濃密な泡ほど、頭皮や美髪には良いと言えます。なぜなら、泡の最大の役割は“頭皮の皮脂や汚れを吸着・浮かし除去すること”だからです。
キメが細かいと、毛穴とその周辺や髪の隙間など隅々にいきわたりやすく、その役割を存分に果たしてくれることが期待できます。
泡が髪の摩擦ダメージを軽減
泡立ちが不十分な状態でシャンプーを始めると、髪がこすれてキューティクルに損傷を与え、髪のダメージにつながってしまう恐れがあります。
洗顔をするときの泡をイメージすると分かりやすいですが、密度が高く、へたりにくい泡ほど、より髪の間のクッションとしての役割を果たすため、摩擦による髪や頭皮へのダメージを軽減できます。
シャンプー剤の刺激を抑制して、頭皮トラブルを防止!
シャンプー剤は本来、水を加えて泡立てたときに丁度良い洗浄力になるように作られています。泡立てずにシャンプー剤を直接つけると、髪や頭皮に過度な刺激を与えてしまい、切れ毛や枝毛、抜け毛の要因にもなります。
髪につける前に、手のひらで泡立てることで、頭皮への刺激を抑え、適度な洗浄力で髪を洗うことができます。また、泡はシャンプーがどこまで届いているか、すすげているかを視覚的にも分かりやすくしてくれます。
泡立てずにシャンプーがべったり頭皮や髪に付着するような洗い方だと、「洗い残し」による皮脂や老廃物の残留、「すすぎ残し」で洗浄成分などが頭皮に残存しやすいなど、頭皮トラブルや髪ダメージにも繋がりかねません。
<泡立てのコツ>
1. ブラッシングと予洗いで事前準備
ふわふわの泡で頭皮と髪を洗うには、シャンプー前の事前準備も重要です。はじめにブラッシングをすることで、髪の表面についた汚れを落とすとともに、髪のもつれや絡まりをほどきます。
ただし、目の粗いブラシを使うこと、無理に髪を引っ張らずに毛先からほどくようにすることを意識しましょう。
また、シャンプー前の予洗いを丁寧に行うこともポイントです。シャンプーをつける前に、皮脂汚れやスタイリング剤を落とすことを意識して、ぬるま湯で頭皮までしっかりと1~2分間洗い流しましょう。
このとき、お湯の温度は38〜40℃程度のぬるま湯で洗うのがおすすめです。これらのことで、シャンプーの泡立ちがよくなります。
2. 充分な泡立ちのために「混ぜる」という意識を持って
泡の中には言うまでもなく、空気が含まれます。シャンプー剤を泡立てるためには、空気に加えシャンプー剤を薄めて柔らかくする水分も必要です。一般的に理美容師は泡立てるときに、うまく水分と空気をシャンプー剤に「混ぜる」ようにしています。
手で泡立てるのが難しいという方は、シャンプー剤を手のひらに伸ばし、髪の表面を手のひらで円を描いてなでるようにしていると、髪についた水分と髪の間にある空気が混ざり、キメ細かい豊かな泡が立ちやすくなります。
3. 泡立てが面倒な方は、アイテムを使うのもおススメ!
「うまく泡が立てられない」「泡がへたる」「泡を立てるのが面倒くさい」という方は、市販の泡立てネットなどのグッズを使用するのもおすすめです。手だけでは中々作るのが難しいキメの細かい泡が簡単に作れるので、時短にもつながります。
<監修>
毛髪診断士認定指導講師 伊藤 憲男(いとう としお)
内閣府認定公益社団法人日本毛髪科学協会認定「毛髪診断士認定指導講師」を保有。1982年にアデランス入社後サロンで十数年にわたり技術者として勤務。その後本社勤務となり2011年より現在の研究開発部に着任。育毛関連商品の開発や研究成果の発信などを担当する傍ら、セミナーや、雑誌・TVなどマスメディアにも出演し、育毛の啓蒙活動を行っている。現在もヘアスタイリストとしてCMモデルのヘアスタイリングや一部のユーザーの接客も行う。
関連情報:https://www.aderans.co.jp/corporate/
構成/Ara