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新生・日本代表のエースはこの男?スコットランドリーグで個人タイトルを総なめにした古橋亨梧の逆襲

2023.06.14

今季セルティックで公式戦34ゴールを挙げ、日本代表に乗り込んできた古橋亨梧(筆者撮影)

 日本中を熱気と興奮の渦に巻き込んだ2022年カタールワールドカップ(W杯)から半年。その間にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などがあり、サッカー日本代表への関心が少し薄れてしまった印象もあるが、2026年北中米W杯8強という悲願達成に向けたチーム強化はまだ始まったばかりだ。

本命不在のFW争いに名乗りを挙げた古橋亨梧

 ご存じの通り、第2次・森保ジャパンは3月から本格始動。ウルグアイ・コロンビアとの初陣2連戦は1分1敗という不本意なスタートを余儀なくされた。相手が強豪国だったこともあるが、得点を奪ったのは西村拓真(横浜)と三笘薫(ブライトン)といった2列目アタッカー陣。FW陣は残念ながら不発に終わっている。

 FWの人材難については、日本サッカー界長年の課題だが、目下、Jリーグでは、カタールW杯直前まで「日本の絶対的FW」と言われた大迫勇也(神戸)がJ1得点ランキング11ゴール(6月11日現在)を挙げ、圧倒的な存在感を示している。が、33歳という年齢を考慮し、森保一監督は代表招集を見送っている。

 大迫が代表を離れた後、浅野拓磨(ボーフム)、前田大然(セルティック)、上田綺世(セルクル・ブルージュ)らがしのぎを削っているが、今のところ突き抜けた存在がいないのは確か。誰が抜け出すかが今後のチームの動向に大きく影響するだろう。

 そんな中、代表招集待望論が高まっていたのが、今季スコットランドで凄まじい活躍を見せた点取屋・古橋亨梧(セルティック)だ。

9カ月ぶりの代表合流で笑顔を見せる古橋(筆者撮影)

雑草系FWはイニエスタ・ポステコグルー監督との出会いで進化

 彼は中央大学から2017年にJ2・FC岐阜入りし、2部リーグからキャリアをスタートさせた雑草系FW。岐阜でゴールを量産し、アンドレス・イニエスタが加入するのと同じタイミングでヴィッセル神戸へ。そこでさらに得点感覚に磨きをかけ、2021年には半年間で15ゴールを固め取りするほどの傑出した実績を残した。

「アンドレスとプレーしてワンランク、ツーランク飛躍した選手は何人もいるけど、亨梧はその筆頭。本当に点を取るのがうまくなった」と元日本代表・山口蛍(神戸)も目覚ましい成長ぶりに目を丸くしていた。

 そして、アンジェ・ポステコグルー監督から誘いを受け、2021年夏にセルティックへ移籍。最初の21-22シーズンこそリーグ12得点にとどまったが、今季は同36試合出場27ゴールと大ブレイク。カップ戦を含めて公式戦34ゴールを奪うに至った。チームはリーグ・リーグカップ・FAカップの3冠を達成し、古橋自身はMVP&得点王&ベストイレブンなどの個人タイトルを総なめにしたのである。

セルティック・パークのショップで売られている古橋亨梧Tシャツ(筆者撮影)

 現地での古橋はまさにスター中のスター。試合後のセルティック・パークの出入口前には子供たちや女性ファンがズラリと並び、「キヨゴ(現地発音)」と叫んで、サインや写真をねだるのが常。そういうファン1人1人に人懐こい笑顔を見せるのが、雑草系FWの人柄のよさだ。

 チームショップには「古橋亨梧」と日本語で書かれた特製Tシャツが売られ、偉大なレジェンドとともに背番号8のユニフォームが飾られていた。若いショップ店員は「(2005~2008年に大活躍した)シュンスケ(中村俊輔=横浜FCコーチ)はよく知らないけど、キヨゴはスーパー。ホントにセルティックに来てくれてよかった」と絶賛していたほどだ。

セルティックのチームショップでは、レジェンドとともに古橋の背番号8が掲げられている(筆者撮影)

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