2)スカイディスク「最適ワークス」
製造業のDXを支援する株式会社スカイディスクは、AIを活用した製造業向け生産スケジューラ「最適ワークス」を2022年4月にリリースした。
●製造業の課題を解決
従来、生産計画立案システム導入には、初期に莫大な投資が必要となっていた。開発要件が積み重なり複雑になると、システムがブラックボックス化し、ベンダー依存になってしまうという課題もあった。
これらの課題を解決するため、最適ワークスではAIを搭載したサブスクリプション型のサービスを提供する。導入コストを抑えるとともに、複雑になりがちな製造条件を簡単に設定できるシステムを実装することで、誰でも操作が可能になりベンダー依存を回避できる。また、使い始めてすぐにアウトプットを出力できるようにすることで、DXの成果を感じつつ、能動的に改善を進めていくスモールスタートを可能にした。
●課題解決へのこだわり
代表取締役CEOの内村安里氏によれば、DX推進の妨げになる課題にも焦点を当てたという。
「工場の生産計画立案システムといえば、一般的にはサービス提供の質や網羅性を担保しようとするほど複雑な仕様になり、システムエンジニア経験を持つ人にしか取り扱えないサービスになりがちです。直接システムが使えないと、DXをベンダーに丸投げする結果となり、コストもかかる上にDXプロジェクトもうまくいかなくなります。
最適ワークスは製造現場の担当者でも設定が可能なサービスとしました。またシステム部門や外部業者を介さず自身で使えるサービスとすることで、現場でオーナーシップをもって導入推進ができるようにしました」
●AI技術で汎用性向上
独自のAI技術が搭載されていることも一つの特徴だという。
「製造業の生産計画は、まるで”人の顔”のように複雑です。そこで汎用性を高めた最適化AIエンジンと、プラグインによって対応範囲を拡張していける仕組みを独自開発しています。
このエンジンは、生産計画以外の領域においても、最適な解を提案することができると考えており、その他の領域における適用可能性についても現在検証を開始しています。例えばすでに集荷・配送計画では大手インフラ企業と、CO2排出量最適化ではアスエネ社と連携し、検証を始めています。
今後はサービスの中にChatGPTに代表されるLLM(大規模言語モデル)を活用し、さらなる利便性の向上を実現させるべく研究開発もスタートさせました。今後も製造業への貢献を続けてまいります」