15カ月で108万個も売れた素材系スナック
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が運営するドン・キホーテ(以下、ドンキ)のPBブランド【情熱価格】が近年、猛烈な進化と変化を遂げている。
2009年の立ち上げ当時は、ドンキらしい個性的な商品が多く発売され注目を集めたが、次第に独自性を見失い、一時は“NB商品の廉価版”というイメージが強くなった。それにつれて売上比率も下降線をたどっていたため、危機感を抱いた同社は2021年2月、PB商品のリニューアルを決行。もう一度“ドンキらしさ”を取り戻すための新たなブランドメッセージ「ドンドン驚キ」を掲げて、開発者の思いを前面に出したパッケージデザインに変え、斬新な商品を連発。15カ月間で108万個も売れた「しいたけスナック」などのヒット商品を次々に生み出している。
▲2021年11月から販売され、15か月間で108万個も売れた「しいたけスナック」(税込み646円、以下同)
2023年6月5日に開催された「ドン・キホーテPB商品メディア向け体感・展示会」では、そんなドンキの商品がさらに驚きの進化を遂げていた。人気のスナック菓子を例にレポートする。
天ぷらがお菓子に変身!「揚げ揚げ天ぷらスナック」
2023年8月に発売予定の「揚げ揚げ天ぷらスナック」は、なんと野菜の天ぷらをイメージしたスナック菓子。カボチャ、オクラ、レンコン、紅生姜のアソートタイプで、二度揚げ製法で天ぷらの衣のサクサク感を表現し、天つゆ風味の味付けをしている。
▲8月発売予定の「揚げ揚げ天ぷらスナック(78g)」(754円)※価格は店舗により異なる場合あり
「しいたけスナック」を企画したパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスPB事業部企画開発の渡辺友成氏によると、「揚げ揚げ天ぷらスナック」は、大好評だった【素材系スナック】をさらに進化させた【調理系スナック】だという。
スナックだと思って食べると、野菜の食感の再現性の高さに驚かされる。オクラは特有の香りがあり、噛むとぬめりが出てくるし、レンコンも薄いのにシャキシャキ感があり、南瓜はほっこりした甘みがある。紅生姜の辛みもきりりときいている。そして何より、どれも野菜特有の自然な甘みを強く感じる。
よくある野菜チップスとは違い、スナック菓子として成立する塩分もあり、衣のサクサク感もスナック菓子寄り。「きのこスナック」開発者の狙いのひとつが、「ポテトチップスを食べる時の罪悪感を払拭すること」にあったというが、この「揚げ揚げ天ぷらスナック」も、スナックとしての楽しさ、美味しさを担保しつつ、「野菜を食べている」ことを実感させるヘルシーさもある。野菜の種類が多い分、罪悪感の払拭という面も進化していると感じた。
このスナック、夏場の冷やし素麺のトッピングにもよさそうだし、このままみそ汁やスープにも使えそう。その意味でも【調理系スナック】といえそう。