数年ぶりに海外へ渡航すると、あらゆるところが大きく変化していることが嫌でも分かってしまう。
筆者にとって、インドネシアは「第二の住まい」のような国だった。パンデミックがなければ今でも沈没し続けていたに違いないが、それでもパンデミックは必ずしも悪い出来事ではなかった。
なぜなら、期間が空いたことにより「この国の変化」が極めて分かりやすい形で可視化されたからだ。
この3年で頭角を表したガジェットメーカーがある。今回の記事では、インドネシアのOlikeというメーカーとその製品について取り上げたい。なぜ東南アジアのメーカーをわざわざ取り上げるかというと、もしかしたら近い将来日本に上陸する可能性も否定できないからだ。
実店舗で2,000円のワイヤレスイヤホン!?
「東南アジアはシンガポールとブルネイを除き、物価が非常に安い」と今でも言われている。
しかし、日本と東南アジア諸国との物価の差は明らかに縮んでしまったと筆者は感じる。それは様々な要素に起因するものだが、少なくとも「数百円あれば大盛りのディナーにありつける」ということはなくなった。
とはいえ、モノによってはやはり安い。
今回現地で入手したOlikeのワイヤレスイヤホン『Olike TWS T101』は、まさにそのような製品である。価格は21万5,000ルピアで、これはちょうど2,000円ほど。しかもこれは、実店舗での価格。
さすがに2,000円のワイヤレスイヤホンなど、オモチャのようなものでは……。それに、Olikeなどというメーカーは聞いたことがない。ところがOlikeの公式サイトを見てみると、何とスマホメーカーのOPPOとパートナーシップを結んでいるというではないか。
さらに詳しく調べてみると、Olikeの運営会社PT.Oase Teknologi AsiaはOPPO製品のインドネシア国内展開も手掛けている。どのみちOlikeは、ネット通販によくある怪しげな無名メーカーとはまったく次元が異なるようだ。
現に、Olikeのイメージカラーであるオレンジに塗装された広告を街中でも見かけるようになった。