新型コロナの5類引き下げ決定で幕を開けた2023年。ゴールデンウイーク明けからいよいよ引き下げが実施され、世間では脱コロナ・脱マスクのムードが高まっている。そんな中、売れる商品にも変化の兆しが。今回は、編集部員をはじめ、ライター、各ジャンルの専門家から情報を集め、上半期のヒット商品をランキング化。「先進性」「売れ行き」「話題性」の3項目を重視して順位づけした。100点のマジ売れ商品から時代の潮流を読み解こう!
人気商品から見えてくる上半期ヒットのキーワード
誰もがうなずくヒット商品が出にくくなった時代、久々の場外ホームランとなったのが、人の問いかけにAIが自然に答えてくれるOpenAIのChatGPTだ。編集部では、世の中を大きく変えるメガトレンドとして1位に選出した。その他、編集部が選んだヒットランキング上位20位はご覧のとおり。
ここから浮かび上がる時代のキーワードとは何か。消費トレンド分析に詳しい経営コンサルタント会社、ムガマエ代表の岩崎剛幸さんに聞いた。
「ChatGPTの登場は、従来のWeb検索を変えるだけではなく、実務効率化やクリエイターの生産性を大きく向上させる可能性を持っています。これを機に、最近のトレンドである〝タイパ〟の傾向は加速し、〝スーパー倍速型タイパ〟をキーワードにしたサービスや商品が広がっていくと思います」
そうした時間の効率化とともに、捻出した自分時間の過ごし方を提案する商品も登場。『コーヒーメーカー サイフォニスタ』、『こだわり酒場のタコハイ』のヒットがこれに当てはまる。
第2のキーワードは、既存のモノゴトに1を足すことで、消費者に感動や驚きを与える〝プラス1〟。瞬間最高視聴率54%を記録したWBCでは、日本でほぼ無名だったラーズ・ヌートバー選手加入の〝+1〟が国民の熱狂へつながった。
「彼なしではWBCはここまで盛り上がらなかったかもしれません。爽やかさと熱さを併せ持つムードメーカーという新しい野球選手像は、日本中を虜にしました」
新施設では『東急歌舞伎町タワー』の活況が際立った。3つ目のキーワードはズバリ〝水と油〟だ。
「1棟にラグジュアリーホテルからアミューズメント施設、フードコートまで揃った稀有なスペースです。高級と大衆という両極端の要素を一緒にして、歌舞伎町らしさを演出。街に新たな人流を作り、観光の新名所としても集客を増やしています」
大阪では水と油どころか、業界のご法度を打ち破り、ショッピングモールとアウトレットを組み合わせた『ららぽーと門真』『三井アウトレットパーク大阪門真』がオープン。話題を集め幸先のいいスタートを切った。
総体的にはコロナ明けを感じさせるポジティブ系ヒットが目立った2023年上半期。注目の商品にはどんなラインアップが来るのか?
DIME HIT RANKING TOP20
取材・文/安藤政弘
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