スポーツクーペに恥じない動力性能
室内ではマルチメディアシステムはタッチパネル式を採用。インパネのデザインも変更された。車種展開はV6、3.5ℓの「RC350」、直4、2.5ℓ+モーターの「RC30h」、直4、2.0ℓLターボの「RC300」。それぞれに、ノーマル/バージョンL/Fスポーツが設定されている。駆動方式はすべてフロントエンジン/リアドライブの2駆になる。車両価格は、581万4000円~735万2000円だ。試乗は「RC300」と「350」。2.0ℓターボの「RC300」はエントリーモデルでもある。2ドアのボディは、全高も1395mmと低いので、ドライビングポジションも低め。フロントウインドとAピラーの圧迫感もある。
ノーマルモードで走り出す。Dレンジでも1500回転あたりからターボトルクを体感できる。そのまま加速を続けると、レッドゾーン手前の6000回転まで上昇してシフトアップする。0→100km/h加速は手元のストップウォッチでも7秒台を記録。スポーツクーペに恥じない動力性能を体感させてくれた。
乗り心地だが、ドライブセレクトモードで変化する。モードスイッチは、他のレクサス車のようにメータークラスターの左右のダイヤルで変替するのではなく、センターコンソール前方のダイヤルで行なう。このときはスタートからノーマルモードを選択した。
低速からゴツゴツ感やザラつきが少なく、高速の上下動も1回で収まる安定感は、高級クーペというイメージ。操舵力は直進、コーナーともにやや重めを保持する。これが「スポーツS」だと、乗り心地は硬めになり、直進時やコーナーでの保舵力も重めに変わった。ハードにコーナーを攻めたときの動きは、マイナーチェンジ前のモデルよりもハンドルの反応が素早くなったように感じた。これが、ハブボトル効果なのだろう。
その効果をさらに確かめるために、V6、3.5ℓの「RC350」にも試乗してみた。2.0ℓターボが295PS、350Nmに対し、3.5ℓは318PS、380Nmある。V6エンジンは、音に関してはアクセルONでのうなり音や2500回転以上でのエキゾースト音などが特徴だが、1500回転からのトルクの盛り上がりや6600回転まで小気味よく上昇するセッティングが、スポーツクーペらしい部分。Dレンジの0→100km/h加速も6秒台で「RC300」よりも1秒も速い。
タイヤはBSの「ポテンザS001」の235/40R19という、カタログではノーマルグレード用をなぜか試乗車の「Fスポーツ」は装着していた。ところが最初に乗った「RC300スポーツ」の前235/40R19、後265/35R19よりも、乗り心地を含めて合っているように感じた。
リアシートは着座位置は低めだが、ヘッドスペースも低く、身長165cmが限界。サイドウインドウもハメ殺しで、小さく、閉所感がある。2ドアクーペのリアシートは小物置き場と割り切りたい。トランクは奥行、左右幅ともに100cm以上あり、ゴルフバッグも収納できる。
ハンドルを握ることの多い女性にもクーペは似合うし「RC」はサーキットでも活躍していた実績の持ち主でもある。走りが好きな人のプライベートカーとしてもすすめたい1台だ。
■関連情報
https://lexus.jp/models/rc/
文/石川真禧照 撮影/萩原文博