
目次
昆虫が好きな子どもにカマキリやカブトムシなど、さまざまな昆虫の英語名を教えてあげると、英語に興味を持つきっかけになるかもしれません。呼び名についての由来など、豆知識にも触れるので、英語名と一緒に学びましょう。
「カマキリ」の英語名は何?
英語が得意な人でも、カマキリの英語名を知らない人は珍しくありません。カマキリを表す二つの英語名を、読み方や由来などとともに紹介します。
「mantis」
カマキリの英語名は『mantis』で、読み方は『マンティス』です。複数形にする場合は『mantises(マンティセス)』となり、つづりに注意が必要です。
カマキリは種類によって異なる呼び方もあります。例えば、日本でよく見かけるオオカマキリは『Japanese giant mantis』といわれ、学名では『tenodera aridifolia』と呼ばれています。
マレーシアなど、アジア圏でよく見られるハラビロカマキリの呼び名は『Asian mantis』で、学名では『hierodula patellifera』です。チョウセンカマキリは『narrow-winged mantis』と呼ばれています。
「praying mantis」
カマキリのもう一つの呼び名は『praying mantis』です。
「praying mantis」の意味と由来
prayingには『祈る』という意味があり、カマキリがカマ状の前足を持ち上げて、静止している姿が祈っているように見えることが名前の由来といわれています。この名称は、カマキリの独特なポーズと神秘的なイメージを見事に表しています。
日本でもカマキリを、預言者を意味する『おがみ虫』という方言で呼んでいる地域も少なくありません。また、mantisにもギリシャ語で預言者という意味があります。
「カマキリ」の仲間の英語名
カマキリにはさまざまな種類があり、それぞれに対応する英語名があります。たとえば、日本に生息する一般的なカマキリ種だけでなく、他の地域のカマキリも特徴に応じた名前で呼ばれています。
これらの名前には、形状や生息地、行動に由来するものが多く、英語でその違いを知ることは生物の理解を深める助けになります。以下の見出しでは、具体的なカマキリの種類とその英語名を詳しく紹介します。
チョウセンカマキリは「narrow-winged mantis」
チョウセンカマキリは、英語で「narrow-winged mantis」と呼ばれます。この名前は、チョウセンカマキリの細長い羽の特徴に由来しています。日本をはじめアジア各地に広く分布しており、庭や公園などでもよく見かける種類です。
その俊敏な動きと優雅な姿から、観察対象としても人気があります。「narrow-winged」という言葉は、羽の形状を端的に表しており、視覚的な特徴を捉えた適切な表現です。
オオカマキリは「Japanese giant mantis」
オオカマキリは、日本語でもその大きさで知られていますが、英語では「Japanese giant mantis」と呼ばれます。この名前には、「日本」と「巨大なカマキリ」という意味が含まれており、見た目や生息地を端的に示しています。
特に、大型で迫力のある姿は海外でも注目されており、昆虫学の研究や自然観察の対象としても価値が高いです。この英語名を知っていると、海外の昆虫愛好家と交流する際にも役立ちます。
カマキリモドキは「mantispid」や「false mantid」
カマキリモドキは、見た目がカマキリに似ているため「mantispid」や「false mantid」と呼ばれます。「false mantid」は「偽のカマキリ」という意味です。
この名前は、カマキリと同じく鎌のような前脚を持つものの、実際には異なる昆虫の仲間であることを強調しています。カマキリモドキは昆虫の多様性を象徴する存在で、学術的にも興味深い種類です。
「カマキリ」以外の代表的な昆虫の英語名
日本でよく知られている、その他の代表的な昆虫の英語名を見ていきましょう。また、昆虫は英語でどう表現するのかについても紹介します。
昆虫は「insect」
昆虫は基本的に、体が頭・胸・腹の3部構成で6本の足を持つ生物のことで、英語で『insect』と表現するのが一般的です。日常会話では、広い意味で『虫』を表す『bug』が使われる場合もあります。
ただし、英語には日本語の虫に該当する総称がなく、カマキリやチョウは『insect』、蚊やハエは『bug』、ミミズは『worm』などと区別されています。
カブトムシは「rhinoceros beetle」
カブトムシの英語名は『rhinoceros beetle』です。単に『beetle』と呼ぶこともありますが、厳密にはbeetleは、カブトムシを含んだ甲虫類全体のことを指します。
rhinocerosは動物のサイの英語名で、カブトムシの角の形が、サイの角の形と似ていることから名付けられたといわれています。
なお、クワガタムシの英語名は『stag beetle』です。stagは雄鹿のことで、クワガタムシの角が雄鹿の角を連想させることから名付けられたようです。
チョウは「butterfly」
チョウ類全体を表す英語名は『butterfly』ですが、種類によって呼び方が異なります。
例えば、日本でよく目にするアゲハチョウは『swallowtail butterfly』もしくは『swallowtail』です。後ろの羽がツバメの尾に似ていることから、ツバメという意味のswallowと、尾という意味のtailが組み合わさり、swallowtailになったといわれています。
モンシロチョウは『cabbage butterfly』です。cabbageはキャベツのことで、幼虫の好物の一つがキャベツであることが由来といわれています。
なお、水泳の泳法の一つであるバタフライは、両手の動作がチョウが飛ぶようであることから名付けられたようです。
セミは「cicada」
セミの英語名は『cicada』です。アメリカ英語では『シケイダ』に近い発音ですが、イギリス英語では『シカ―ダ』に近い発音です。
アメリカの中東部や東部には、およそ17年間と長い幼虫期間を持つ有名な周期セミがおり、『periodical cicada』や『seventeen-year locust』と呼ばれています。体調は約2~3cmで、おびただしい数のセミが一斉に現れることで知られています。
『seventeen-year locust』のように、アメリカではセミのことを『locust』と呼ぶ場合もありますが、厳密にはバッタやイナゴを指す英語で、cicadaを使うのが一般的です。
バッタは「grasshopper」
バッタの英語名は『grasshopper』です。草という意味の『grass』と、飛ぶ(跳ねる)人・ものという意味の『hopper』が組み合わさっています。
grasshopperはバッタだけでなく、キリギリスやイナゴなどを含めた総称としても使われています。また、キリギリスは『katydid』、イナゴは『locust』と呼ぶのが一般的です。
バッタとキリギリスは見た目が似ており、区別がつかないという人もいるでしょう。簡単に見分ける方法の一つが触角です。キリギリスは触角が体長よりも長く、バッタは短いという特徴があります。子どもと一緒に違いを観察してみるのもよいでしょう。
文/編集部