昨年に続き、2023年前半も円安や原材料の高騰などによる値上げ発表が相次いだ。家計が圧迫されているとの声も多いが、実はその影に隠れて「値下げ」されている商品やサービスもいくつか存在している。
そこで今回は、2023年に安くなる・安くなった商品やサービスに的を絞って紹介する。日時や用途限定でお得に購入できるようなサービスもあるのでぜひチェックしてもらいたい。
2023年に安くなる・安くなった「値下げ」商品&サービス5選
2023年に価格改定を行う(または行った)商品やサービスは多数ある。そのなかで、改定率がマイナスになる=「値下げ」商品やサービスが以下だ。
①缶ビール(2023年10月~予定)
キリン・アサヒ・サッポロ・サントリーなど大手メーカーでは、2023年10月より缶ビールの価格を6円程度値下げすると発表している。
■値下げ価格:-6円程度
■主な値下げ理由:酒税改正による減税のため
値下げの理由は、これまで350ml1缶あたり70円だった缶ビールの酒税率が2023年10月より63.35円へ引き下げられるため。各メーカーでは缶ビールの出荷価格を減税率と同額程度の6.65円値下げする方向性を示している。
このたびのビールの減税は、3年後の2026年10月に予定しているビール系飲料の税率一本化に伴った施策だ。財務省では、ビール・発泡酒・新ジャンル(第3のビール)の税率を段階的に調整し、2026年10月には350mlあたり54.25円に統一することを発表している。
そのため今回の酒税改正では、減税されたビールは値下げになるが発泡酒は税率変わらず原料高などの影響で値上げ、新ジャンル(第3のビール)は増税のため値上げとなるメーカーが多い。
サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」やキリン「一番搾り」など、人気の缶ビール銘柄はすでに出荷価格の値下げ予定が発表されている。
ちなみに、特殊製法で作られる「アサヒスーパードライジョッキ缶」などは製造コストの関係で例外となる可能性が高い。
②加熱式たばこスティック「メビウス」(2023年3月~)
2023年3月より、加熱式たばこ「Ploom X(プルーム・エックス)」用スティック「メビウス」シリーズが値下げになっている。
■値下げ価格:-70円
■主な値下げ理由:リニューアルに伴う価格見直しのため
プルーム・エックスは、JT(日本たばこ産業)より2021年8月にリリースされた人気モデルだ。専用スティックにはメビウスシリーズの他キャメルシリーズがあるが、両者には値段差がありもともとメビウスの方が70円高かった。
リニューアルに伴い税込570円から500円へと値下げされたメビウスは、物価高のご時世に大きな話題になった。リニューアル商品の開発には並々ならぬこだわりがあるということで、SNSやブログの口コミでは「味が濃くなってタバコ感と満足感が増した」という声も目立つ。
③健康保険料(2023年4月納付分~)※33都道府県のみ
2023年4月納付分から、33都道府県で健康保険料が値下げされている。
■値下げ価格:給与額や都道府県により異なる
■主な値下げ理由:保険料率改定のため
【健康保険料が値下げされる都道府県】
北海道・青森県・秋田県・岩手県・山形県・宮城県・福島県・茨城県・新潟県・富山県・石川県・福井県・長野県・岐阜県・三重県・滋賀県・和歌山県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・長崎県・佐賀県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県
個人の健康保険料は、給与額と「保険料率」を組み合わせて算出される。保険料率は例年3月に改定され、全国健康保険協会(協会けんぽ)より発表されるのだが、都道府県ごとに前年度にかかった医療費を反映して決定する仕組みになっている。
前述の33都道府県では前年対比で医療費が減少したため、保険料率が引き下がり、個人の健康保険も安くなったというわけだ。
保険料率の値下げ幅(%)については、青森県が-0.24%、茨城県では-0.04%、佐賀県では-0.49%と都道府県によってかなりバラツキがある。
ちなみに、東京や神奈川、大阪など13都府県では値上げしており、静岡県のみ改定なしとなっている。
【健康保険料が値上げされる都府県】
東京都・神奈川県・千葉県・栃木県・群馬県・埼玉県・山梨県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・福岡県
【健康保険料が変わらない県】
静岡県