生活の基盤となるライフラインは固定費として家計を圧迫する存在。しかし、これを抑える住宅設備は多くの選択肢があり、補助金の対象になるケースも多い。リフォーム後にできるだけお得になる好例を紹介!
大がかりな工事なしでも省エネ生活を始められる
ガス・電気・水道代を抑えるための省エネリフォームに追い風が吹いている。2050年のカーボンニュートラル実現のため、国がリフォーム関連の補助金の大盤振る舞いを始めたからだ。
一級建築士であり、家づくりコンサルタントの船渡亮さんも「条件付きの補助金もありますが、断熱効果向上のための窓の改修や、外壁、屋根、天井、床の断熱改修ならほぼ適用されます。省エネ住宅を目指すのなら今がチャンスです」と、制度を歓迎する。
住宅設備の省エネ機能の進化もリフォーム需要に拍車をかける。
「内窓の取り付けで電気代が年間約2万円、水栓とトイレ交換で水道代が年間約1万8000円も下がります。給湯器も省エネ型にすればガス代も大幅に抑えられ、水道光熱費全体で年間5万円はコストカットできますね」(船渡さん)
10年スパンの長い目で見れば、太陽光パネルも、補助金が出るうちに導入すればお得になる可能性は高い。
「古い住宅であれば、その後の節約効果は大きい。また水回りの断熱性を高めればヒートショック対策にもなります」(船渡さん)
低予算で冷暖房効率を高めたい
窓は家の中で熱の出入りが最も大きい場所だ。窓の断熱性を高めるだけで、住まい全体の断熱性能がアップする。手始めに簡単に設置できる内窓を導入してみてはいかがだろう。冷暖房費も大幅に下がり家計を助けてくれるはずだ。
熱の逃げ道の6割を占める窓に内窓を付ければ冷暖房効率アップ!
リクシル『インプラス』5万1700円~
断熱、結露軽減、防音に効果的な内窓(二重窓・二重サッシ)。今ある窓の部屋側に取り付けるだけなら、1窓当たり最短1時間で施工できる。夏は室内の冷気の流出を抑え、冬は窓からの冷気の流入を防ぐため、冷暖房効率も大幅に向上する。
家具や床の色とも合わせやすい全4色を展開。ガラスの種類も多彩で、目隠し効果の高いブラインドイン複層ガラスなども人気だ。
※LIXIL試験結果:室外0℃、室内20℃
『インプラス』に使われる断熱効果に優れた樹脂素材は、熱伝導率がアルミのわずか1/1000。上図では設置後に最大7℃の差が計測された。
※LIXIL算出
外窓だけの時と比べ年間の冷暖房費が約2万円もお得に。冷暖房によるCO2削減量もスギ18本分に匹敵する。
費用:7万円〜 工事時間:約60分
お風呂の断熱も窓替えで効率化
YKK AP『マドリモ 内窓 プラマードU』5万3300円~
現状の窓はそのままに、浴室内側にもうひとつの窓(内窓)を設置して2重窓にする。内窓はアルミに比べて断熱効果の高い樹脂素材を使っているので、冬でも浴室内の温度が下がりにくく浴室全体を暖かくキープしてくれる。
浴室仕様はホワイトのみ。タイル壁の浴室に付いた窓にも内窓の施工ができる。
従来のガラスを、断熱効果のある複層ガラス仕様の引き違い窓に変更。窓からの冷気を抑えて浴室の温度を保つ。
費用:約8万〜14万円 工事時間:約60分