男性側のような見た目のインパクトはないが快適な女性側
女性側は男性側より少しコンパクト。「サウナー人口の比率が男性8:女性2ということなので、7:3くらいのサイズ感」と坂西氏。12個のロッカーに対し7脚の椅子があるので、こちらも空き椅子の待ちはないだろう。
サウナ室の広さに対し、でんと構える円柱型のストーブが2つ。これは船の煙突をイメージしているそうだ。女性側はセルフロウリュができるので、蒸気が上がるとより煙突っぽさが増し、風情満点。
セルフロウリュする時に使うのは、こちらも横浜中華街にある中国茶専門店『悟空茶荘』が提供する中国茶だ。
いろいろ試した結果、ジャスミン茶とウーロン茶が良いという結論に至り、その2種類が楽しめる。「お茶ロウリュ」は何度か経験があるが、中国茶は初めて。ふわっと香りが漂い、ゆるやかにほどけていく。女性用サウナも天井に傾斜がついているので、熱がよく回る。
サウナ室の温度は男性で86℃の設定だが、「湿度が高いので体感だと100℃を超える」と坂西氏。女性用は83℃に設定してるが、こちらもセルフロウリュで体感温度が上がりやすいので、熱くなりすぎないようにスタッフが気を付けているとのこと。
リピーターが多い「サウナドリンク」
HARE-TABI SAUNA & INNの売りはまだ他にもある。入る前の「スタータードリンク」、サウナ中の「サプライドリンク」、サウナ後の「フィニッシュドリンク」と、シーン別にドリンクが用意されている。
スタータードリンクのおすすめは「ストロングショット(300円)」。ドライジンジャーエールとサンダーレモネード、クラフトコーラの3種類から選べるワンショットドリンクで、いずれも身体が温まり、発汗を促すような食材が含まれている。
サウナ中の「サプライドリンク」として用意されているのは「横浜開港オロポ(600円)」と「デトックスティー(600円)」だ。
横浜開港オロポは、まるでソルティードッグさながらに、グラスの縁の半分にシチリア島の塩がつけられている。氷はオロナミンCの氷とポカリスウェットの氷を入れているので、最後まで薄まらず、シャキシャキとおいしくいただくことができる。
デトックスティーは、女性サウナのロウリュと同じく中国茶専門店『悟空』の提供によるもので、お茶にフルーツを組み合わせたものや、薬膳フルーツから抽出したお茶がラインアップ。このお茶に入ったフルーツまでもがサウナで温まった体に沁み渡るようにおいしくて、ストローで一生懸命出して食べてしまった。
そしてサウナ後の「フィニッシュドリンク」は「自家製フルーツ牛乳(600円)」や「フローズンオレポ(600円)、横浜ビールの「道志の湧水仕込み(750円)」から選択可能。
フロントやカウンターは横浜のジャズバーをイメージしたインテリアなので「ちょっと一杯(スタータードリンクを)ひっかけて」サウナに行ったり、サウナ後はカウンターでアルコールを楽しみたい。
ドリンク類は複数杯飲むと割引があり、それを入る前に決める必要はなく、最後の精算段階で割引が適応される仕組みもユーザーフレンドリー。「サウナ王さんからは、うちのお客さんは『食事提供をやっていないのに客単価が良い』と言っていただいていて、お客様にはうちのコンセプトを理解していただいていると感じる」そうだ。
今後食事の提供は?と聞くと「サウナを楽しんだ後は、横浜中華街でサ飯を食べる、という流れを推奨している」と坂西氏。
この「横浜中華街でサ飯を食べる」という点は、「別の場所でサウナをオープンする件での打ち合わせで中華料理屋に入った際に、太田さんが中華料理を食べて『この店、サ飯がすごい』というんです。それで同席していたうちの社長が『じゃあ中華街なんてどうなっちゃうんですか』という話から、サ飯は中華がいいので、横浜中華街にサウナをつくりましょうという話になりました」
当初から「中華街でサ飯を食べる」という前提あってのサウナなのだ。
さらにウイスキーでもおなじみのキャラクターを描いている柳原良平氏は、横浜に移り住んで活動していた。そんな柳原さんの版権を持つ方にお願いして、イラストレーターのムーキーサト氏とタッグを組み、HARE-TABI SAUNA & INNのオリジナルキャラクター「アンクルサウナ」が登場した。
このアンクルサウナを眺めながら、BAR気分でフィニッシュドリンクをいただき、中華街へ繰り出すのがおすすめのコースとなる。