3月31日の申請スタートから大いに盛り上がりを見せる「住宅省エネ2023キャンペーン」。その理由は、かつてないほど手厚い給付金額にある。3つの事業をスマートに利用すれば、最大で275万円の給付金を受け取れる可能性も。得する補助金をダイジェストで紹介しよう。
補助金を賢く使い低コストで省エネ住宅の夢を実現
経済産業省・環境省、国土交通省が連携した3つの手厚い補助金事業「住宅省エネ2023キャンペーン」の申請が始まった。
「今回の3つは、リフォーム内容がかぶらなければ、併用することも可能です。例えば開口部のリフォーム工事でも、玄関ドアは『先進的窓リノベ事業』、内窓は『こどもエコすまい支援事業』と分けて申請をすれば、それぞれから補助金を受け取れます」(家づくりコンサルタント・船渡亮さん)
条件にもよるが、3つを上手く併用すれば最大275万円の補助金をもらえる可能性もある。また、基本となる断熱リフォームをひとつクリアすることで、補助金対象がさらに広がっていくのだ。
「『こどもエコすまい支援事業』を例にとれば、(1)開口部(窓・ドア)や、(2)外壁・屋根・天井・床の断熱リフォーム、(3)エコ住宅設備の設置、(1)(2)(3)のいずれかを行なうとビルトイン食洗機、節水型トイレといった、指定設備導入にも補助金が出ます」(船渡さん)
3事業とも予算上限に達し次第受付を終了するので、賢く選んでなるべく早く申請をしよう。
「住宅省エネ2023キャンペーン」とは?
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、家庭での省エネを強力に推進するため、国土交通省・経済産業省・環境省の連携により新設された補助事業の総称。事業は3つに分かれ、子育て世帯・若者夫婦世帯向けに、高い省エネ性能を持つ住宅の取得や断熱リフォームなどを支援する「こどもエコすまい支援事業」、窓の高断熱化リフォームに特化し、1戸当たり最大200万円の高い補助額で重点的に支援する「先進的窓リノベ事業」、高効率給湯器の導入を支援する「給湯省エネ事業」がある。3つの事業を、3省の連携によりワンストップで利用できるのだ。
【予算】1500億円(国土交通省)、1000億円(経済産業省・環境省)、300億円(経済産業省)
【交付期間】2023年3月31日〜予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)
子育て世帯・若者夫婦のくらしをサポート!
こどもエコすまい支援事業
子育て世帯(申請時点において、2004年4月2日以降に出生した子を有する世帯)、若者夫婦世帯(申請時点において夫婦であり、いずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯)による高い省エネ性能(ZEHレベル)を持つ新築住宅の取得や、住宅の省エネリフォームなどを支援する。ただし、新築住宅を除く、既存住宅のリフォームは、子育て・若者夫婦世帯だけではなく、全世帯が申請できる。省エネ投資の下支えを行ない、2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。
【補助額】一戸当たり上限30万〜60万円
窓の断熱性を高めてエコライフ
先進的窓リノベ事業
「先進的窓リノベ事業」では、条件を満たした中古住宅の、窓の断熱リフォームに補助金が支給される。家の断熱性向上を推進し、「エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)」「2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(※2013年度比)」ZEH基準の省エネルギー性能確保への貢献」の3つの実現を目標にしている。
【補助額】1戸当たり最大200万円
省エネ性能の高い給湯器の設置を補助
給湯省エネ事業
高熱効率の給湯器導入に補助金を交付。家庭用燃料電池・ハイブリッド給湯器・ヒートポンプ給湯器(事務局で登録された製品に限る)のいずれかを導入した人が対象となる。「こどもエコすまい事業」との併用はできないが、補助金額としては「給湯省エネ事業」のほうが高額なので、こちらを利用するほうが賢い。
ヒートポンプ給湯器(エコキュート)【補助額】5万円/台
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯器)【補助額】5万円/台
家庭用燃料電池(エネファーム)【補助額】15万円/台