三凛 さとし氏が「セックスレスになる原因と解消法」について解説
今回、未成年の頃に両親同士の仲が悪かったと回答した人は、20代と若くしてセックスレス夫婦になってしまう確率が男性では1.68倍、女性では1.45倍高くなるという調査結果が出ました。その原因について考察していきます。
心理学や精神医学の分野での世界的権威である故エリック・バーンが残した「子どもは親のテープレコーダーだ」という言葉が、今回の現象を解明するヒントになります。
この言葉は、子どもは親の言動や生活態度をそっくりそのままコピーする傾向があるということや、親の常識や価値観や当たり前の感覚が子どもの常識や価値観や当たり前の感覚に強く影響するということを表現したフレーズですが、若年セックスレスもまさにこれが原因の一つになっている可能性が高いと思われます。
つまり、親同士が仲良くする姿をあまり見ずに育つと、自分もパートナーができた時に親夫婦と同じような関係を当たり前のように形成してしまうということです。
では、そんな状態を解消するにはどうすればいいのでしょうか?3つのポイントをお伝えします。
1. 会話レス、スキンシップレスを自覚し改善する
セックスレスで悩む前に、普段からその前段階の会話やスキンシップが取れているのかに注目してみてください。
セックスレスになるカップルはそうでないカップルよりも普段から会話やスキンシップと言ったコミュニケーションが少ない傾向にあります。
ここで思い返してみていただきたいのが、ご自身の親御さんもあなたの子ども時代、会話レスやスキンシップレスではなかったかということです。
もし、自分の親も会話やスキンシップが少なかったということであれば、無意識のうちに親の行動をまねてしまっていたのかもしれません。
自分も親と同じで、セックスレス以前に会話レスやスキンシップレスになっていると気づいたら、セックスレスを解消する前にそこを先に改善するように心がけてください。
2. 忙しい生活スタイルを見直す
セックスレスになってしまう最大の理由は、日々の生活が仕事や家事などで忙しいからだというデータがありますので、その生活スタイルを少し変えてみましょう。
一般社団法人日本家族計画協会が、2016年10~11月に実施した「男女の生活と意識に関する調査」によると、セックスレスの理由について「仕事で疲れている」と回答した男性は35.2%、女性も17.4%いました。
自分も親のように忙しい日々を送ることで、パートナーと会話レス、スキンシップレス、ひいてはセックスレスになっているんじゃないかと自覚できる方も多いかもしれません。
3. 性的な魅力を磨く
一般社団法人日本家族計画協会が行った調査によると、40代以上のカップルのセックスレス率は60%を超えるということですので、長く一人の人といるとそうなってしまうのはある程度仕方がないこととも言えます。
だからこそ、セックスレスになりたくない方は性的な魅力磨きは必須なのではないでしょうか?
生物学と心理学の分野で言われる「クーリッジ効果」は、哺乳類のオス(限定的だがメスの場合もある)が新しい性的パートナーと出会うと性的欲求を回復させる現象を指しますが、これは既に馴染みの性的パートナーとの性交渉が絶えた後にも起こるとされています。
つまり、長く一緒にいる相手だったとしても見た目や雰囲気が変われば新鮮な気持ちになり、性的魅力が復活するということです。
またここでも、あなたが子ども時代の頃のご両親同士の関係を思い返してみてください。ご両親はお互いに新鮮な気持ちでいられるような工夫をしていたでしょうか?
もし、そんな姿見たことがないということでしたら、家族になっても性的な魅力を磨き続けるという発想すらなかったかもしれません。自覚がある方は、これからはお互いに新鮮な気持ちになれるような工夫を意識してみてください。
三凛 さとし(さんりん さとし)プロフィール
ライフコーチ。親子関係心理学の専門家。米NY州立大学卒業。SNSやオンラインスクールを通じ、お金・時間・場所の自由、そして人間関係と心身の健康の充実を実現する方法を発信中。
関連情報:http://sanrinsatoshi.com/
構成/Ara