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TOYOTA GAZOO Racingがル・マン24時間レースを2位でフィニッシュ、6連覇ならず

2023.06.17

2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦、第91回ル・マン24時間レースの長い戦いがフィニッシュを迎えた。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は深夜に7号車を失った後、孤軍奮闘の8号車が最後までフェラーリと僅差での首位争いを展開したが、惜しくも及ばず2位でフィニッシュ。

目標の6連覇に届かず、ル・マン24時間連勝記録は、昼夜を通じて続いた壮絶なバトルの末に途絶えることとなった。

5年連続でル・マンを制してきた、世界チャンピオンであるTGRは、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そして、ポルシェといった、これまでで最多となる16台のハイパーカーが競い合う伝統あるフランスのレース、ル・マン24時間の100周年大会で、6連覇に向けて挑んだ。

チケットが即完売となったこのイベントでは、32万5千人もの大観衆が見守る、最後の最後までドラマティックな展開のバトルが繰り広げられた。

昨年のル・マンウィナーであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、サバイバル戦となった今年のル・マンで最後までトップ争いに生き残り、フェラーリとの一騎打ちを繰り広げた。

しかし、惜しくも勝利には届かず、24時間にわたる長い戦いの末、8号車は優勝したフェラーリ51号車と同一周回、かつ僅か1分21秒793差の2位でチェッカーを受けることとなった。

この記念すべきル・マンに2台体制で挑んだGR010 HYBRIDだったが、チェッカーを受けたのは1台のみ。小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ホセ・マリア・ロペス選手の7号車は、スタート8時間後の深夜0時を過ぎたところで不運なアクシデントに見舞われ、勝利への望みは絶たれてしまった。

小林選手がドライブしていた7号車は後続から追突され、修復不能なダメージを負ったため、リタイアを余儀なくされた。

今回のレースにはチームオーナーであるモリゾウこと豊田章男会長も駆けつけた。決勝日の朝のチームブリーフィングで豊田会長は力強い言葉でチームを鼓舞し、チームの結束力をより確かなものに。WECチームに関わる全てのメンバーの気持ちをひとつにし、決勝レースへ臨んだ。

10日(土)午後4時にスタートが切られたレースは、3番手からスタートを切ったブエミ選手の8号車がすぐに首位に立ち、5番手スタートからコンウェイ選手の7号車も表彰台圏内へと浮上した。

レーススタートから1時間、上位10台ほどのハイパーカーがホイール・トゥ・ホイールでの激しい接近戦を展開。その後、2度にわたり豪雨に見舞われ、コンディションも順位もめまぐるしく変わったが、レース開始後3分の1の間、2台のGR010 HYBRIDは共に上位争いを繰り広げた。

しかし、日付が変わった直後、2位で首位を追っていた7号車がテルトル・ルージュでストップ。時速80km制限のスローゾーンへと向かう直前、小林選手が速度を落としたところ、後方から2台の下位カテゴリーの車両に追突され、激しい衝撃によりGR010 HYBRID 7号車は車両後部にダメージ、ピットへ戻ってレースを継続することは不可能となってしまった。

ここでレースを終えることとなった7号車だが、担当のメカニックとエンジニアは悔しさをバネに、チームスピリットと決意を新たに8号車のサポートに入り、共にTGRの戦いに加わった。

レース前半上位を争っていたプジョー94号車とフェラーリ50号車が脱落すると、その後はTGRの8号車とフェラーリ51号車との一騎打ちとなった。

夜が明ける頃には首位に立っていた8号車だったが、その後、フロントスプリッターにダメージを負うと共にリアタイヤのパンクに見舞われ、修復のためにピットへ向かい、2位へと後退。

それでも大きく差をつけられることなくコースに復帰した8号車とフェラーリ51号車は、僅差での首位争いを数時間にわたって続け、20時間を過ぎた時点でも、2台の差はわずか3秒。最後まで休む間のない争いが続いた。

最後の2時間、8号車は4スティント連続走行という大健闘を見せたハートレー選手から、平川選手へと最後のステアリングが託された。この時点で2位につける8号車とトップとの差は16秒。この差を詰めるべく全力でアタックに入った平川選手は、アルナージュコーナーで痛恨のコースオフ。

コース脇のバリアにヒットし、車両の前後にダメージを負ってしまった。この修復のために8号車は緊急ピットイン。メカニックの迅速な作業に助けられ、2位の座を守ったままコースへと復帰することに成功したが、トップとの差は3分に広がってしまった。

平川選手はコース復帰後、着実に順位を守ってチェッカーを受け、ポイントを獲得することに優先度を切り替え、2位でチェッカー。レースは残念な結果に終わったが、8号車の3名は、リードするドライバーズタイトル争いで2位との差を25ポイントに拡げることとなった。

マニュファクチャラーズタイトル争いでは、首位につけるTGRと2位フェラーリとの差は18ポイントに迫られることとなった。シーズンは残り3戦。次戦はわずか4週間後の7月9日(日)、イタリアのモンツァ6時間となる。

【WEC第4戦ル・マン24時間 決勝最終結果】

トヨタ自動車株式会社 社長/TOYOTA GAZOO Racing Europe 会長 佐藤恒治氏のコメント

100周年という記念の年に、6連覇という大きなプレッシャーがかかる大会で、トヨタWECチームは全力を出し切りました。応援してくださった全ての皆様に、心から感謝申し上げます。

チームと共に1年を歩んできて、私はチームの色々な姿を知っています。可夢偉代表が、日々チーム全員と対話し、闘いの意義やチームワークの大切さを現場で伝えてきたことを。

マイク、ホセ、セブ、ブレンドン、亮、そしてドライバー可夢偉、ドライバー達が、アスリートとして自らを追い込み、速いクルマを創ってきたことを。

メカニックが、この日のために一つひとつの作業を磨き、タイヤ交換の練習を毎日毎日、繰り返し行ってきたことを。一昨年と昨年のル・マンで起きたトラブルをエンジニアが見事に解決し、クルマの信頼性を格段に高めてくれたことを。

みんなで思いをひとつにして、チームはモリゾウと共に、トヨタのWECへの挑戦を支え続けた内山田と共に、闘いに挑みました。どんな状況であっても、諦めずに努力を積み重ねて挑戦した結果だから、チーム全員を私は誇りに思います。全員がヒーローでした。

私たちの挑戦には、いくつか失敗もあったかもしれません。しかし、失敗は挑戦をした者にしか起きないのです。限界を超える挑戦には、途方もない勇気が要ります。

その勇気こそが、未来を変えていく原動力だと私は思います。今年のル・マンは、次の100年をどのように迎えるべきなのかを私たちに教えてくれました。たくさんの応援をありがとうございました。私たちは、これからも闘い続けます。

トヨタ自動車株式会社 会長 豊田章男氏のコメント

今年のル・マン24時間レースは“場外の戦い”が、
みんなのアスリートとしての戦いを邪魔していました。
このことが本当に悔やまれて、残念で、申し訳ない気持ちです。
しかし、そんな中でチームのみんなは正々堂々と戦ってくれました。
2位完走の結果は本当に素晴らしいです。みんな、ありがとう。
この準優勝をみんなで自慢しましょう!
チームモリゾウ全員で戦った証として胸を張りましょう!

チーム代表 兼 7号車 ドライバー 小林可夢偉氏のコメント

残念ながら、このル・マン100周年記念大会は我々のレースではありませんでした。7号車は私がドライブしているときに信じられないような不運に見舞われてしまいました。

スローゾーンへ入る前の準備エリアで、前の車両が速度を落としたので、ペナルティを避けるためにこちらも速度を落としたところ、後方から追突されました。

車両のダメージは大きく、ガレージに戻る術はありませんでした。それまで力強くレースが戦えていただけに、本当に厳しい結果となってしまいましたが、8号車は最後まで全力で戦い、2位でフィニッシュしてくれました。

チームとしてできることは全てやりましたし、クルマから最大限のパフォーマンスを引き出し、ドライバーもベストを尽くしてくれました。

このル・マン100周年記念大会では、チームが今までに無いほど団結して、みんなで勝利を目指し、共にレースを楽しみました。この無念を晴らすためにも、もっと強くなって戻ってこなくてはなりません。

応援してくれた全ての方々に感謝いたします。本当にたくさんのメッセージを頂き、皆様の大きな支えがあることを感じました。これからもまた一緒に戦いましょう。

関連情報:https://toyotagazooracing.com/

構成/土屋嘉久

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