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一度体感すれば欲しくなる!?夏も冬も家の中を快適な室温に保つLIXILの全館空調システム「エコエア Fine」

2023.06.23

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

高性能住宅を対象にした業界最小クラスの全館空調システム

LIXILは、季節を問わず24時間、365日、家全体を快適な室温、きれいな空気に保つ、個人宅用全館空調システム「エコエア Fine」を6月から発売を開始した。住宅の断熱等級6(HEAT20 G2レベル)以上の高性能住宅に対象にした、業界最小クラスの低容量(kw)・低風量(㎥/h)モデルとなる。

通常のルームエアコンの場合、暖房は足元に冷気がたまりやすく、冷房は高いところに熱気がたまりやすく2階やロフトが暑くなる。エコエア Fineでは、高性能住宅の優れた断熱性、気密性を活かした、特許出願中の『循環切替システム』を開発。

空調・換気の給気系ダクトと排気系ダクトに、冷房、暖房の理にかなった空気の流れを実現するための循環系ダクト(下記画像の緑ライン)を新たに設置した。

循環切替システムは、住宅の熱気が溜まりやすい高所に循環吸い込み口を設け、そこから循環接続口にダクトをつなぐ。冷房運転の際は特に熱気が高所に溜まるため、循環吸い込み口から多くの空気を吸い込み、空調して各部屋に冷たい空気を送り、冬場は下に溜まっている冷気を本体の吸い込み口から吸い込み、空調して各部屋に暖かい空気を送る。

本体から吸い込むか、循環ダクトから吸い込むかについては、冷房、暖房によって本体が自動的に切り替える。家全体にゆったりとした空気の流れが生まれ、一般的なエアコンのような気流を感じないレベルまで制御する。

「弊社は住宅の高性能化に取り組んできましたが、空調には言及していなかったため、断熱等級4や6といった高性能住宅でも、各居室にエアコンを設置し、滞在するときにエアコンをつけ、いない時には消す『間欠運転』が一般的でした。そのため冬場はエアコンがついている部屋は暖かいけれど他の部屋に移動すると寒くなり、かなり冷えている洗面所や浴室ではヒートショックのリスクにもつながります。

一般的なエアコンでは風の流れを使って家の中を循環させるため、肌に直接風が当たり肌寒くなることもありますが、我々の目指す空調は微風で気流感が少ないもので、家じゅうのどこに行ってもむらなく、冬は暖かく、夏は涼しい環境にして、空調があることを忘れる快適性を目指しました」(LIXIL Housing Technology ZHE推進事業部 ZEH推進商品開発部 澤村亮一氏)

24時間・365日運転してもルームエアコンより安いワケとは?

換気・空調が一体となったコンパクトな本体サイズ(W633×D672×H1580㎜)の室内機は、住宅内の柱1本分(910㎜)のスペースに設置することが可能。ダクト口もコンパクトで、大きな梁がある木造住宅でも納めやすい仕様となっている。

ルームエアコンと異なりエコエア Fineは各部屋の室内機が不要なので、インテリアデザインに影響を与えない。また、ルームエアコンは室外機も設置した数だけ必要になるが、エコエア Fineは1台に絞れるので外観もすっきりとなる。

換気ユニットには防虫ネットと高性能フィルターが入っており、住宅の外から取り込んで空気は換気ユニットに取り込まれ、清浄な空気にして、熱交換した空気を換気ユニットから空調ユニットに移す。空調ユニット内にも熱交換器があり冷暖房空調の操作を行う。空調ユニットの背部に、1階、2階への各吹き出し口があり、ダクトを通じて各所の吹き出し口から空気を出す。

給気のダクトは10~12本あり、各居室、ワーキングスペース、玄関、廊下、洗面所、浴室と、きめ細かく配管できることも強みで、細かい間取りを希望するオーナーにも利便性が高い。

住宅の中の空気が汚れがちな場所に排気口を設けて、汚れた空気をダクトに集約して排気口に取り込んでいき、空調ユニットから換気ユニットに渡り室外に放出する。

ルームエアコンの熱交換器は冷房運転する際に水分が溜まり、電源をオフにするとその水分が放置されてしまいカビが発生しやすくなることから、定期的に業者に依頼するエアコン清掃が必要になる。

エコエア Fineは24時間換気で空気の流れが空調に流れるシステムなので、空調を切ったときも換気の空気は常に流れている。そのため熱交換器も乾いた状態になっており、熱交換器の清掃は基本的に必要ない。ダクト内も常に空気が流れているため、湿気が滞留することもないのがメリットだ。

換気ユニット、空調ユニットにはそれぞれフィルターがあるが、室内機の正面部分に集約されており、正面扉を開けて簡単にメンテナンスができる。換気側(下記画像左)は大きなごみを吸い取る防虫ネットとメンテナンスパネルがあり、空調側(同右)にもフィルターがあるが、いずれも2か月に一度程度、掃除機でごみを吸い取るだけでメンテナンスはOK。

交換部品は正面からネジを外すことで取り出せる設計になっており、故障の際も正面から簡単に交換ができるようになっている。

「LIXIL独自の負荷計算システムを使用して、邸別ごとに負荷診断とアドバイスを行う、建築のノウハウがある総合建材メーカーのLIXILならではの『空調負荷低減提案』も、特長のひとつです。

冷房では、太陽高度方位が異なる朝・昼・夕方それぞれの負荷を設計段階で計算し、冷暖房負荷がオーバーしている空間に対して、日射遮蔽等での負荷低減など、LIXILの窓まわりの商材から適切な開口部の対策を提案して、空調負荷を抑えたアドバイスを行います」(澤村氏)

全館空調となると気になるのは電気代や省エネ性だが、2016年の省エネ基準水準の住宅で部分間欠運転を行った場合、年間冷暖房費は4.6万円。HEAT20 G2水準の住宅でエコエア Fineの冷暖房24時間運転(省エネモード使用)の場合、年間冷暖房費は3.9万円。家全体を冷暖房しても電気代を抑えることができる。

ダクトを介した商品であることから基本的には新築が対象だが、建物全体をスケルトン状態にするフルリノベーションでも対応可能。全国で発売し、参考価格は200万円程度(工事費用込み・ビルダー入り価格)。

「価格は他社の全館空調システムに比べ3分の2程度。建物の性能と循環切替システムの組み合わせにより複雑な機能無しで全館空調ができることから、コストダウンが実現できました」(LIXIL Housing Technology ZEH推進事業部 事業部長 笠井達也氏)

【AJの読み】高性能住宅の特性を活かしてシステムの小型化を図る

従来型の全館空調は空調能力・風量が大きく、複雑な制御を持つ大型の商品。対してLIXILが目指した全館空調は、断熱等級6、HEAT20 G2レベルの高性能住宅に特化して、その性能を活かし空調の能力、風量を絞ることで、システムの小型化・簡素化を図っている。

しかし、新築の高性能住宅だけが対象となると、ターゲット層は絞られてしまうが「かなり早い段階でHEAT20 G2の市場が大きくなると想定している」(笠井氏)と同社は見込む。

プロトタイプを導入したオーナーからは、どの部屋、どの場所に行っても同じ温度で、家じゅうの冷暖房を一台で完結できる、1年を通して毛布1枚で寝ることができる、冬も家の中では半袖で過ごせる、ルームエアコンに比べて手入れが楽、家の中にエアコンがない空間に満足といった声があった。

「体感すれば欲しくなる」がエコエア Fineのキャッチコピーだが、1年を通じて暑さ、寒さを気にすることなく家の中を快適に過ごせる空間は確かに魅力的だ。

文/阿部純子

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