クロス・マーケティンググループのメディリードは、全国47都道府県に在住する20~69歳の男性5252人を対象に「男性更年期障害についての実態調査」を実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。
「名前と治療法・症状までを知っている」のは4人に1人
まず男性更年期障害の認知状況は、25%が名前と治療法・症状までを認知していることがわかった。その一方で、「名前のみ知っている」44.3%、「全く知らない」30.7%という結果も出ている。
20~60代男性の38.2%が更年期症状を自覚
男性更年期症状が現れているのは38.2%となった。AMSスコア(※1)より「中等度」以上は、40・50代が他の世代より高い結果を示している。
AMSスコアは精神・心理症状(5問)、身体症状(7問)、性機能関連症状(5問)の17問で構成されており、各項目とも「なし」、「軽い」、「中等度」、「重い」、「非常に重い」の5段階で評価し、それぞれ1~5点の点数をつける。
合計85点のうち、26点以下が正常、27~36点が軽度、37~49点が中等度、50点以上が重度と分類される。(※1)
※1引用文献/加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群)診療の手引き「HeinemannらによるAgingmales’symptoms(AMS)スコア」より 日本泌尿器科学会・日本 Men’s Health 医学会 「LOH 症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会
AMS判定で「重度」の人でも医療機関で受診したのは20%程度
症状を感じた後の行動<複数回答>
なんらか症状のある人の中で病院を受診したのは全体ではわずか10.7%、AMS判定で「重度」の人でも20%程度しか受診してないことがわかった。
病院での診断状況
病院を受診した人のうち、更年期障害と診断もしくは疑いがある人は12.7%だった。
86%が「仕事に影響あり」と回答
仕事・家庭生活・人間関係への影響
更年期症状が及ぼす影響としては仕事86%、家庭73%、人間関係69%が高い数値を示している。
調査結果まとめ
この調査はメディリードが提供する生活者実態調査データベース『iCRIDE』のスポット調査として、男性更年期障害に関するデータや情報の不足を埋めるとともに、症状の実態や影響度合いについてより詳細な理解を深めることを目的として実施された。
その結果を見ると、男性更年期障害は、まだ認知も低く、いざ症状が現れた時に受診する環境にもなっていないのではないか、と推察される内容となった。
男性更年期障害は、男性ホルモンであるテストステロンの低下により引き起こされる病気と言われ、その原因は、加齢の他にストレスが代表的と指摘されている。
40代以降は特に仕事や家庭、親の介護などさまざまなストレスがかかりやすい時期であり、男性更年期障害の症状に悩む人も多くなるのではないかと考えられる。
調査概要
調査対象/20~60代の男性
有効回答数/5252サンプル
調査期間/2023年4月17日~4月23日
調査地域/全国
調査方法 /インターネットリサーチ
構成/清水眞希