当初社内の反応はいまひとつだった…しかしテストマーケティングで飼い主さんたちにウケたため商品開発が加速!
松本 はじめに、ペットの足形をスタンプにするためのキットを開発することとなったきっかけについて、お聞きしてもよろしいでしょうか?
多くのペットの飼い主さまが、潜在的に抱いていた希求を満たすキットだと感じましたし、これを商品化するまでの経緯については、知りたいという方も多いのではないかと感じます。
南田さん 飼い主の方がペットのことを「うちの子」とおっしゃっているのを聞いて、人間の赤ちゃんが行うような文化(手形をとる、誕生日をお祝いする、お食い初めをするなど)をペットにも応用できるのでは?と着想したのがきっかけです。
提案当初、社内の反応はいまひとつでしたが諦めきれず、ペットショップなどでテストマーケティングを実施。
プロトタイプを作成し、実際に使用していただいたところ、とても楽しそうに飼い主の方がわんちゃん、ねこちゃんと足形をとっている様子を見て、これは喜んでいただけるはずだ!と確信。社内を説得して回り、本格的に開発がスタートしました。
ペットの足が汚れないことにこだわって完成した「ぺたっち 犬猫用」
松本「ぺたっち」の特徴の一つに、足形を作成するときも汚れないという点が掲げられております。従来の朱肉を使ってのスタンプ作成も可能ではありますが、なかなか素直に大人しくしてくれないわんちゃん、ねこちゃんも多いところですし、前足が汚れてしまうので実用的ではありませんでした。
この問題はフィルムにインキを塗布し、反対側から足形をとるという形で解決しておりますが、どのようにしてこの方式が考案されたのかについて、お聞かせいただけますでしょうか?
(「ぺたっち」なら、生後1年未満の暴れん坊が相手でも、汚さずに足形がとれる!)
南田さん 透明なインキを用いて、特殊な処理をして発色させるなどの方法も検討しましたが、心から楽しんでもらうためにも、汚れないということにこだわり、直接インキに触れずに足形をとる方法はないかと社内でアイデアを出し合いました。
さまざまな材質を検討し、今のフィルム方式に行き着きました。
繰り返し使える足形作成キットに最適なインキの塗布方法にもこだわりが…
松本 この「ぺたっち」、使用可能回数およそ25回というのも驚きなのですが、これだけ何度も使用できると、仮に一度失敗しても安心ですし、自宅に何匹もペットがいるという方にとってもうれしい商品だと感じました。
この使用可能回数維持につきまして、開発する上で何かご苦労はございましたでしょうか?
南田さん 繰り返し使用できるようにするためには、使用毎にインキをフィルムに塗布する必要があります。
その際、インキを薄く均一に塗布する方法にたどり着くのに苦労しました。
インキを塗布する方法として、スプレーを用いる、ペンを使用する、ローラーを用いるなどさまざまな方法を検討しました。
しかし、どんなインキでもフィルムに塗ればキレイな足形がとれるというわけではなく、インキの性能も足形の鮮明性に大きく影響することがわかってきました。
キレイな足形を残せるインキを、薄く均一にフィルムに塗布できる方法が、スタンプパッドを使用するというものでした。
「ぺたっち」でペットとの楽しい思い出の“しるし”を残す経験をぜひ、全ての飼い主さんに楽しんでほしい!
松本 最後になりますが、この記事をきっかけに「ぺたっち」を実際に使用してみたいと考えるペット愛好家の方もきっと多くいらっしゃると思います。
そうした方々に対して、本商品の魅力を、担当者の立場からぜひPRしていただけますとさいわいです。
南田さん シヤチハタは新しいしるしの価値を追求し続けています。
これからは、残したしるしそのものだけでなく、しるしを残す行為自体も価値あるものにしていきたいと考えています。
実際に「ぺたっち」を使用いただいた方の話をお聞きすると、とった足形を見るたびに、その足形を一緒にとった思い出が頭に浮かんできて楽しい気持ちになれるとおっしゃってくれました。
「ぺたっち」は汚れず、しかも繰り返し使用することができます。
ぜひ、わんちゃん・ねこちゃんと、気軽に作品作りを楽しんでいただきたいと思います。