■連載/阿部純子のトレンド探検隊
水拭きができる掃除機が各社から続々とリリースされている中、AQUAの水拭きフロアクリーナー「WIPEL(ワイプル)」(オープン価格/市場想定価格 4万4000 円)が7月12日から発売される。
水拭き掃除機は大きくて重量のある海外仕様のモデルが多い中、ワイプルはクリーナー本体が幅260×奥行218×高さ1120㎜、重さ約3.4kgと軽量でコンパクトでありながら、ブラシ回転数が毎分550回とハイパワーが特長で、日本の家庭に適した設計となっている。
足腰に不調がある人や忙しい共働き家庭でも楽に効率的に拭き掃除ができる
使いやすい水拭きクリーナーが生まれた背景には、開発担当を担当したAQUAの𠮷野由紀子氏自身の体験があった。
「床拭きはかなりの重労働です。30分の床拭きは100kcalで、腹筋25分、ランニング12分に相当します。私自身も、大掃除のとき床拭きをした翌日に全身筋肉痛になった経験を毎年繰り返していました。
ひざや腰が痛いと言っている高齢の両親や、股関節を悪くしたきょうだいもいたことから、健康な自分でさえ掃除するのがきついと感じる床拭きは、体に不調がある人にとってはかなり大変だということを目の当たりにしていたのです。
こうした経験から家電メーカーで仕事をしている私に何かできることはないかと思い、日常生活でもつらくなっている方々にも使えるものとして、水拭きができるクリーナーがあればという発想からスタートしました。
開発にあたり他社製品を試した中で、特に気になった点が大きさと重さでした。自宅にも階段があるので、女性でも掃除機を持って楽に階段を上がれる重量を念頭に開発をしました」(𠮷野氏)
ワイプルは水拭きと床掃除が1台で同時にできるクリーナーで、掃除機のように水を吸い取りながら掃除をする。黒ずみの原因となる皮脂や油の汚れ、ニオイや雑菌、アレルゲンを防ぎ衛生的に保つためにも、週1回の水拭きが推奨されているが、週に1回、家じゅうの床掃除をするのは重労働。ワイプルならばいつもの掃除機と同じ要領で、楽に効率的に床掃除が可能になる。
フローリング、クッションマット、玄関のタイル、洗面所の塩ビ床など、水拭きできる床なら使用できる。
日常の水拭き掃除のほか、牛乳やジュースなどの液体、スープ、カレー、おかゆ、殻の入った生卵など液体の中にある固形物も吸い取ることができるので、食べこぼしの掃除も簡単にできるのがワイプルの最大の特長。例えばカップ麺を床に落としてしまったときでも、麺や具材ごときれいに拭き取り掃除ができる。
ウェットタイプのフロアワイパーは、粘性のあるような汚れだと吸着できない汚れを引き伸ばしてしまうこともある。ワイプルは水ごと汚れを吸引するので汚れを引き伸ばすことなく、常にきれいな水を供給しながらきれいな状態のモップで掃除ができる。
60℃のお湯まで使うことも可能で、温めると落ちやすくなる動物性油脂の掃除にも最適。また、専用洗剤をタンクに入れて洗剤水でも掃除ができ、市販の泡立ちの少ない洗剤を床にスプレーしてから拭き取る掃除も可能だ。
水をモップに供給しながら水拭き掃除を行い、汚水は回収カップに回収される仕組み。回収カップの底から管を通って水を吸い上げ、管の先は解放されており吸い上げた水がカップに溜まる。吸引した空気は回収カップフタの通気口を通って放出され、空気と汚水が分離される。
固形物を掃除すると汚水の中に一緒に入るため、捨てる際はゴミ受けのある排水口、または三角コーナーのようなネットのあるところで廃棄する。
使用後は充電台に立ててスイッチを入れると、約3分間の自動洗浄を行う。水を出しながらブラシを前回転、後ろ回転、吸引を繰り返し自動洗浄するので人の手で掃除は不要。洗浄後のブラシは充電台に立てて乾燥させる。
モップ汚れが気になるときは水タンクに洗剤を入れて洗うか、外して手洗いも可能。汚水タンクも取り外して洗浄できる。ノズル部は付属のブラシで洗浄する。
モップが汚れた場合は別売りの交換パーツを用意している。テストではモップの耐久性は100kmで、モップの取替目安は週1回の使用で1年程度。