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日本の企業が優秀な外国人IT人材を確保するために必要なこと

2023.06.22

経済産業省はかつて2018年を基準とし「2030年には、最大79万人のIT人材不足に陥る」と予測した。2022年末には「DX推進スキル標準」を発表し、早急なIT人材創出を促している。日本企業はIT人材確保や社内のリスキリングなどが急務だ。

こうした課題解決には、外国人IT人材の採用も一つの方法。しかし言語や文化の違いなどの面でハードルが高いと足踏みする企業も多いといわれる。外国人IT人材の獲得課題と解決策、活用のポイントを専門家に聞いた。

「外国人IT人材を活かさないなんてもったいない」

「外国人の求人方法を知らない、もしくはメリットを感じていない日本企業もまだまだ多いです。これほどもったいないことはありません」

そう話すのは、一般社団法人日本CTO協会の理事で、世界からIT高度人材が集まるシリコンバレーにいた経験などから、外国人人材の活かし方と探し方について詳しい藤倉成太氏だ。

同氏によれば、一部の外国人人材は、地頭が良く優れた人材ではあっても、日本語がたどたどしいという理由で自国に帰ってしまうという実情もあるという。しかし実際は、日本語検定1級に満たない人でも実務上、問題がないケースも多いとのこと。

「コミュニケーションの課題を感じ、外国人採用に踏み切れない企業も多いようですが、日本人は高等教育を受けていれば、ある程度の英語の読み書きができるため、さほど問題にはならないのではないでしょうか」

一般社団法人日本 CTO 協会 理事 藤倉成太氏

また、インドや中国など人口が多い地域には、優秀な高度人材も多く存在し、日本で働きたい人も一定数、存在するという。

すでにITベンチャーは、外国人IT人材の必要性を感じ、海外に拠点を設けている。

例としてフィンテック企業のマネーフォワードは2022年4月にベトナム・ハノイ市にて新たな開発拠点を開設。海外における当グループの開発拠点は、2019年に開設した同国ホーチミン市に続く2拠点目となる。エンジニアを獲得するため海外に目を向けているのだ。

外国人IT人材の活用には「リスペクト」が重要

とはいえ、外国人人材を採用するとなると、不安になるのが言葉の壁だ。昨今、日本人同士でもコミュニケーションロスが起きている状況下で、どう乗り越えるか。藤倉氏は次のようにアドバイスする。

「言葉が思うように通じなかったとしても、お互いを理解しようとする気持ち、リスペクトを重要視すれば多くの問題は解決できます。その上で、身振り手振りを交えた簡単な言葉でも、密にコミュニケーションを取ることを意識してうまく進んだ事例も多く聞きます。

また、生まれ育った場所が違うからこそ、育った環境による価値観やモチベートされることも異なります。企業側がそれらを理解し、人材をどのようにサポートし、人材に活躍してもらうかを意識することが大切です。企業によっては、社内公用語を英語にする事例も出てきています。

また、採用面接の際には、求職者からの質問を受けてお互いのギャップを事前に埋める努力も必要だと思っています。エンジニアの中でも自身の技術を磨くことに加えて、会社の成長を強く意識している人もいます。そういった外国人人材と出会えれば、同じ目標に向かって頑張っていけるのではないかと思います」

外国人IT人材に特化した採用プラットフォームが登場

藤倉氏は「外国人IT人材に特化した採用サービスも増えています」と最新事情を話す。

「採用前に人材と企業の間でトライアルワークを行い、正式な就業前にミスマッチがないかを相互に確認しあえるサービスも出てきているため、それらを活用することも検討すると良いのではないでしょうか」

2022年10月にスタートした全研本社の人材採用プラットフォームの新サービス「Yaaay(イェーーイ)」は、その一つだ。海外のIT人材を採用する際に、採用前に共に働いて人柄やスキルを確認できる。

名前の由来は、ミスマッチのリスクを抑え、「Yaaay(イェーーイ)」と喜びが沸き上がる最高の採用を実現するサービスを目指すところからきている。マッチングを確認してから採用できるほか、IT大国・インドの複数の大学と連携し、優秀なエンジニア人材を供給。月額費用は0円で、採用成功報酬は20%というコストパフォーマンスの良さを強みとする。

●開発背景

同サービスは、現場のどのような課題に着目しているのか。プロダクトオーナーを務める木村裕一氏と田中志穂氏にインタビューを行った。

「深刻な人手不足に頭を抱えている日本の地方中小ベンチャー企業が、優秀なエンジニア人材を採用できるようにしたい、日本企業が外国人エンジニア採用に安心して取り組めるようにしたいなどの想いがありました。

というのも、現在、外国人雇用に興味はあるものの、何をどうすればいいのかわからない日本企業が大半だからです。企業と外国人人材が出会える場、機会が乏しく、正しく選考するノウハウ、方法が乏しいことから、ミスマッチの採用や短期離職などが起こり、採用した人材が活躍するのが難しい環境があります。

しかし一般的な人材紹介サービスは、採用までが役務となり、採用後は人材と企業に委ねられるケースが通例です。『募集、選考はどう進めればいいのか』『ビザ(査証)はどう取得すればいいのか』『受け入れ環境はどうすればいいのか』『住居のサポートはどうすればいいのか』など採用とセットで求められる受入れ活動までを一気通貫でサポートできる企業サービスが必要と考えました」(木村氏)

全研本社「Yaaay」プロダクトオーナー 木村裕一氏

「もともとは、日本に住んでいる外国籍の方が既存スキルを活かせずにビザを取得している現状と、人材が足りない日本企業のミスマッチを何とかしたいという想いから、この事業を立ち上げようと思いました」(田中氏)

全研本社「Yaaay」プロダクトオーナー 田中志穂氏

●サービス開始後の課題

2022年10月のサービス開始後から、予想を上回るペースで外国人エンジニアの利用ユーザー数が増加した。一時は、1名の求人に100名を超える大量の応募が集まるなど、掲載企業の選考に負担がかかるケースも出てきた。対策として、田中氏は「ミスマッチの応募を回避するフィルター機能の開発と掲載求人を早期に増加させることに現在取り組んでおります」と話す。

●今後の展望

今後の展望として、木村氏は次のように結んだ。

「当社では、日本企業で活躍できる優秀な外国人エンジニアの数を増やすため、日本語と文化教育についてさらに強化することを考えています。また優秀な外国人エンジニアを受け入れられる企業の数を増やすために、企業への受入れノウハウの提供を強化することを考えています。日本国内の外国人エンジニア採用市場の拡大を目指し、さらにその先はYaaayを、グローバルな人材市場プラットフォームへ発展させていき、世界中の人材と企業が国境、国籍に関係なく出会えるサービスに発展させたいと思っています」(木村氏)

何より、優秀な外国人IT人材は、日本にも近隣諸国にも存在することは知っておきたい事実。それをいかに受け入れ、活用していけるかがポイントとなりそうだ。

【取材協力】
藤倉成太氏
一般社団法人日本 CTO 協会 理事
株式会社オージス総研でシリコンバレーに赴任し、現地ベンチャー企業との共同開発事業に携わる。帰国後は開発ツールなどの技術開発に従事する傍ら、金沢工業大学大学院工学研究科知的創造システム専攻を修了。2009年にSansan株式会社へ入社。現在は海外開発拠点設立準備室 室長として開発体制の強化を担う。

木村裕一氏
全研本社「Yaaay」プロダクトオーナー
リスクモンスター創業期にコンサルタントや広告・広報責任者としてIPOを経験。その後オプトやソウルドアウトにてマーケティング責任者、人事部長、事業開発責任者などを歴任し企業のDX支援に従事。2018年に全研本社入社、ダイバーシティ事業部を立ち上げ事業部長に就任。

田中志穂氏
全研本社「Yaaay」プロダクトオーナー
2006年上智大学フランス文学科卒業後、株式会社ユナイテッドアローズに入社。その後アメリカ留学を経て、ベンチャー企業に入社し新規事業の企画立ち上げの事業部責任者を担う。世界の優秀な人材が日本で活躍するための事業をスタートしたいという想いから、2017年に全研本社株式会社に入社し、ダイバーシティ事業部にて海外提携大学の開拓やインドでの事業立ち上げに注力している。

文/石原亜香利

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