SaaS(Software as a Service)やソフトウェア製品の無料比較プラットフォームであるCapterraは、日本の中⼩企業のグローバル化調査の第2弾として、グローバル人材の採用や社内での外国語の使用など組織内での国際化に関するリポートを発表。本稿では、その一部を抜粋してお伝えしていく。
外国人従業員の割合が3割以上の企業は全体の4%
本調査2回シリーズの第1回では、事業を海外に展開している中小企業の51%が新規の海外進出、または取引を検討していることがわかった。
会社のグローバル化には社内部からのグローバル化が必須と言える。では、実際に日本の中小企業ではどれほどのグローバル人材を採用しているのか。
本調査に参加した中小企業意思決定者の40%が、職場に外国籍の従業員がいると答えており、一見高い数字のようにも見える。
しかし、その割合を聞いてみると全従業員の1割以下であることも明らかになっている。外国人従業員の割合が3割以上の企業は全体の4%に止まっており、関東地方だけをみると9%となっている。
外国人雇用の際の最大の課題として多く上がったのは、以下の問題だった。
・文化の違いによるコミュニケーションの課題(40%)
・ビザや労働許可などの手続きの煩雑さ(25%)
・言語の壁(24%)
社内で外国語を話せる人の割合は1〜10%が半数以上
企業のグローバル化に欠かせない外国語の使用だが、日本の中小企業には国籍に関係なく外国語を話せる従業員の割合がとても低いことが判明。
回答者の半数以上である54%が、社内で日本語以外の言語を話せる人の割合は1〜10%と答えている。
78%が英語の社内公用語化を検討していない
日本の有名企業が数年前に英語の社内公用語化を実施して話題になったが、ここ最近の円安もあり再び議論が活発になっているようだ。
本調査に参加した回答者の5%が、社内の公用語が英語であると回答しているが、残りのうち78%が英語の公用語化を「検討していない」、15%が「現在検討中」、8%が「過去に検討したことがある」と回答している。
また、現在英語公用語化を実施していないと答えた人のうち、英語公用語化に賛成しないとする人が半数以上いた。
可能な限り日本製のソフトウェアを選びたい人の割合は58%
多くの企業がグローバル化にともなってDX (デジタルトランスフォーメーション) を取り入れているが、海外展開に関しては特に翻訳ツールや会議ツールを活用している中小企業が多いようだ。
また、ソフトウェア製品を選ぶ際の基準として日本製をできるだけ選びたいと答えた人は全体の58%となっている。
しかし、特に海外進出を視野に入れている企業は、多くの言語で利用が可能だったり、手頃な価格で購入できる優れたSaaS製品のある海外製品を検討する価値もあると言える。
自社に適したSaaS選びには製品の「国籍」の枠を超えて評価することが重要だろう。
調査概要
本記事はCapterraが実施した「日本の中小企業のグローバル化実態調査」の結果をまとめたものだ。調査期間は2023年3月28日〜4月3日、全国の中小企業に勤める経営者や役職者に対してオンラインで実施。有効回答数は255人で以下の条件に合致する方を対象とした。
・日本在住者であること
・18歳以上、66歳未満であること
・2〜250人規模の中小企業の経営者、役員、または係長職以上の役職者であり、自社の海外事業を把握していること
・会社については、2023年4月の時点で設立してから4年以上経過していること
関連情報
https://www.capterra.jp/blog/3685/internationalization-smbs-organizational-changes
構成/清水眞希