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中国の人民元に投資することはできる?金利はどれくらい?

2023.06.21

周辺国との人民元建ての貿易取引を増やし、国際決済で2021年12月に円を追い抜き、世界第4位のシェア2.7%となった。世界で存在感が大きくなってきている人民元への投資について解説する。

中国人民元の管理変動相場制

人民元は、中国本土で流通している通貨で、1元あたり19.64円(2023年6月15日時点オフショア)で取引されている。ドルや円は外国為替市場でいつでも自由に取引されているが、元は中国人民銀行が管理変動相場制を採用しており、ドルと一定程度連動するように管理されている。

香港ドルは、為替変動をドルと完全に連動させるドルペッグ制をとっており、連動させるために金利政策を米国と合わせ、ドルとペッグさせるための為替介入をしている。

かつて、中国元も1ドル=約6.83元のドルペッグ制となっていたが、2005年ドルと中国元を固定せず一定程度までの変動を許容する管理変動相場制とし(一時的にドルペッグに戻したことはある)、2020年には1ドル=6.3元までと元高になったが、最近では米FRBの利上げにより現在1ドル=7.178元と当時よりはドル高元安となっている。

円に対しては1元=12円程度(2012年)であったのが現在1元=19.6325円と円安元高となっており、10年前に元に10万元投資していると120万円が196万円と63%差益が得られたことになる。

これは、元が一定程度連動させているドルが単独で上がっているからであり、10年前円からドルに投資しても1ドル=76円(2012年)が1ドル=140円と84%差益が得られていることになり、元の価値が上がったからとは言えない。

中国の管理変動相場制により、ドルに一定程度連動させ、本土から元を持ち出すことは厳格に管理されている。例えば、外国人が本土で元の給与を受け取っても、簡単に他通貨に交換して自国に送金することはできず煩雑な手続きが必要だ。ましてや、本土の元をそのまま本土以外の国に送金することはできない。逆もそうで、外国の銀行が本土以外で元を元のまま自由に引き出すことはできない。

中国元の投資方法は限られている

このように、元は管理変動相場制を採用し、元の持ち出しや取引を厳しく管理している。

一方で、中国国内の元取引とは別に、香港を通じてオフショア人民元市場では自由な取引が可能で、オフショアを通じて元への投資が可能となっている。また、本土の株式市場で人民元建てで投資することも可能だ。

①元建外貨預金 金利は0.001~0.01% 為替手数料片道1%程度

元建てで元本保証されるが、普通預金の金利は低く、定期預金は取扱いがないことがほとんど。(取扱金融機関:三菱UFJ銀行、auじぶん銀行など)

②元建債券 金利は2%程度、為替手数料片道1%程度

途中売却すると元建てでも元本割れしてしまう可能性があるが、満期まで保有し、発行会社が倒産しなければ高い金利で運用できる。満期後も元建てでその他の債券へ再投資することも可能。(取扱金融機関:SBI証券など)

③中国株 為替手数料と株式取引手数料

中国株は香港、米国ADR、上海といろいろな市場に上場しているが、上海A株は元建てで取引されている。そのなかでも上海市場は、中国市場のなかで最も古い市場で最も大きな市場として、銀行や重工業、自動車、航空会社など国有企業や老舗企業が多いのが特徴だ。上海市場には、A株とB株があり、A株は国内投資家向けとなっているため元建てで取引されている。(取扱金融機関:内藤証券、楽天証券など)

④FX 為替手数料片道0.5%程度

保証金を差し入れて最大25倍までのレバレッジをかけて外貨に投資ができるが、その反面大きな損失を被る可能性があるため注意したい。(FX業者)

最近はドルに対して元安方向、今後は?

現在元はドルとある程度連動させているため、基本的にはドルと日本円との関係を見ておけばよいことになり、現在はドルの方が金利が高いため元への投資妙味はあまりない。

ただ、ある程度はドルに対しても変動させているため、ドルと元との関係にも注意したい。最近のドルは金利引き上げにより独歩高となっており、元に対しても高い。元は6月15日に政策金利であるLPRのベースとなるMLF金利を年2.75%から2.65%と0.1%引き下げし、LPRも引き下げとなる可能性がある。ドル金利はFRB議長があと2回は利上げすると述べておりまだまだドル高基調で、逆に元は金利を引き下げる可能性があることから、今年はドル高元安に動く可能性がある。

この金利引き下げは、中国経済がゼロコロナ政策解除後に伸び悩んでいることからいえる。

ゼロコロナ政策解除後、2022年末に新型コロナウィルスの大きな流行があったが、今年5月末から第2派として昨年末と同じぐらい流行している。ただ、ゼロコロナ解除後は特に厳しい規制がないため、街中には人が溢れ、大型連休には観光地が観光客で溢れかえっている。

一方で、製造業の面ではコロナ渦には政府の助成金があったり、2023年始めには生産目標通りに生産をしていたりと3月までは強い数字を示していたが、実際には需要は弱くなっている。中国の5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比0.4ポイント低下の48.8

と4月の49.2とともに景気判断の分かれ目である50を4月5月ともに割り込んだ。

また、不動産においても、主要50都市の新築取引面積は4月に前月比25%減、5月は10%超減少しており、特に不動産は家具、家電、建材、その家賃を受け取るオーナーなど波及する効果が大きい。

元安に動く可能性があるとしても、やはりドルには一定程度連動させているため、円から元に投資する際しばらくはドルと円の関係が重要となり、ドルの金利が高く、円がマイナス金利である限りはドル高円安傾向であり、その結果元高円安となる。

長期的に見ると、元が完全な変動相場制とはいかないにしても、ドルとの変動幅を広げていく可能性はある。管理変動相場制は、為替の安定化、自国通貨や人民の資産等が国外に流出してしまうのを防ぐことができる一方で、為替介入のためにドルなどの外貨準備を大きく用意しておく必要がありそれに伴い為替損益、また貿易決済において外貨に換えるための手数料が必要となってしまう。

また、人民元を国際的な通貨にしたいという第14次五か年計画でも述べられている通り、国際的な通貨とするためにはもう一段変動幅を広げたり、資本取引の自由化を進めたりする必要がある。そうなってくると、中国の経済成長に伴い将来ドルに並ぶ通貨となる可能性も出てくる。しかしながら、中国は対外政策に教鞭な姿勢をとっており、もし実行に移すようなことがあればまだ各国から経済制裁等が行われ経済が停滞して急な下落も起きかねないため、投資には注意が必要な通貨でもある。

(参考)
人民元の国際決済シェア、1月は3.2%と過去最高-SWIFT – Bloomberg

文/大堀貴子

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