本格的なボディメイクとまではいかなくても、デニムはスリムにカッコよく履きたい。お腹の出たオジサン体型から脱したい、と思っている人は多いはず。でも、現実は、仕事に追われ、ジムへ行くのも難しい。特にコロナ明けで飲み会が少しずつ増えている昨今、肥満対策は緊急課題となっている。
今回はオリンピア出場の日本人トップフィジーカーKanekinさんに、これまでの体験から生み出した「カラダをつくるための食事」について教えてもらおう!
――はじめまして、kanekinさん。今回は「食」を中心にお話をうかがいたいと思います。よろしくお願いします。
kanekinさん はじめまして!Kanekinです。このほど、新刊書「食事は人生を変える 自分史上最高のカラダになるためのフードハック術」(KADOKAWA発刊、定価1650円)を発刊して、失敗から学んだ実録と、科学的根拠に基づく栄養素の知見を、ゲーム感覚で学べるようにまとめました。
ボディメイクに興味のある人も、ちょっとだけダイエット目的の人も、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
この本では目標設定から逆算した食事メニュー、栄養素、食べ方、ケアまで焦点を当て、チャート表や数値を入れてきちんとしたエビデンスを重視し、ビギナーもプロフェッショナルも参考になる内容にしています。特に強調したのは「食」にポイントを置いた点にあります。
「食」の重要性に到達するまで、いろいろな試行錯誤がありました。そもそも、私は健康や体づくりとは縁遠い、プロのミュージシャンでした。
ミュージシャンから日本のトップフィジーカーに
kanekinさん 当時は昼夜逆転した活動で酒タバコ、ジャンクフードを浴びるように摂取し、絵に書いたような「不健康」そのものでした。このままでは体力は落ちるし、何よりメンタルにも負荷がかかる。簡単な筋トレから始めて、少しずつフィットネスを生活に取り入れるように習慣づけしていったのです。
最初は、自分の意識を高める目的と記録の意味もあって、2014年よりYouTubeでフィットネス動画の配信を開始しました。
まだ日本ではYouTube自体が黎明期で、日本語でフィットネスや食事法を動画で紹介する人自体が少なかったから、YouTuber暦は長いほうですかね。
それからトレーニングや食事法を自分なりに研究して、アマチュアの大会に出場するようになり、2019年にIFBBメンズフィジークプロになりました。昨年はTOKYO PROで日本一の座を獲得しまして、12月には夢に見た世界最高峰のボディビル大会「Mr. Olympia」に出場しました。まだ道半ばですが、競技を通じて挑戦することの尊さを学んでいます。
カラダづくりのミッションはゲームに似ている
――kanekinさんはこの本で、ボディメイクは特にスペシャルの近道があるわけではなく、地道に毎日コツコツ積み重ねてくることこそが大切だと語っていますが、ありとあらゆるダイエットに失敗してきた怠け者の自分にとっては、とても高いハードルです。どうしたらダイエットを投げ出さず、続けることができるでしょうか?
kanekinさん 具体的なカラダづくりのミッションはゲームによく似ています。新刊書「食事は人生を変える」では、ゲームをクリアするような感覚で行う様にアドバイスしています。ゲームにはゴールがあり、そこへ向けてクリアし続けます。
ボディメイクやダイエットも自分が理想とするゴールを設定して、そこから引き算していくのです。具体的には5つのプロセスで行う提案をしています。わかりやすくダイエットしたい人のために、事例も加えて解説してみましょう。
1)ミッション:明確な目標
→たとえば、お腹を引っ込めてデニムをきれいに履きたい
2)KPI:具体的な目標
→夏の休暇で水着を着る日まで体重5キロ減
3)プロセス:持続可能な手段
→自炊率を高めて、外食はこれまでの半分にする、など。
4)アクション:スタート時期
→今やっている営業プロジェクトが終わる6月20日からスタート
5)チェック:途中経過のログを残す
→忘れないように、数値と写真をスマホ入力するようにリマインダーをセットしておく
などです。