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今後どう動く?米国、ユーロ圏、英国、エマージング諸国におけるマクロ経済の見通し

2023.06.21

英国の独立系資産運用グループ・シュローダーはこのほど、「シュローダー マクロ経済見通し(2023年4-6月期)」と題したレポートを公開した。

基本シナリオ

米国

堅調な労働市場が家計支出を下支えし、米国経済は年初来予想を上回って推移している。

ただし、政策金利は5.25%でターミナルレートに達したと考えられ、2023年末までに米国経済がマイルドな景気後退に入るには十分な水準と考える。

2023年の米国経済成長率見通しは1.5%と拡大が見込まれることから、2024年は0%と横ばいとなると考えている。インフレについては粘着性があるものの減速が見込まれ、インフレ率見通しは2023年に4.2%、2024年は2.3%を見込んでいる。

これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)は、2023年内に0.25%の利下げを実施し、2024年には3.5%まで引き下げると考えている。

ユーロ圏

エネルギー価格は下落したものの、食品およびサービス価格がより高くなっていることから、2023年のインフレ率(HICP)見通しは5.6%、2024年は2.4%に引き上げている。

欧州中央銀行(ECB)はリファイナンス金利を4.25%まで引き上げると考えているが、高金利の影響は、年初来予想を上回って推移するユーロ圏経済と世界経済が下支えとなり、相殺されると考えており、2023年のユーロ圏経済見通しは0.6%、2024年は0.9%に拡大すると見通している。

インフレ率は2024年初に3%以下に低下し、ECBは2024年末までに政策金利を2.5%まで引き下げると考える。

英国

英国は景気後退回避の公算があるが、英国経済成長は2023年停滞が見込まれ、2024年に0.9%に拡大すると考えている。

供給サイドの問題を背景に、インフレが続いており、2023年の消費者物価比数(CPI)は7.6%、2024年に3.6%に減速する見通しだ。

イングランド銀行(BOE)は2023年に0.5%のさらなる利上げを実施し、5%まで引き上げると考える。インフレ率は2024年にインフレ目標の2%に向け減速することが見込まれ、政策金利は2024年末までに3.25%まで引き下げられると考える。

エマージング諸国

中国経済は2023年初に市場期待を上回っており、2023年後半も底堅い経済成長が見込まれる。一方で、その他の主なエマージング諸国経済は過去の積極的な利上げが経済活動に影響を及ぼすことから、経済成長の減速が見込まれる。

2023年のエマージング諸国経済見通しは4.4%、2024年は3.9%に減速すると考えている。インフレ率は高水準での推移が続いており、年末にかけては大きく減速が見込まれ、中央銀行は2023年後半にも利下げに踏み切る可能性があると考えている。

今後想定される他のシナリオ

リスクシナリオは引き続き、経済減速に傾斜しているが、インフレリスクは以前と比べ後退し、よりバランスの取れたものとなっている。

基本シナリオ以外で今後想定される景気シナリオについて、最も可能性の高いリスクシナリオとしては、スタグフレーションシナリオの「供給サイドによるインフレ」、次いで、リフレーションシナリオの「消費者の弾力性」を想定している。

そのほか、生産性向上シナリオの「ソフトランディング」、デフレーションシナリオの「銀行危機の深刻化」や「債務上限問題を巡る債券市場の混乱再び」などが挙げられる。

世界の実質GDP成長率見通し

シュローダー・エコノミクス・チームによる見通し(基本シナリオ)

【本資料に関するご留意事項】
本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・リミテッド(以下、「作成者」といます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
本レポートは、Schroders Investment Management Limitedが海外の機関投資家向けに作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳・編集したものです。本レポートは、シュローダーのグローバルベースの一般的な取り組み・考え方をご紹介する目的で作成しており、日本の投資者を対象としない内容を含む場合があります。
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本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
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シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。

出典元:シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

構成/こじへい

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