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最高値を更新したインド株、今後も伸び続けるのか?

2023.06.27

インド株式市場に世界の投資マネーが殺到している。主要株価指数のSENSEX指数(大型株)は21日、終値ベースで過去最高値を更新した。

今後もインド株式の堅調は継続するのだろうか?

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、「インド株が最高値更新!外国人投資家は4カ月連続買い越しへ チャイナプラスワンが追い風、バリュエーションに割高感なしとみる」と題したマーケットレポートを公開した。

SENSEX指数が最高値更新

インドの株式市場が堅調な展開となっている。代表的な株価指数のSENSEX指数(大型株)は21日、終値ベースで過去最高値を更新した。また、中型株の値動きを示すNIFTY中型株指数も8連騰し、連日で過去最高値を更新している。

米国景気が予想以上に底堅く、景気後退を伴わないソフトランディングに向かうとの見方を背景に、投資家のリスク選好姿勢が高まり、グローバルに株式市場が上昇している。

こうしたなか、投資マネーが、新興国のなかでもファンダメンタルズが良好で、成長期待の高いインド株に流入している。外国人投資家は3月以降足元まで4カ月連続でインド株を大きく買い越している(6月は20日時点)。3月以降の買い越し額は合計で112億ドル(約1兆5,900億円)に達しており、2020年以来の規模となっている。

企業業績は堅調、利上げ打ち止め観測もプラス

インド株が最高値を更新した背景には、堅調な企業業績がある。米ブルームバーグによれば、SENSEX指数の予想ベースの1株当たり利益(EPS)の伸び率(前年比)は、2023年+21%、2024年+17%、NIFTY中型株指数については2023年+25%、2024年+24%と、高い利益成長が見込まれている。

また、インドの消費者物価上昇率がピークアウトし、物価目標レンジに収まっていることで、インド準備銀行による利上げが終了したとの見方が広がったことも、株式市場への安心感につながっているとみられる。

【今後の展開】チャイナプラスワンが追い風、バリュエーションに割高感なしとみる

外国人投資家がインド株を大きく買い越している背景に、米中対立が深刻化している影響で、インドへの直接投資が拡大するとの期待が高まっていることも挙げられる。

海外企業は、地政学リスクを警戒して、中国への一極集中から分散投資に舵を切り始めた。中国に加えて別の国にも生産拠点を確保する「チャイナプラスワン」として、インドが選ばれている。インド政府が導入した製造業振興のための生産連動型優遇策(PLI)という補助金制度も海外からの直接投資を後押ししている。

米アップル社は、インドへの大規模投資を表明し、関連する部品メーカーがインドへと進出した。すでにインドでiPhoneの生産を始めており、中国からインドへの生産移管が進んでいる。

また、米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEOは20日、訪米中のインドのモディ首相との会談後、「インド進出を確信している」と述べた。このようにインドへの直接投資は一段と拡大することが見込まれ、長期的なインドの経済成長率を押し上げそうだ。

インド株は過去最高値にあるものの、予想ベースの株価収益率(PER)による株価評価(バリュエーション)でみると、割高感はない。足元のSENSEX指数の予想PERは19倍と、21~22年に比較すると低下しており、バリュエーションは改善している。

今後も世界最大の人口を抱えるインドの高い成長期待やチャイナプラスワンの動きを背景に、投資マネーが継続的にインド株式市場に向かうことが期待される。

※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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