DIME MAGAZINE
なぜカシオが家具ブランドとコラボしたのか？
＠DIME：い、椅子ですかね!? そう言われてみれば、ピアノ椅子というと、横長のイメージですけれど、めっちゃオシャレじゃないですか。まるでインテリアショップにあるよな……。
有賀さん：そのとおり!! 『CC-7』（4万9500円）という椅子なのですが、実は九州の老舗インテリア会社・関家具のブランド「CRASH GATE（クラッシュゲート）」さんとコラボして開発したものなんです。弊社はピアノ椅子の機能性に関するノウハウや技術は持っていますが、「PX-S7000」と調和するデザイン性も兼備させたいと考えたのです。そこで20を超えるブランドの椅子を買い集めて分析、評価していった中で、CRASH GATEさんの椅子が最も親和性が高いと感じたのです。
――ということで、関家具 クラッシュ事業部の光浦さん・森さんとオンラインでつないでいます。
＠DIME：編集部に九州出身のものが何人かいるので「CRASH GATE」のことは、存じ上げています。今回、カシオさんからは、どんな注文がありましたか？
CRASH GATE 光浦さん：「ピアノを適切な姿勢で弾ける」ことが、ピアノ椅子の〝あるべき条件〟で、さらに様々な体格の方が使われるものなので、座面の高さを調節でき、かつ高低の調節範囲を広く取れることが重要――という話をいただきました。そこで、カシオさんと相談のうえで、調節は段階式ではなくて、高さを微調整できる無段階調整式にました。
＠DIME：座面をくるくる回して、調整するんですね。椅子というと、やはり座り心地も重要なポイントになりますが、どういった点にこだわりましたか？
CRASH GATE 森さん：座面は長時間弾いても疲れにくくなるよう、ほどよいクッション性を持たせました。適度に沈み込むことで体を支え、正しい姿勢を保てるのです。鍵盤を弾くときは体の重心が左右に動くということで、どちらかに偏っても重心が安定するような設計に。カシオさんが長年積み重ねた知見があったから、実現できましたね。そうした機能面に加えて、弊社では、座面の大きさと脚部の広がりのバランス、そして、もちろん椅子本来の役割である〝安心して座れる〟設計になるよう注力しました。
有賀さん：「PX-S7000」の3色すべてのラインアップに合うよう、木材や座面の張地の色合い（ライトとダークの2種を用意）も2社で考えました。木部の塗料は0.1％単位で調合を変えていただくなど、かなりの手間をかけてもらったおかげで、納得の色味を実現できました。、CRASH GATEさんと製品の改良を重ねた結果、「PX-S7000」に合う直線的な造形でモダンなイメージの椅子が完成したのです。
カシオ計算機初のインテリア会社との協業。この挑戦により「ピアノを弾いてみたい！」と思う人は増えるのは間違いない。だって、楽器の演奏に興味がなかった＠DIMEの記者の心を動かしたのだから……。
関連情報
https://music.casio.com/jp/electronic-musical-instruments/privia/
取材・文／寺田剛治
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