3. 内容証明郵便を出す際の注意点
弁護士などの専門家に依頼せず内容証明郵便を出す場合は、以下の各点にご注意ください。
①謄本の書式を守る必要がある
②内容証明郵便を取り扱う郵便局は限られている
③配達証明を付けるべき
3-1. 謄本の書式を守る必要がある
内容証明郵便の謄本については、以下の各書式を守る必要があります。なお、手書きか印字(PCで作成する場合など)かは問われません。
(a)字数・行数
縦書き:1行20字以内、1枚26行以内
横書き:以下のいずれかを満たすもの
・1行20字以内、1枚26行以内
・1行13字以内、1枚40行以内
・1行26字以内、1枚20行以内
※字数の計算方法に注意
(b)文字・記号の訂正・挿入・削除
字数および箇所を欄外または末尾の余白に記載し、押印する
(c)契印
謄本が2枚以上にわたるときは、綴り目に契印する
(d)差出人および受取人の住所氏名の記載
末尾余白に付記(内容文書の記載と同一の場合は、原則として省略可)
謄本の書式が守られていない場合は、内容証明郵便が受理されないので注意が必要です。
謄本の書式に関する詳細については、日本郵便のウェブサイトをご参照ください。
3-2. 内容証明郵便を取り扱う郵便局は限られている
内容証明郵便を取り扱っているのは、集配郵便局および支社が指定した郵便局に限られます。小規模な郵便局では、内容証明郵便を取り扱っていないケースが多いです。
内容証明郵便の取り扱いの有無については、あらかじめ郵便局にご確認ください。
3-3. 配達証明を付けるべき
内容証明郵便による意思表示(請求など)は、原則として相手方に到達した時点で効力を生じます(民法97条1項)。
後の訴訟などに備える観点からは、内容証明郵便がいつ相手方に到達したのかを把握し、証明できるようにすることが大切です。
そのため、内容証明郵便を発送する際には、必ず配達証明のオプションを付けましょう。内容証明郵便を相手方に配達した事実およびその日時を、郵便局に証明してもらえます。
なお、差出時に配達証明を付けていなくても、発送後1年以内であれば郵便局に配達証明を請求できます。
参考:配達証明|日本郵便
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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