産業機械メーカーのヤンマーホールディングス(ヤンマー)は、2022年11月に発表したアニメプロジェクトを本格始動させ、作品タイトルを『未ル(ミル)』に正式決定したことを発表した。
本作は、ヤンマーが制作・プロデュースを手がけるオリジナルの商業アニメで、ヤンマーのデザイナーが原案を担当したロボットが登場する。作品タイトルの正式決定に合わせて、現地時間7月1日から7月4日までアメリカ・ロサンゼルスで開催される北米最大級のアニメイベント『Anime Expo 2023』にも出展する。
『未ル』は「人と自然の対峙と調和」をテーマに、自然という人間たちが生きていくために必要な住環境を守るべく、主人公が苦闘して成長していく姿とそこにあるロボットの姿をアニメで表現していく作品。
アニメタイトルは、主人公たちが「人の豊かさ」と「自然の豊かさ」を両立させた「未来」を切り拓いていく姿をイメージして付けられた。
「未」は未来を表現し、自分たちの力で積極的に動いていく姿を想起してもらえるよう動詞化したもので、困難なことがあってもひとりひとりの挑戦によってよりよい明日を創っていくという、持続可能な社会の実現に向けたヤンマーの想いが込められているという。
ヤンマーは、持続可能な社会「ASUSTAINABLE FUTURE」を実現することをパーパスに定めており、今回のアニメプロジェクトの背景としては、日本が誇る文化で世界中の共通言語となりつつある日本のアニメをきっかけとした海外での認知拡大の取り組みのひとつで、持続可能な社会の実現という世界共通の目標をアニメのストーリーにのせて描くことで取り組みへの共感を増やしたいと考えているという。
登場ロボットはヤンマーがデザイン原案を担当
ヤンマーの農業機械や建設機械をはじめ、各種グラフィックなどのデザインに取り組んでいる自社のデザイン室がロボットデザインの原案を担当。
デザイン室は、普段から製品の使われる場面やユーザーをイメージして人に寄り添う本質的なデザインを行っており、今回のロボットデザインも製品デザインと同様に本質的な意味を込めたデザインを意識しているという。
あくまでロボットは人のためにあると考えて、人に寄り添う有機的なフォルムと力強く機能的なアタッチメントを両立させるデザインになっており、対極的な組み合わせで独特の美意識を表現している。
人気アーティストのYKBX氏も参加!
アニメのキービジュアルのアートディレクター・イラストレーター・キャラクターデザインにはYKBX氏を起用。コンセプトムービーのムービーディレクターも担当しており、ここも注目ポイントだ。
YKBX氏プロフィール:ディレクター、アートディレクター、アーティストとしてトータルアートディレクションを目指した作品を数々リリースし、国内外の映画祭やイベントでも高く評価されているクリエイター。
映像作品のディレクションや制作、アートディレクション・イラストレーションやアート作品など活動は多岐にわたる。初音ミク・ボーカロイドオペラ『THE END』では、ビジュアルディレクション・演出・映像ディレクターを担当して世界各国で公演を行った。
「アニメは作品として没入できるストーリー・世界観でありながら、ヤンマーが描く未来とも重なり合わせることができるメディアです。人と機械の関わり合い、人と自然との共生、そして主人公が自分の可能性を信じてチャレンジし成長していくストーリーは、ヤンマーの価値観である「HANASAKA」や、原動力となる「ワクワク」と根底で共通していくものです。
フィクションであるアニメの世界と、我々が存在する現実世界が、お互いに影響を及ぼしながらひとつの世界観を作っていく。そんな挑戦を日本が誇るアニメで実現したいと考えています。当社の「ワクワク」が起点となりアニメを見た皆さんに共感が生まれ、より豊かな社会の実現に向けた力強い一歩のきっかけになることができれば嬉しく思います」(ヤンマーホールディングス取締役ブランド部長(CBO)長屋明浩氏)
アニメ『未ル』概要
あらすじ:主人公が未来を変えるべく、 仲間たちと力を合わせて努力し、ロボットと関わりながら成長していく物語。
制作・プロデュース:ヤンマーホールディングス
協力:btrax Japan合同会社
公開時期:2024年
脚本:森田繁(スタジオぬえ)
●ロボット デザイン原案
デザイン:ヤンマーホールディングス ブランド部デザイン室
コンセプトアーティスト:井口佑
●キービジュアル
アートディレクター・イラストレーター・キャラクターデザイン:YKBX
●コンセプトムービー
ムービーディレクター:YKBX
サウンドデザイナー:cubesato
『未ル』の『Anime Expo 2023』概要
開催日時:2023年7月1日~7月4日(現地時間)
場所:Los Angeles Convention Center『Anime Expo 2023』
出展概要:
・ロビー展示
場所:Los Angeles Convention Center South Hall Lobby Space
内容:アニメに登場する巨大なロボットのスタチュー(立像)とアニメのキービジュアルの展示、コンセプトムービーの放映
・パネル セッション
開催日時:2023年7月3日10時~11時30分の1時間半(現地時間)
場 所:Los Angeles Convention Center Room 511
内容:ヤンマーホールディングスの長屋明浩CBOとbtraxのBrandon K. Hill CEOによるアニメ『未ル』の概要と制作エピソードの紹介、YKBX氏によるライブドローイングイラスト制作の過程を目の前で見られるイベント。
構成/KUMU